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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第7章 動き出すオウゴウヌ王国、そして天文台へ
99/132

第99話 臨時閣議、再び

時は少しさかのぼって、火曜日の午前だった。

 

その前日の月曜日の午前に、オスカー元老院議長一行と一緒に練兵場に向かった。

(第95話、第96話)

 

 

 

ここは王城の宮殿の一室である。

 

ジョージ宰相が立ち上がり、口を開いた。

 

「今から臨時閣議を行います。

 

 なお、今回はアン女王陛下と、

 王太子であらせられるジャーロット第二王女殿下にも臨席願いました。」

 

 

 

アン女王は椅子に座ったまま、うんざりした表情で問うた。

 

「ジョージ、この閣議の目的は何か?

 

 昨夜の大雨で被害が出たのか?」

 (第97話、第98話)

 

 

 

ジョージ宰相は立ち上がったまま、苦笑いを浮かべて答えた。

 

「その大雨の被害は現在取りまとめております。

 

 今回の閣議の目的は、補正予算の真の目的を説明することにあります。」

 

 

 

ジャック外相は椅子に座ったまま、黙ってうなずいた。

 

 

 

そう、練兵場でジョージ宰相は補正予算の真の目的を話すと約束した。

(第96話)

 

アン女王とシャーロット王太子が臨席した上で、先月の国防秘密会議の内容を内閣メンバに話すと言うのが、今回の閣議の目的である。

 

 

 

 

 

先月の国防秘密会議の内容は、オウゴウヌ王国の安全にかかわる極秘事項である。

(第59話、第60話)

 

よって、国防秘密会議は参加者を限定して行われた。

 

その内容を広めることは、オウゴウヌ王国の安全上、望ましいことではない。

 

 

 

アン女王は戸惑いながら、アースキン財務相に問うた。

 

「アースキン、、、

 

 それを説明せずして、補正予算を通すのは不可能か?」

 

 

 

アースキン財務相は立ち上がり、「はい」とうなずき、話を続けた。

 

「オスカー・デービス元老院議長閣下も、

 ソフィア・デービス殿下も、陛下臨席の上、

 信頼できる貴族限定で、

 別途会議を開き、説明するとのことです。」

 (第96話)

 

 

 

アースキン・バーナード財務相は身長180cm位で髪はシルバーで短髪横分けで、瞳は青く、顔は四角い。眼鏡をかけた男性だ。

 

アースキン財務相は席に座った。 

 

 

 



アン女王は天井を見上げた。

 

そして彼女はため息をつくと、ブレント・レイ王室調査室長に語り掛けた。

 

「ブレント、、、話してやってくれ。。。」

 

 

 

ブレント・レイ王室調査室長は身長は160cm位の黒髪横分けで、瞳も黒く、ちょび髭を生やした中年男性だ。

 

 

 

 

 

ジョージ宰相は席に座った。

 

ブレント王室調査室長は立ち上がると、出席者を見渡しながら、話した。

 

「我が国の諜報活動により、ピレアスワ王国の現国王、

 アロイス・ピレアスワが死の床についているとの、

 確かな情報を得ました。。。」

 (第60話)

 

 

 

ジャック外相は席に座りながら話を繋いだ。

 

「大陸諸国連合の中で、プレアスワ王国は主要国の一つだ。

 

 アロイス・ピレアスワの死は、

 大陸諸国連合の崩壊をもたらす可能性が高い。」

 (第60話)

 

 

 

ブレント王室調査室長はうなずき、話を続けた。

 

「ええ、、、

 

 もし、大陸諸国連合が崩壊すれば、

 北の大国、ワスイ帝国が一気に南下するでしょう。

 

 ワスイ帝国は我が国との国境に達する恐れがあります。」

 (第60話)

 

 

 

フランクリン軍事相も席に座りながら、深刻な表情で話を繋いだ。

 

「ワスイ帝国は単独でも、

 我がオウゴウヌ王国の2倍の兵を有しています。。。」

 (第60話)

 

 

 

ジョージ宰相も席に座りながら、深刻な表情で話を繋いだ。

 

「2倍と言うのは、楽観的な数字だ。

 

 もし、大陸諸国連合が崩壊して、ワスイ帝国が南下すれば、

 いくつかの国を吸収するだろう。。。

 

 つまり、少なくとも2倍だ。」

 

 

 

