第100話 三度目の巨大生物
時は少し先戻って、火曜日の午前、僕とドーラの分隊は練兵場にいた。
ルイス少尉はパラグライダーで王城へ行っていた。
(第98話)
ルイス少尉以外の分隊メンバ、各々訓練を行っていた。
エイミー少尉とローレンス曹長は、ゲイリー少尉とトビー軍曹のオフロードバイクの運転教習を行っていた。
ヒュー少尉はケイシー上等兵と一緒に、合体ウオータージェット魔法の訓練を行っていた。
ヒュー少尉はなるべく多くの水量を流そうとした。
ケイシー上等兵は水流が逆流しないよう、圧力の与え方に工夫を重ねていた。
ジャクソン少尉とケント准尉は、前日と同様に、ドーラを相手に木剣を使った訓練を行った。
(第97話)
僕とクラレンス君は、前夜は天体観測が雨で不可能だったので、その夜は天体観測をしようと、準備をしていた。
午前11時半過ぎだったと思う。
ハンディ無線通信機からルイス少尉の声が聞こえた。
「分隊長(=ドーラ)! 聞こえますか?」
ドーラはハンディ無線通信機に話しかけた。
「ルイスか? どうした?」
ルイス少尉がハンディ無線通信機を介して答えた。
「今、パラグライダーで練兵場に戻る途中ですが、
巨大生物に追われています!」
ドーラはハンディ無線通信機を介して、怪訝な表情でルイス少尉に問うた。
「ルイス、、、
自衛用の弓矢を持って行ったはずだが、どうした?」
ルイス少尉は困った様子でハンディ無線機を介して答えた。
「それが、何本かは命中したのですが、、、
まだ仕留められず、、、
返って、頭にきたらしく、追っかけてくるのです。。。
しかも、、、矢が尽きてしましました。。。
このまま、巨大生物を連れて帰りますから、
そちら、つまり地上から退治してもらえませんか?」
ドーラはあきれた様子で、ハンディ無線機を介して、ルイス少尉以外のメンバを招集した。
「えーい、仕方がない!
分隊メンバ諸君、集まってくれ!
我は、ワンボックスカーの周辺にいる!」
数分後、ドーラの分隊メンバが、ドーラの元に集まった。
ドーラの分隊メンバは空を見上げ、ルイス少尉のパラグライダーを探した。
すると、ベリンダ上等兵が空を指さし、「いた!」と叫んだ。
ベリンダ上等兵が指さした方向を見ると、パラグライダーと、それを追っかける翼竜のような巨大生物が、練兵場に近づきつつあることが分かった。
そして、ルイス少尉の言うとおり、その巨大生物には何本も矢が刺さっていた。
ルイス少尉は自衛のため、巨大生物と戦ったのだろう。
しかし、仕留めることができなかったのだ。
ドーラはルイス少尉以外の分隊メンバに語り掛けた。
「諸君、ルイスに分かりやすいように、大きく両手を振ってくれるか?」
すると、ルイス少尉以外の分隊メンバは全員、大きく両手を振った。
次にドーラはハンディ無線通信機を介して、ルイス少尉に語り掛けた。
「ルイス、、、地上でも確認した。
我はルイスの進行方向に対して、11時の方向にいる。
近くにはワンボックスカーがあって、
分隊メンバーがお前に向かって両手を振っている。
わかるか?」
ハンディ無線通信機を介して、ルイス少尉の声が聞こえた。
「えーと、、、どれどれ、、、
あ! 確認しました。」
ドーラはハンディ無線通信機を介して、ルイス少尉に語り掛けた。
「ルイス、
高度はそのままで、
我を中心とした半径200m程度の円を描きながら、
旋回してくれないか?
