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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第7章 動き出すオウゴウヌ王国、そして天文台へ
98/132

第98話 練兵場の大雨(その2) ーパラグライダーで降り立つー

(前話からの続き)

 

 

 

さて、翌朝、雨はやんでいた。

 

しかし、大雨だったので、念のため、練兵場周辺をドローンとパラグライダーで調査した。

 

 

 

ああ、実は先週、魔法強化の際(第86話~第92話)、クラリス参謀総長にルイス少尉のパラグライダーからの弓の腕もチェックしてもらってたんだ。

 

クラリス参謀総長曰く、

 

「ルイスのパラグライダーからの弓の腕はまだまだ不十分だけど、

 今後を期待して、地上からの支援が受けられる高度であれば、

 練兵場から離れて飛行しても良いわ。」

 

 

と、了解を得ていたんだ。

 

 

 

 

 

話を戻そう。

 

 

 

フレッド副長は

 

「ドローンによる調査の結果、練兵場周辺の道路は冠水してます。」

 

 

と報告した。

 

 

 

そして、ルイス少尉はパラグライダーによる調査から戻ってくると、

 

「練兵場周囲だけでなく、王城に行く道のいくつかも冠水しているわ。」

 

 

と報告した。

 

 

 

ドーラはフレッド副長とルイス少尉に問うた。

 

「つまり、現状、

 ロードバイクで練兵場から王城に行くことは不可能ということか?」

 

 

 

フレッド副長とルイス少尉は黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

ドーラは空を見上げ、ため息をついた。

 

「毎朝の日報が提出できないと言うことか。。。」

 (第63話)

 

 

 

フレッド副長が困った表情でドーラに語り掛けた。

 

「分隊長(=ドーラ)、、、

 

 問題は日報ではありません。。。」

 

 

 

ドーラは怪訝な表情で「どういうことだ?」とフレッド副長に問うた。

 

 

 

フレッド副長はドーラに答えた。

 

「たぶん、首都レワヅワも昨夜は大雨であったはず。。。

 

 王城におられる騎兵大隊スタッフも、

 我々が被災していないか心配しているかも知れません。。。

 

 何らかの方法で安否報告が必要かと。。。」

 

 

 

ドーラはため息をついた。

 

「それもそうか。。。」

 

 

 

ドーラはフレッド副長に問うた。

 

「でも、どうする?

 

 オフロードバイクでも王城へは行けぬのだぞ?」

 

 

 

僕はドーラに語り掛けた。

 

「ドーラさん、意見よろしいでしょうか?」

 

 

 

ドーラは僕に顔を向けた。

 

「許す。」

 

 

 

僕はドーラに意見を言った。

 

「冠水により地上からは王城へはいけません。

 

 となると、空中から、、、

 つまりパラグライダーでルイスさんに王城へ行ってもらい、

 安否報告してもらうより他はないかと。。。」

 

 

 

僕は続けて課題を述べた。

 

「ですが、、、

 

 王城内にパラグライダーが離発着できる場所が思い当たりません。。。

 

 もう一つ、アン女王陛下が住まう王城に、

 パラグライダーで乗り込んで良いのか、判断ができません。」

 

 

 

ドーラは腕を組んで考えた。

 

「うーん、、、その通りだ。。。

 

 パラグライダーで直接王城に乗り込むのは、

 母上が怒るであろうな。。。」

 

 

 

ドーラは腕を組んだまま、分隊メンバに語り掛けた。

 

「諸君、、、

 

 王城周辺で、パラグライダーが乗り降り可能で、

 かつ、パラグライダーで乗り降りしても支障のない場所ってないか?」

 

 

 

フレッド副長も腕を組んで考えたが、

 

「分隊長(=ドーラ)、

 

 私は思い当たりません。。。」

 

 

 

そのほかのメンバも黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

しかし、ルイス少尉がニヤリと笑い、答えた。

 

「分隊長(=ドーラ)、問題ありません。

 

 王城でパラグライダーで乗り降り可能で、

 乗り降り支障のない場所に心当たりがあります。」

 

 

 

ドーラは露骨に嫌な顔を示した。

 

「ルイス、、、お前を信用して良いのか?」

 

 

 

ドーラだけでなく、分隊メンバは不信な表情でうなずいた。

 

