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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第6章 新たな出会い、そして強化
92/97

第92話 続、ベリンダ上等兵の魔法強化(その2) ー騒動ー

(前話からの続き)

 

 

 

レオ近衛師団長はフランクリン軍事大臣に顔を向けた。

 

 

 

そのやり取りを見ていたフランクリン軍事大臣はため息をつき、ドーラの分隊メンバ全員に語り掛けた。

 

「練兵場のキッチンに行きましょう。」

 

 

 

そうして、練兵場の官舎の中にある食堂のキッチンへ、皆で歩いて行った。

 

 

 

 

 

練兵場の官舎に行くと、まず、フランクリン軍事大臣は所長と話をした。

 

所長はフランクリン軍事大臣と共にキッチンに行くと、そこの調理人に話をした。

 

 

 

調理人は大小のボールと牛乳、生クリーム、砂糖、塩、泡だて器、木べら、数十本のスプーンだけを出してもらった。

 

そして、調理人達には、1時間ほど、キッチンから退場してもらった。

 

そう、アイスクリームの調理方法を秘匿とするためだ。

 

 

 

そのキッチンにいたのは以下の通りだ。

 ・フランクリン軍事大臣、キース軍事次官、軍事大臣秘書

 ・レオ近衛師団長、クラリス参謀総長、ダグ騎兵連隊長、

  ウオーレン魔法兵連隊長、ヒラリー後方支援連隊長

 ・ドーラと分隊メンバ

 ・後方支援連隊隷下の分隊メンバ

 ・僕とクラレンス君

 

 

 

まずは小さなボールに水を注ぎ、ベリンダ上等兵とケイシー上等兵の合体冷却魔法で水を凍らせた

 

それを分隊メンバの男性陣がその氷を割って、大きなボールに入れた。

 

 

 

そこから先は第19話と同じだ。

 

あ、かき回したのはダグ騎兵連隊長だったが。。。

 

 

 

僕は冷えて固まった牛乳を2つのスプーンで取って、ベリンダ上等兵とケイシー上等兵に「試食をどうぞ」と渡した。

 

ま、二人の魔法がないと実現できないのでね。

 

最初に食べる権利は、ベリンダ上等兵とケイシー上等兵にあると思ったんだ。

 

 

 

ケイシー上等兵は恐る恐るスプーンを口に入れた。

 

その瞬間、笑顔になり、つぶやいた。

 

「冷たくて、あまーい」

 

 

 

ベリンダ上等兵は驚きの表情でつぶやいた。

 

「口当たりも良い。。。」

 

 

 

当然他の分隊メンバもスプーンでアイスクリームをとって、試食した。

 

もちろん、高評価だ。

 

 

 

 

 

そして、当然のことながら、上層部もアイスクリームを食した。

 

つまり上層部とは、

 ・フランクリン軍事大臣、キース軍事次官、軍事大臣秘書

 ・レオ近衛師団長、クラリス参謀総長、ダグ騎兵連隊長、

  ウオーレン魔法兵連隊長、ヒラリー後方支援連隊長

である。

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はアイスクリームを食しながら、うれしそうにつぶやいた。

 

「久しぶりのアイスクリームだぜ!」

 

 

 

キース軍事次官もアイスクリームを食しながら、笑顔でつぶやいた。

 

「私は初めてです!」

 

 

 

 

 

小さなボールの中のアイスクリームはすぐに無くなった。

 

当然、何度も作った。

 

 

 

ま、かき回したのは、分隊メンバの男性陣だったが。。。

 

 

 

そのうちに、キッチンの生クリームが無くなってしまってね。。。

 

大満足して、分隊メンバは上層部と一緒に、王城に帰った。

 

 

 

 

 

ま、ここまでだったら、良かったんだけどね。。。

 

ここからが騒動の始まりだった。。。

 

(ためいき)は~。。。

 

 

 

 

 

その日は金曜日で、午後10時にドーラは軍の仕事は公休となり、第一王女に戻る。

(第82話)

 

 

 

僕とドーラは宮殿のそれぞれの部屋に移動した。

 

 

 

そして、その2時間後、金曜日の午後12時、つまり土曜日の午前0時、他のメンバも公休に入った。

 

 

 

土曜日の午前0時に官舎の部屋から出たルイス少尉は、同じ官舎に住むエイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵のそれぞれの部屋を訪れた。

 

そして、ルイス少尉はニヤリと笑い、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵に語り掛けた。

 

「公休で遊ぶお金を稼がな~い♪


 屋台でアイスクリームを売って、大儲けしようよ~♪」

 

 

 

今思えば、同じ尉官であるエイミー少尉が止めてくれればよかったのだが、、、彼女も遊ぶ金欲しさに、、、つい、ニヤリと笑って、承諾してしまったのだ。。。

 

 

 

 

 

ベリンダ上等兵とケイシー上等兵の合体冷却魔法には、二酸化炭素のボンベが必要だ。

(第91話)

 

その二酸化炭素のボンベは軍の倉庫の鍵がかかる一室に厳重に保管してあった。

 

ま、二酸化炭素のボンベだけでなく、アルゴンガスのボンベやセラミックス製の剣(第87話~第89話)や、アルミナ(第90話)も保管してあったのだが。。。

 

この鍵はドーラとダグ騎兵連隊長しか持っておらず、この二人以外は開けることは『不可能なはず』だった。

 

そう、『不可能なはず』だったのだが。。。

 

 

 

ルイス少尉はピッキングで軍の倉庫の鍵をこじ開け、二酸化炭素のボンベを盗み出したのだ!