フランクリン軍事相はうなずき、アースキン財務相に顔を向けて話しかけた。

 

「軍は大幅な強化が必要だ。それがこの補正予算だ」

 

 

 

アースキン財務相はため息をついて、つぶやいた。

 

「そういうことか。。。」

 

 

 

ジョージ宰相はアースキン財務相に苦笑いを浮かべて話しかけた。

 

「アースキン、、、


 今回の補正予算はあくまで第一弾だ。

 

 今後、何度も補正予算を組む必要がある。」

 

 

 

ジャック外相もアースキン財務相に苦笑いを浮かべて話しかけた。

 

「もちろん、軍だけでなく、、、

 

 外務省も戦争回避のため、いろいろな外交工作を行う必要がある。。。

 

 そのための補正予算をいずれ組まざるを得ない。」

 

 

 

ブレント王室調査室長は申し訳なさそうに、アースキン財務相に話しかけた。

 

「諜報活動を行う王室調査室も同じです。

 

 今取りまとめさせておりますが、、、

 補正予算をいずれ要求せざるを得ません。」

 

 

 

そう言うと、ブレント王室調査室長は席に座った。

 

 

 

 

 

アースキン財務相は天井を見上げた。

 

そして彼はため息をつくと、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

突然、リネット警察消防相が立ち上がり、真剣な表情でジャック外相に問うた。

 

「最悪の事態はワスイ帝国とガエリア教皇国が組んで、

 我が国を攻めることだと思うが、いかがか?」

 

 

 

ジャック外相はため息をつき、うなずいた。

 

「そう言う事態も想定せねばならん。。。」

 

 

 

リネット警察消防相は立ち上がったまま、真剣な表情でブレント王室調査室長に問うた。

 

「ならば、ガエリア教皇国が200年前の戦争と同じく、

 国内の狂信的な信徒を扇動することもありうるのか?」

 

 

 

ブレント王室調査室長はうなずき答えた。

 

「十分あり得ますな。。。」

 

 

 

リネット警察消防相は立ち上がったまま、真剣な表情でアン女王に話しかけた。

 

「ならば、国内の治安を預かる、

 警察消防省も補正予算を要求いたします!」

 

 

 

シャーロット第二王女は、リネット警察消防相の突然の予算要求に驚いた。

 

「なんと!」

 

 

 

だが、リネット警察消防相はシャーロット第二王女をスルーして、話を続けた。

 

「軍だけでなく、

 警察消防省もオフロードバイクの配備を要求します!

 

 手始めにオウゴウヌ王国全5州に各6台のオフロードバイクを要求します!」

 

 

 

ドム産業農林水産相が慌てて立ち上がり、リネット警察消防相に問うた。

 

「リネット、待て!

 

 なぜ全5州に各6台のオフロードバイクが必要か!?」

 

 

 

リネット警察消防相はニヤリと笑い、アン女王に問うた。

 

「オフロードバイクでもスクーターでも、

 警護は2台ないと難しい。

 

 違いますか?」

 (第44話)

 

 

 

アン女王は黙ってうなずいた。

 

 

 

リネット警察消防相は鼻先で笑い、ドム産業農林水産省に話しかけた。

 

「2台で1つのペアが必要です。

 

 でも、少なくとも1つのペアを稼働状態にするには、

 訓練や整備のローテーションを考えれば、、、

 

 少なくとも3つのペアが各州で必要です。

 

 すなわち、各州で6台のオフロードバイクが必要です。」

 

 

 

補足すると、オウゴウヌ王国は全部で5州から形成される。

 

真ん中に首都レワヅワを中心とした中央州、あとは北西、北東、南西、南東に各4州あり、全5州から成り立っている。

 

各州でオフロードバイクのペアが、少なくとも1ペアが稼働状態にするには、少なくとも3ペアが必要ってことだ。

 

 

 

フランクリン軍事相はあきれてつぶやいた。

 

「そりゃ、まあ、そうなんだが。。。」

 

 

 

ドム産業農林水産相が立ったまま、あきれてリネット警察消防相に問うた。

 

「それにしたって、、、

 

 いきなり30台のオフロードバイクなんて、、、

 

 警察消防省は使いこなせるのか?」

 

 

 

リネット警察消防相は立ったまま、笑顔でうなずいた。

 

「ええ、使いこなせないでしょうね。」

 

 

 

リネット警察消防相はフランクリン軍事相に顔を向けた。

 