ま、日頃のルイス少尉の行状があるからね。。。

 

 

 

ルイス少尉は周りを見渡し、頬を膨らまして答えた。

 

「大丈夫です! 信用してください!」

 

 

 

続けて、ルイス少尉はニヤリと笑い、ドーラに話しかけた。

 

「それに、、、

 

 今の状況は、私しかいない。。。

 

 そうでしょ?」

 

 

 

ドーラはため息をつくと、ルイス少尉に話しかけた。

 

「仕方がない。。。

 

 ルイス、パラグライダーで王城へ行って、

 分隊メンバおよび練兵場スタッフの安否報告と、

 日報を提出せよ。」

 

 

 

ルイス少尉は直立し、「は!」と答えた。

 

 

 

ドーラはフレッド副長に顔を向け、話しかけた。

 

「フレッド、念のためだ。

 

 練兵場の所長殿の所に伺い、

 練兵場スタッフの安否確認と、練兵場の被害状況を教えてもらえ。」

 

 

 

フレッド副長も直立し、「は!」と答えた。

 

 

 

 

 

1時間後、ルイス少尉は練兵場の被害状況をまとめたメモと、ドーラの日報を持って、王城に向けて、パラグライダーに乗って離陸した。

 

自動車を用いても王城までは2時間弱の距離だが、空には障害物がないため約1時間で王城に到着した。

 

 

 

そして、、、王城内の参謀本部の屋上に着陸した。

 

 

 

後にルイス少尉は得意げに語った。

 

「参謀本部の屋上はフラットで細長いのよ。

 

 だから、パラグライダーの離着陸には最適なのよ。」

 

 

 

だが、アン女王が住まう王城に、パラグライダーで乗り付けたことで大騒ぎになったらしい。

 

パラグライダーを知らない人がほとんどだったから、「女王陛下へのテロ攻撃です!」と叫んだ人もいたと言う。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

パラグライダーを知っているクラリス参謀総長は、上空からパラグライダーが王城に近づいたときから、スタッフからの急報で慌てて、窓から娘のルイス少尉の姿を見つけた。

 

そして、ルイス少尉が参謀本部の屋上に着陸したのを見ると、屋上に駆けあがり、ルイス少尉を罵った。

 

「ルイス! バカ者!

 

 畏れ多くも王城にそんなもの(=パラグライダー)で乗り付けるな!

 

 しかも、(母親であるクラリス参謀総長が働く)参謀本部の屋上に、

 乗り付けるとは何事か!」

 

 

 

しかし、着陸したルイス少尉は何食わぬ顔で答えた。

 

「昨日の大雨で練兵場は被災しており、その被災報告に参りました。

 

 道路が冠水しており、空からしか被災報告の方法はございませんでした。」

 

 

 

クラリス参謀総長はルイス少尉を罵った。

 

「だったら、王城近くの別の建物に降りなさい!」

 

 

 

するとルイス少尉はクラリス参謀総長に耳元でささやいた。

 

「ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下がまた逃げ出したら、、、

 

 ここからパラグライダーで追いかけられますよ。」

 

 

 

クラリス参謀総長はため息をつき、答えた。

 

「当分、、、やむを得ない事情があった時だけ、、、

 

 ここで離発着を許す。」

 

 

 

ルイス少尉は頭を下げた。

 

「は! 参謀総長閣下、ご高配ありがとうございます!」

 

 

 

と言うことで、本当にやむを得ない時だけ、王城内の参謀本部の屋上に、ルイス少尉がパラグライダーで乗り降りすることになった。

 

 

 

 

 

実際、ダグ騎兵連隊長が苦手な書類作業から逃げ出した時、クラリス参謀総長が参謀本部の屋上からパラグライダーに乗って、追いかけたそうだ。

 

で、空中には障害物がない分、たとえダグ騎兵連隊長がオフロードバイクで逃げたとしても、パラグライダーの方が速いから、すぐ捕まえてしまうそうだ。

 

で、、、ダグ騎兵連隊長が逃げ出すことはなくなったらしい。。。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

 

 

その日の正午前、ルイス少尉が戻ってきた。

 

当然、王城の売店から、分隊メンバの昼食を買い付けて戻ってきた。

 

 

 

そして、その約2時間後、ダグ騎兵連隊長がオフロードバイクに乗って、練兵場にやってきた。

 

ドーラは戸惑いながらダグ騎兵連隊長に問うた。

 

「ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下、

 

 王城と練兵場との道路は冠水していたはずですが。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はうんざりした表情で答えた。

 

「昼頃には、何とか道路の冠水は解消された。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は困った表情で、ドーラに語り掛けた。

 

「ルイスが王城に直接パラグライダーで乗り付けて、

 王城内は大騒ぎになったぞ!