 

 

 

 

 

一方、エイミー少尉とベリンダ上等兵とケイシー上等兵は、手分けして大小のボールと牛乳と生クリームと砂糖を入手した。

 

また、大量の紙コップを購入した。

 

 

 

ま、王城内の売店は24時間営業なのでね。。。

(第63話)

 

 

 

そして、官舎の部屋で、ルイス少尉、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵はアイスクリームを作った。

 

 

 

そして、首都レワヅワの公園で屋台としてアイスクリームを、朝から販売した。

 

原価の百倍近い売価で大儲けしたらしい。。。

 

ま、「王家秘伝のスイーツだよ~!」とか「王家しか食べられないアイスクリームだよ~!」と言ってね。。。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

でもね。。。

 

オウゴウヌ王国では屋台でも営業許可が必要でね。。。

 

すぐに屋台を営業している他の業者から警察に通報があって、警察に連行されたらしい。。。

 

 

 

ルイス少尉、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵は、警察に連行された後、警察から近衛師団司令部に連絡が入ってね。。。

 

警察に身柄を引き取りに行ったダグ騎兵連隊長から大目玉を喰らったらしい。

 

特に、娘のエイミー少尉には、そりゃあ、ものすごく叱ったらしい。

 

これは後で、ベリンダ上等兵とケイシー上等兵から聞いたんだけどね。。。

 

エイミー少尉は涙目だったんだって。。。

 

 

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

 

 

ただ、ダグ騎兵連隊長はこのことを黙っているつもりだったんだ。

 

だって、アン女王の耳に入ったら、烈火のごとく、怒るのは目に見えていたから。。。

 

 

 

でもね。。。

 

ほら!

 

オウゴウヌ王家は土日は視察や慰問で、馬車で出掛けるじゃないか?

(第82話)

 

 

 

その馬車の中から、アイスクリームが屋台で売られているところを、偶然、アン女王が目撃してしまったんだ!

 

 

 

しかも、、、ほら!

 

王族と上位貴族の軍事教練では、王家の教官でドーラの分隊が勤めているから、、、

(第73話)

 

アイスクリームを売っているのが、ドーラ分隊メンバだって、アン女王はすぐわかったんだ!

 

 

 

だから、アン女王は、僕とドーラがアイスクリームの調理方法を、ドーラ分隊のメンバに漏らしたって、すぐわかったんだ!

 

 

 

 

 

視察に行く予定だったアン女王は、御者に命じて、すぐに王城に引き返した。

 

そして、視察に行く途中だったドーラを、すぐに王城に戻れと命じた。

 

 

 

ま、王城に戻ったドーラは、僕と一緒に、女王の執務室に呼ばれ、女王から烈火のごとく叱られた。

 

「どうして、アイスクリームの調理方法を漏らした!」

 

 

 

視察に行くはずだったドーラはスーツ姿のまま、仕方なく経緯を話した。

 

「母上、、、仕方がなかったのです。。。

 

 冷却魔法でアイスクリームの調理が可能であることが、

 分隊メンバに漏れ、、、

 

  『冷却魔法が可能である私達が、

   なぜ一生アイスクリームを食べられないのか?』

   (第91話)

 

 と言われると、、、

 ダメだとは言えませんでした。。」

 

 

 

そして、ドーラは言葉を続けた。

 

「そして、その場では父上もいて、

 父上の許可を得て、アイスクリームの調理方法を教えました。。。」

 (第91話)

 

 

アン女王は半ばあきれて、半ば怒り、問うた。

 

「なに!? レオがいたのか!?」

 

 

 

ドーラはうなずき答えた。

 

「はい。。。

 

 でも父上の他に、その場には、、、

 

 フランクリン・クーパー軍事大臣閣下、

 クラリス・イング参謀総長閣下、

 ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下、

 ウオーレン・ウッドハウス魔法兵連隊長閣下、

 ヒラリー・エイリー後方支援連隊長閣下

 

 もいました。。。」

 (第91話)

 

 

 

アン女王は顔を真っ赤にして怒り、執務室を出ると、執務室の外に控えていた執事に叫んだ。

 

「レオとフランクリンとダグとウオーレンとヒラリーとクラリスを呼べ!」

 

 

 

約30分後、レオ近衛師団長、フランクリン軍事大臣、ダグ騎兵連隊長、ウオーレン魔法兵連隊長、ヒラリー後方支援連隊長、クラリス参謀総長は、神妙な表情でアン女王の執務室に入ってきた。

 

警察からすでに連絡の入っていたレオ近衛師団長は、呼ばれたメンバーから、なぜ呼ばれたのか察したようで、アン女王に弁明した。

 

「アン、、、

 

 彼女達は秘密にすると約束したんだ。。。」

 (第91話)

 

 

 

警察からすでに身柄を引き取っていたダグ騎兵連隊長はあきれてアン女王に話した。

 

「ルイスは、、、

  『製法は秘密にするとは約束したが、

   販売しないとは約束していない』

 と弁明しております。。。」

 

 

 

ルイス少尉の母親であるクラリス参謀総長はあきれてため息をついた。

 

 

 

僕は恐る恐るダグ騎兵連隊長に問うた。

 

「それにしても二酸化炭素ボンベが必要で、

 鍵を閉めて、ボンベは厳重に保管してあったはずですが。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はため息をついて、答えた。

 

「その鍵をルイスがこじ開けたらしい。。。」

 

 

 

僕は驚き問うた。

 

「え?