あとは、地上から巨大生物を退治する。」
ハンディ無線通信機を介して、ルイス少尉の声が聞こえた。
「了解!」
ドーラはフレッド副長とケント准尉とローレンス曹長に顔を向け、語り掛けた。
「フレッド、ケント、ローレンス、
合体火炎魔法で、ルイスを追っかけてる巨大生物を退治せよ。」
フレッド副長とケント准尉とローレンス曹長は直立し、「は!」と答えた。
だが、エイミー少尉は不服そうだ。
ドーラは苦笑いを浮かべ、エイミー少尉に語りかけた。
「エイミー、、、
先々週、ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下と共に、
強弓で巨大生物を退治したではないか。。。
(第77話)
今回は譲ってくれ。」
エイミー少尉は苦笑いを浮かべ、黙ってうなずいた。
ドーラの指示通り、ルイス少尉が乗ったパラグライダーは、ドーラの分隊を中心に、約200mの円を描いて、上空で旋回を始めた。
そのパラグライダーを何本も矢が刺さって、完全に頭に来た翼竜のような巨大生物が追いかけた。
フレッド副長とケント准尉とローレンス曹長は、タイミングを見計らい、巨大生物に向けて合体火炎魔法を放った。
巨大生物は一瞬で火に包まれ、「ギャー」という悲鳴を上げ、一瞬で黒焦げとなった。
巨大生物はそのまま頭から地上に落下し、「ガッシャ! ドオン!」というものすごい音が鳴り響いた。
黒焦げとなった巨大生物は、地上に落下した後、ピクリとも動かなくなった
練兵場の官舎から、所長を始め、スタッフが駆け寄ってきた。
だが、巨大生物の死骸を見ると、所長は引きつった笑顔を浮かべた。
「これで3匹目か。。。
(第53話、第77話)
ドーラ中尉、、、あなたの分隊は、巨大生物を招いているのか?」
ドーラは慌てて、頭を下げ、弁明した。
「所長殿!
今回はルイスがこの練兵場の被災状況を報告した帰りに、
巨大生物に襲われました。
決して、我が分隊が招いているわけではございません!」
所長はため息をつくと、ドーラに語り掛けた。
「巨大生物の退治は感謝します。
でも、死骸の処理はお願いします。
先々週は我々が処理したのですから。。。」
(第79話)
そう言うと、所長はスタッフを連れて、官舎に戻っていった。
まあ、先々週はアン女王がどうしても一緒に帰りたいと言ったので、練兵場のスタッフと後方支援連隊隷下の分隊で、巨大生物の死骸の解体をしてもらったし。。。
(第79話)
今回は仕方がないだろう。。。
ドーラは頭を上げると、ため息をつくと分隊メンバに語り掛けた。
「諸君、、、巨大生物の死骸を解体し、埋めるぞ。」
そこで、まずは巨大生物の死骸の解体から始めたのだが、、、
僕が進言し、ヒュー少尉・ローレンス曹長・ケイシー上等兵の合体ウオータージェット魔法を用いた。
あ、フレッド副長の転移魔法は不要だった。
巨大生物程度なら、研磨剤の転移は無くても、水の勢いだけで、切断可能だった。
それ以外の、フレッド副長・ジャクソン少尉・ゲイリー少尉・ルイス少尉・エイミー少尉・トビー軍曹・ベリンダ上等兵で、練兵場に穴を掘り、解体した死骸を埋めた。
ルイス少尉は解体された死骸の一部を持ち、あきれた表情で語る。
「ねえ、この空飛ぶ巨大生物って、本当はこんなに軽いの?」
空飛ぶ巨大生物って翼竜にソックリなんだが、翼竜は最大級のケツァルコアトルスでも200~250kgと言われている。
有名なプテラノドンは体重約20kgと言われている。
僕は苦笑いを浮かべて答えた。
「そりゃ、空を飛ぶのなら、重量には限度がありますよ。」
ルイス少尉はあきれた表情のままつぶやいた。
「こんなに軽い生物に、私はてこずったってことか。。。」
巨大生物の死骸を埋め終わって約30分後、ダグ騎兵連隊長が王城からオフロードバイクに乗って、練兵場にやって来た。
ドーラは戸惑いながらダグ騎兵連隊長に問うた。
「ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下、
王城と練兵場との道路は冠水していたはずですが。。。」
(第98話)
ダグ騎兵連隊長はうんざりした表情で答えた。
「昼頃には、何とか道路の冠水は解消された。。。」
(第98話)
ダグ騎兵連隊長は困った表情で、ドーラに語り掛けた。
「ルイスが王城に直接パラグライダーで乗り付けて、
王城内は大騒ぎになったぞ!
俺はアン女王陛下に呼びつけられて、散々怒られた!」
(第98話)
(あきれた笑い)ははは。。。
後は第98話を読んでほしい。
(次話に続く)
今話で第100話になりました。
これも、皆様がこの作品を読んでいただけるお陰です。
本作品を読んでいただいた皆様、ありがとうございます。
評価を頂いた方、厚く御礼を申し上げます。
今後ともよろしく応援、お願いします。
しかし、、、この物語は主人公の修司の1年間の留学生活の物語です。
でも、留学生活を始めて、まだ1ヶ月程度で、第100話に達してしまいました。。。
1年間の留学生活の物語を書き切れるのでしょうか?
皆様、私のモチベーション維持のためにも、是非とも、今後とも応援よろしくお願い申し上げます。
次話は2026/5/17 0時に更新予定です。




