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エルフ王は唯一むに! ~隠居して趣味で刀作りにハマったら、僕、いつのまにか創剣神と呼ばれてた?~  作者: 茉森 晶


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021話『シャノンさん、御――意』



     *          *



 決戦の朝。


 ケイト王城は朝焼けに照らされ、まるで燃えているように見えた。



「では、打ち合わせ通り、ロックス隊と第一騎士団は正門へ。第二・第三は北門へ。くれぐれも『必ず敵軍が現れる』という想定で動くことを忘れぬように!」



 総指揮官がそう締めると、騎士たちは胸に拳を当てガキンと鉄の声で応えた。



「さーて……んじゃ、北門へ向かいますか」



 ザクトは身体の各部を伸ばしながら、大きなあくびを手で押さえる。



「ザクト様、あまり眠れませんでしたか? 気付け薬とか必要でしょうか」


「あはは、大丈夫だよ。なんだか気がはやって寝つけなかったけど、熟睡はできたと思う」



 ルーラがザクトを気遣うのを横目に、居づらそうなハレッタは(ロッド)で石畳をコンコンとつつく。



「ハレちゃん? 絶対危ないことはしないようにね。ルーラの防御魔法に守ってもらって……」


「子供扱いしないでくださいったら! 念を押さずとも、兄様に心配かけるようなことはしませんわ」



 目を合わせずむくれるハレッタに、ザクトは苦笑いしながらルーラに目くばせする。



「あっ、ザック! ハレッタ! おっはよー!」



 ザクト達の前に、馬に乗った甲冑姿のユーティカがさわやか笑顔でやって来た。



「いやー、緊張するね。アタシ、ちゃんとした実戦は初めてみたいなもんで……」


「そうなの? ユーティカさん、正門って……第一騎士団なんだよね」


ケイト(ウチ)は戦争とかなかったからね。魔物の討伐はそれなりにやってるし、今日はジードの補助だから大丈夫だと思うけど」



 これから部活の対外試合にでも行くくらいの緊張感で、ユーティカは屈託なく笑う。



(この人、軽いノリだけど……『ジードから一本とった』とか言ってたよな。キャラで誤魔化されてるだけで、(ジード)に次ぐくらいの若き天才剣士って感じなのか)



 『人は見かけによらないもんだ』と、誰よりギャップだらけのはずのエルフ少年が思う。


 一方、ハレッタは、そんなユーティカが印象通り危なっかしそうに見えていた。



「わたくし達は北門に回されて、助けてあげられませんからね。せいぜい死なないようにしてください」


「わ、ハレッタ、心配してくれるんだ? 嬉しいな~、ありがと!」


「心配ではありません! 化けて出られそうで、余計にめんどくさそうだからです!」


「だよね! 作戦が終わったら、また普通に生身でおしゃべりしてね!」



 話が通じてるのか微妙なユーティカに、ハレッタは呆れて(かぶり)を振る。



「おいコラ! ユーティカ・アイズ!! 何してる? 早く来い!」


「あ……は、はーい!! じゃ、みんな、あとでね!」



 ジードの怒声が響き、ユーティカは慌てて部隊に合流する。


 それを見送りつつ、ザクトはシャノンにアイコンタクト。


 しゃがんで顔の高さを合わせる彼女(シャノン)に耳打ちした。



「シャノン、単独で正門の方へ行ってくれるかな?」


「……御意に。加勢に入りますか?」


「いや……一応、約束だからね。気づかれないように監視して、どうしてもヤバいって時だけ命を守って」


「……まぁ、やってみます」



 シャノンは相変わらず、ほとんど表情を変えない。


 が、準備運動のつもりか、指をグニグニ動かしながらガニ股気味で脚の筋を伸ばす。



「3分だけ戦況を見て、連絡おねがい。もちろん……ほんとにダメそうなら、もっと早めでも」



 ザクトはそう言って、腕のリングを見せるジェスチャー。



(ぎょ)――()。んでは……」



 本来、王に対してありえないような返事とともにシャノンは立ち上がる。


 そして、耳飾りを指でピンと弾き、他人(ひと)に聞かれないよう唇を手で隠し法詞(フレーズ)を詠唱した。



 ヴン――



 耳飾りから魔法陣が浮き上がり、シャノンはそれを人差し指で引っかけ、皿回しのように頭上へ。


 パッと見、まるで天使の輪のように頭の上で白い光を放つ。



「ザクト様、しつこいようですが……エルフ以外のことを優先しないようお願いしますよ」


「わかってるってば。最優先は自分とハレッタ、それからルーラかな」



 シャノンは無表情ながら、どこか不満そうな色が混ざった顔。


 だが、すぐに両手を頭上の魔法陣に添え、そのままグイッと広げた真円へ体をくぐらせた。



「えっ…………シャノンさん!? ま、魔法陣の中に飲み込まれちゃいましたよ!?」



 シャノンの消失マジックに、ルーラは目を白黒させる。



「姿が視認できなくなっただけだよ。こっそり正門の方を見に行ってもらったんだ」


「そんな魔法もあるんですね……私、防御魔法以外は本当に疎くて」



 『これ自体は、エルフの里で独自に開発した魔法(システム)なんだけどね』と思いつつ、ザクトは要らない解説を省いた。


FUNA先生のご紹介と、亜方逸樹のTwitter(X)漫画のお陰で、たくさんの人に来ていただけたみたいで……すでに感無量です! 


亜方逸樹のTwitter(X)漫画はこちらで 

https://x.com/akataizki/status/2064279687820673319


もちろん、これからが大事だと思いますが、これまでどうしてもPVが伸びなかったので、今の時点で成仏してしまいそうでダメですね笑。

とにかく多くの人に見てもらいたい気持ちでやっていたので、この機会に「キャラ好きになれそうだし、もうちょっと見てみよう」と思ってもらえるよう頑張りたいです。


現在【月・水・金】更新を考えていましたが、せっかくの機会をいただいたので、しばらく可能な限りで毎日更新してみようかと思います。

ストックがあるわけでもなく、夏コミの作業もあるので、正直どこまでやれるかわからないですが……応援してもらえたら嬉しいです! 

……すぐにミッション失敗したら、ごめんなさい汗。

そうならないよう、気合い入れます!

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