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エピソード03



え、、目の前に山中はやとがいる。

ゆきは頭が真っ白になって血の気が引いて行くのがわかった。



「なんでいるの、、?」


「久しぶりに会っての一言がそれ笑」



意外とフランクに話しかけてきて驚きを隠せない。


「なんか感じ、、変わった?」


「そうかな?大人になったから

よく話すようにはなったかも?」


「そっかあ」



なんで話しかけてきた、、?

ずっと1人で駅まで来たと思ってたからびっくりしすぎて心臓が早い。

終わりが結構辛辣な言葉のメールで終わっているから気まずい。



「ずっと目合わさないようにしてたでしょ笑」


「えー?そんなことないよ?」


精一杯の嘘をつく。



「いま何考えてる?」


山中くんがゆきにきいてきた。



「なにとは、、」

やばい。感じが変わりすぎて脳が対応してない。




「今日目合わせないようにしてたのは本当かな」

ゆきが続けて言う。


「やっぱり笑」



「今日はちょっと答え合わせしようと思ってきたんだよね」

続けて山中くんも言う。



「答え合わせ、、?」


「俺、ゆきちゃんとわかんないまま別れちゃったからたぶん」


「ゆきちゃん、、」


「あ、先輩と笑」


今でもあの時の呼び方で自然に呼んでくれてたことにびっくりだ。


答え合わせ、、10年以上経ってるけど山中くんもモヤモヤしてたのかな。



わたしも毎年8月の引退した頃になると毎年なぜか山中くんを思い出していた。



「俺、変かもしれないけど夏になると思い出すんだよね。先輩のこと」



「え、、」


「先輩のせいってわけじゃないけど、全然俺喋らんだやん。だからか恋愛もあんまりうまくいかなくてさ」


「そうなんだ、、」



しばらく沈黙が続く。

もうこれは腹を括るしかないようだ。



「わたしも毎年8月になると、山中くんのことおもいだしてしまう」


山中くんを見ると驚いた顔をしている。

そりゃそんな顔になるよね。

わたしも忘れたいけど忘れないんだから。


こんなこと言ったら気持ち悪がられるかな。



「一緒なんだね」

山中くんがぼそっと言った。



ーーーーーゆきが話し始める。



「わたし、高三の時。

本当に山中くんのこと心底大好きだった。

これは胸を張って言えることで。

高校生ながら本当に心から好きだって思ってた」


「急に笑」


「急じゃないよ。本心だから」

真面目な顔でゆきが答える。



ゆきの顔色を見て山中くんも表情が変わる。


「俺も最初はあんまり関わったことない先輩から告白されてめちゃくちゃびびったけど、

どんどん先輩を知って行って好きになって行ったのは覚えてる」



「わたし1年と2年の時にすでに2人吹部内で元彼いたわけやん。

だから振られたのかなって思ってた」



「それは過去のことだから。まずは先輩のこと知りたかったのが本音だった。だから最初の告白は断ったんだよね」


「わかってるよ」



ーーーー沈黙。

これは神様からの贈り物だと思う。

こんな機会、二度とないと思ってた。

もう二度と、会うことはないと思ってた。


ここで解決しないと前に進めないとも思った。




「引退して付き合って、すごく幸せだった。」


「うん」




「それと同時に、なかなか自分のこと話してくれなくて一緒にいても口数も少なくて何考えてるのかなって思ってた」


「ごめんね」


「いま謝らなくていい話。笑」




「やっと笑ったね」


「え?」


「ずっと怖い顔して話してたよ笑

めちゃくちゃ嫌われたんかなって思ってた笑」




間をおいて、

「嫌いなんかじゃない!!!」

ゆきが大きい声で言い返した。


「、、先輩?」



「あ、ごめん。今日ずっと苦しくて。。

ずっと避けてて目も合わせないようにしてて、、」


「うん」


「でも本当は逆。

話したくて仕方なかった」


「今話せてるよ」


「うん」



そう言ってゆきは大粒の涙を流した。


「え、大丈夫?先輩」



「先輩って、、言わないで」


「え?」


山中くんも流石に戸惑っている。



「あーーーほんとごめん。頭おかしいんだわいまわたし」


「大丈夫だよ、ゆきちゃん」



そう呼んでくれた。そう呼んでほしかった。

わたしはとてもわがままだ。

あんなに傷付けたのに。あんなに困らせたのに。


自分のことだけだ。最悪だ。




「ありがとう、、」


その瞬間、山中くんがゆきを抱きしめた。





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