 

 俺はアン女王陛下に呼びつけられて、散々怒られた!」

 

 

 

そのわきにいたルイス少尉は得意満面で答えた。

 

「でも、参謀総長閣下から、

 今後ともパラグライダーで離発着して良いと許可を得ました。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は「あいつ(=クラリス参謀総長)、勝手なことを。。。」とぼやいた。

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はドーラに語り掛けた。

 

「ともかく、可能な限り、パラグライダーで直接、王城に乗り込むな!」

 

 

 

 

 

僕はダグ騎兵連隊長に語り掛けた。

 

「ドーラさん、ダグ騎兵連隊長、、、

 

 意見よろしいでしょうか?」

 

 

 

ドーラは僕に顔を向けて「許す」と答えた。

 

 

 

僕は意見を述べた。

 

「ヒューさんが、長距離用の無線通信機を2台、組み立てました。

 

 そのうちの1台を騎兵連隊の事務所に置いたらどうでしょう?

 

 それなら、今回のように地上から王城に報告ができない場合でも、

 安否報告が可能になります。

 

 これなら、今後、

 ルイスさんにパラグライダーで王城まで行ってもらう必要は無くなります。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はヒュー少尉に顔を向けた。

 

ヒュー少尉は直立し、答えた。

 

「は!

 

 長距離用の無線通信機は組み立て終わり、

 いつでも騎兵連隊の事務所に設置可能であります!」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は僕に問うた。

 

「だが、修司殿、、、

 

 騎兵連隊の事務所に、

 誰に長距離無線通信を担当させればよい?

 

 ヒュー以外、扱えるのか?」

 

 

 

僕はヒュー少尉に問うた。

 

「ヒューさん、、、

 ゲイリーさんとトビーさんに、

 長距離無線通信の基本的な使用方法だけ良いので、

 今日と明日の2日間で伝授できますか?

 

 ゲイリーさんとトビーさんは、

 オフロードバイクの教習を受けながらで、

 大変ですが。。。」

 

 

 

ヒュー少尉は戸惑いながら答えた。

 

「できると思います。」

 

 

 

エイミー少尉も戸惑いながら答えた。

 

「オフロードバイクと通信機の操作の教習はヒューと調整して進めるわ。」

 

 

 

僕は笑顔でダグ騎兵連隊長で話しかけた。

 

「来週、僕達は天文台へ行きます。

 

 王城から天文台までは約200kmあります。

 

 でも、長距離用の無線通信機なら、

 即時に天文台から王城へ安否報告可能となります。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はため息をついてつぶやいた。

 

「確かに来週の天文台行きを考えると、

 天文台と王城との連絡方法は必要だな。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はドーラに話しかけた。

 

「事務所にスペースを作るよう指示する。」

 

 

 

そして、ダグ騎兵連隊長はオフロードバイクに乗って、王城へ帰っていった。

 

 

 

 

 

その日の夕食以降、ゲイリー少尉とトビー軍曹には、長距離無線通信機の使用方法の教習を行った。

 

と言っても、明日の午後には王城に帰るので、このときはあくまで基本的な使い方だけだった。

 

 

 

翌日の午後、王城に帰ったのだが、ヒュー少尉とゲイリー少尉とトビー軍曹は、騎兵連隊の事務所に長距離無線通信機を設置した。

 

あと、僕のワンボックスカーにも長距離通信機を設置した。

 

 

 

両方の設置が終わると、ヒュー少尉とゲイリー少尉とトビー軍曹は試験通信を行い、無事、通信ができることを確認した。

 

 

 

実際、騎兵連隊の事務所と、ワンボックスカーの長距離無線通信機は、次の週の天文台の定期的な安否報告で活躍したよ。



次話は2026/5/15 0時に更新予定です。

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