 

 ルイスさん、、、

 

 鍵をこじ開けられることができるのですか?

 

 一体、誰がそんなこと教えたんですか?」

 

 

 

レオ近衛師団長、ダグ騎兵連隊長、ウオーレン魔法兵連隊長、ヒラリー後方支援連隊長は、横目でクラリス参謀総長をちらりと見た。

 

僕は戸惑いながら、クラリス参謀総長を見てつぶやいた。

 

「まさか。。。」

 

 

 

クラリス参謀総長はごまかし笑いをしながら、答えた。

 

「ふふふ。。。

 

 私がルイスが小さいころに、鍵のこじ開け方を教えた。。。」

 

 

 

僕は思わず、アン女王の面前にもかかわらず、クラリス参謀総長を罵った。

 

「あんた(=クラリス参謀総長)、娘(=ルイス少尉)に何教えとんじゃい!」

 

 

 

クラリス参謀総長は、なおもごまかし笑いをしながら答えた。

 

「ふふふ。。。

 

 あの子(=ルイス少尉)が小さいころ、

 私は家を留守にすることが多くって、、、

 

 たまに家に帰ると、

 あの子(=ルイス少尉)にいろいろせがまれて、、、

 

 留守にして寂しい思いをさせた罪悪感から、色々教えたの。。。

 

 その中に、鍵のこじ開け方があるってわけ。。。」

 

 

 

アン女王もあきれて、クラリス参謀総長を叱った。

 

「クラリス! もう少しちゃんと娘を教育せぬか!」

 

 

 

クラリス参謀総長はバツが悪そうに答えた。

 

「はい。。。」

 

 

 

こうして、アン女王はクラリス参謀総長をガミガミ叱った。

 

クラリス参謀総長は直立し、頭を下げ「申し訳ありませんでした!」と、アン女王に謝罪を続けた。

 

 

 

 

 

さて、今回の騒動の犯人である、ルイス少尉、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵は、不許可販売をしたということで、オウゴウヌ王国の法律に従い、警察に売上金没収と罰金を支払った。

 

つまり原価代は彼女達の負担となり、プラス罰金も支払ったというわけた。


彼女達は大赤字である。

 

ま、犯罪は割に合わないと言うことだ。

 

 

 

 

 

加えて、軍としての罰が下った。

 

ルイス少尉、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵に罰を下したのはダグ騎兵連隊長であり、ドーラが同席した。

 

 

 

あ、ドーラは第一王女としての公務中だったのでスーツ姿であった。

 

そして、ルイス少尉、エイミー少尉、ベリンダ上等兵、ケイシー上等兵は私服である。

 

 

 

 

 

まず、ダグ騎兵連隊長は、「二酸化炭素ボンベをドーラ分隊から取り上げる。」と言い渡した。

 

つまり、ベリンダ上等兵の魔法強化は封印となった。

 

それを聞いたベリンダ上等兵は、思わずルイス少尉を罵った。

 

「ルイス少尉、どうしてくれるんですか!」

 

 

 

ルイス少尉はベリンダ上等兵に言い返した。

 

「あなただって共犯でしょ!」

 

 

 

 

 

軍としての罰はそれだけでなく、、、

 

ベリンダ上等兵とケイシー上等兵は、2日間の公休なしと、2日間の自室謹慎を、ダグ騎兵連隊長は言い渡した。

 

 

 

 

 

で、、、尉官であるエイミー少尉とルイス少尉には、もっと厳しい罰をダグ騎兵連隊長は言い渡した。

 

 

 

エイミー少尉は、尉官でありながら犯罪行為を止めず、しかも共犯になったということで、反省文の提出と、向こう半月の公休なしと、1日の営倉送りとなった。

 

 

 

ルイス少尉は、尉官でありながら主犯格であること、加えて軍の倉庫の鍵をこじ開けた窃盗も犯しており、極めて悪質という判断が下された。


よって、ルイス少尉は、1ヶ月間の給料10%カットと、始末書の提出と、向こう一か月の公休なしと、2日間の営倉送りとなった。

 

 

 

 

 

だが、ルイス少尉は不平を述べた。

 

「どうして私だけ、こんなに厳しいの!?」

 

 

 

すると、スーツ姿のままのドーラは、ルイス少尉を罵った。

 

「当たり前だ! バカ者!」

 

 

 

うん、、、僕もそう思う。。。

次話は2026/5/9 0時に更新予定です。

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