「ですから、しばらく、、、

 

 数年の間、、、

 

 軍事省にオフロードバイクと要員をお預けいたします。

 

 フランクリン、しっかり訓練をお願いできるかしら?」

 

 

 

アン女王は唖然としてつぶやいた。

 

「つまり、軍への援護射撃?」

 

 

 

フランクリン軍事相は、驚き、立ち上がった。

 

そしてリネット警察消防相に頭を下げた。

 

「リネット、、、ありがとう。。。」

 

 

 

リネット警察消防相は微笑み、フランクリン軍事相に語り掛けた。

 

「ふふふ。。。

 

 これはフランクリンへの大きな貸しよ。

 

 しっかり、利子付けて返してもらうわよ。。。」

 

 

 

フランクリン軍事相は「ああ」とつぶやいた。

 

 

 

 

 

フェリックス交通建設相は席に座ったまま、アン女王に話しかけた。

 

「首都レワヅワから国境までの専用道路の設置を検討します。

 

 これも補正予算での対応になるかと思いますが。。。」

 

 

 

アン女王はうなずき答えた。

 

「そうじゃな、我が軍は小勢じゃ、展開力で上回らんと勝ち目はない。。。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

突然、閣議が開かれていた部屋に執事が血相を変えて入ってきた。

 

 

 

アン女王は執事に向け、叫んだ。

 

「今、重要な会議の最中である!

 

 何事か!」

 

 

 

執事は慌てた様子で、アン女王に話しかけた。

 

「空から何かが王城に接近しています!

 

 女王陛下へのテロかも知れません!

 

 ご避難を!」

 

 

 

すると、内閣メンバは部屋の窓側に集まり、空を見上げた。

 

 

 

アン女王は空から王城に近づくものを見つけると、半ば呆れ、半ば安心した声で言った。

 

「あれはパラグライダーじゃ。」

 

 

 

そして執事に顔を向けて語った。

 

「心配いらん。」

 

 

 

執事は戸惑いながら、頭を下げると、黙って部屋の外に出て行った。

 

 

 

シャーロット第二王女も、窓から外を見ていて、つぶやいた。

 

「うん?

 

 参謀本部の屋上に降り立ったぞ?

 

 あれは、、、ルイスか?」

 (第98話)

 

 

 

アン女王はあきれて、片手で頭を抑え、つぶやいた。

 

「またルイスか!

 

 あやつは先週末のアイスクリームでも主犯格だったし。。。」

 (第92話)

 

 

 

ジョージ宰相も、窓から外を見ていて、つぶやいた。

 

「母親のクラリス参謀総長閣下がルイスに近寄っておりますな。。。」

 (第98話)

 

 

 

シャーロット第二王女はさらにつぶやいた。

 

「うん?

 

 なんか参謀総長がOKを出しているようね。。。」

 (第98話)

 

 

 

アン女王は半ば呆れ、半ば怒りだした。

 

「あの母親(=クラリス参謀総長)は、、、

 

 余が

  『もう少しちゃんと娘を教育せぬか!』

   (第92話)

 と言っても、

 娘(=ルイス少尉)を教育する気はないようだな!」

 

 

 

アン女王はフランクリン軍事相を罵った。

 

「余が住まう王城にあんなもの(=パラグライダー)で乗り込むとは!

 

 もう母親のクラリスでは話にならん!

 

 上司のダグを呼べ!」

 

 

 

フランクリン軍事相は直立し「は!」と言うと、閣議が行われていた部屋から飛び出し、どこかへ走って行った。

 

 

 

アン女王はフランクリン軍事相が部屋から飛び出て言ったのを見届けると、再び、窓を顔を向け、叫んだ。

 

「ドーラの分隊は、エリーゼ姉上の分隊にますます似てきた!

 

 問題児集団だ!」

 

 

 

リネット警察消防相は笑い出した。

 

「ふふふ! 確かに!」

 

 

 

 

 

で、ダグ騎兵連隊長はアン女王に呼び出され、ガミガミ叱られることになる。

 

困ったダグ騎兵連隊長はオフロードバイクに乗って、王城から練兵場にやって来た。


そして、話し合いの結果、騎兵連隊の事務所に長距離無線通信機を設置することになったというわけ。

(第98話)




(あきれた笑い)ははは。。。

次話は2026/5/16 0時に更新予定です。

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