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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第5章 本格化、そして暴走の始まり
79/91

第79話 続、練兵場からの帰り道(その1) ーアン女王との会話ー

(前話からの続き)

 

 

 

ジョージ・ロビンソン宰相は腕時計を見ると、アン女王に話しかけた。

 

「女王陛下、そろそろ王城に戻りませんと。。。」

 

 

 

アン女王も腕時計を見て、つぶやいた。

 

「そうじゃな。。。」

 

 

 

だが、アン女王は僕を見て、微笑み、語り掛けた。

 

「修司殿、、、

 

 一緒に王城に戻らぬか?

 

 帰りの車中で話がしたい。。。」

 

 

 

すると、シャーロット第二王女も黙ってうなずいた。

 

 

 

ジョージ宰相も「そうですな。。。」とうなずいた。

 

 

 

 

 

これに困ったのは練兵場の所長だった。

 

「ちょっと待ってください。。。

 

 あの巨大生物を誰に解体させよと?」

 

 

 

そう言うと、地上に落下した翼竜のような巨大生物の死骸を指した。

(第77話)

 

 

 

練兵場の所長は話を続けた。

 

「それに、、、

 

 巨大生物を退治するために、空中から多くの矢を射りました。。。

 (第76話、第77話)

 

 その矢だって回収しないといけません。。。」

 

 

 

 

 

先週は大隊500人で巨大生物を解体させた。

(第54話)

 

実はこの時は、ドーラの分隊と、後方支援連隊隷下の分隊しか、練兵場にいなかったんだ。

 

練兵場には常駐のスタッフがいるが、それほど多くの要員がいる訳じゃない。。。

 

 

 

 

 

しかも、今回は翼竜のような巨大生物を、空中から撃退するために、パラグライダーで飛び回り、大量の矢を射た。

 

加えて、はじめのうちは、全然矢が当たらなかった。

(第76話、第77話)

 

つまり、多くの矢が、練兵場のあちこちに落ちている状態だった。

 

 

 

この状態を放置して、すなわち矢を残したままだと、次に練兵場で訓練を行う兵士が怪我をするかもしれない。。。

 

 

 

また、このオウゴウヌ王国は、アシエシア大陸の中では、鉄が比較的豊富な国だ。

(第26話)

 

だが、有り余るほど生産できるわけではなく、鉄は貴重なのだ。

(第21話)

 

となると、、、矢、特に鏃を回収しなければならないのだ。。。

 

 

 

 

 

アン女王はため息をつき、シャーロット第二王女、オリビア第三王女に話しかけた。

 

「仕方ない。。。

 

 我らも、巨大生物の解体処理と、矢の回収に手伝おうぞ。。。」

 

 

 

そう言って、巨大生物の死骸へ向けて歩き出した。

 

 

 

すると、練兵場の所長は益々困った顔で、アン女王の前に駆け寄り、両手を横に延ばして話しかけた。

 

「お待ちください!

 

 女王陛下と王太子殿下と第三王女殿下に、

 そのようなことをさせるわけには参りません!」

 

 

 

アン女王はニヤリと笑い、練兵場の所長に問うた。

 

「では、、、どうしろと?」

 

 

 

練兵場の所長はほとほと困った様子で、空を見上げた。

 

 

 

レオ近衛師団長は微笑み、練兵場の所長に近寄り、問うた。

 

「つぎに、この練兵場を使うのは誰か?」

 

 

 

練兵場の所長は渋々答えた。

 

「二日後に近衛師団の歩兵連隊の第三歩兵大隊が、

 訓練に来る予定です。。。」

 

 

 

すると、レオ近衛師団長は笑顔で練兵場の所長に語り掛けた。

 

「それでは、第三歩兵大隊長に、上司である僕から、

 矢を回収するよう、指示を出しておこう。」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長が練兵場の所長に語り掛けた。

 

「我が連隊の分隊を残しておくわ。。。

 

 申し訳ないけど、練兵場のスタッフと、残しておいた分隊メンバで、

 巨大生物の解体処理だけ、お願いできないかしら?」

 

 

 

そう言うと、ヒラリー後方支援連隊長は、後方支援連隊隷下の分隊に顔を向けて、語り掛けた。

 

「大変だと思うけど、巨大生物の解体処理を手伝ってあげて。。。」

 

 

 

後方支援連隊隷下の分隊メンバは一斉に「は!」と答えた。

 

 

 

練兵場の所長はため息をつき、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言うことで、僕を含むドーラの分隊は、アン女王一行と王城に戻ることになった。

 

そもそも、アン女王とシャーロット第二王女とジョージ宰相は、僕と話したいから、一緒に王城に戻ることを希望した。

 

なので、当然、僕が運転するワンボックスカーに3人は乗車した。

 

助手席はドーラが座り、一行の指揮を担い、後部座席にアン女王とシャーロット第二王女とジョージ宰相が座った。

 

 

 

あ、さすがにクラレンス君は別の軽トラに乗車した。

 

彼は別の軽トラに乗ることになった時は、ホッとした表情を浮かべた。

 

 

 

まあ、そりゃ、先週はレオ近衛師団長とクラリス参謀総長が同乗したからね。。。

(第58話)

 

女王陛下の夫と同乗するだけでも緊張するのに、女王陛下と王太子と同乗するのは嫌だわな。。。

 

 

 

 

 

ジョージ宰相の車は、つまり練兵場に来るときに、アン女王とシャーロット第二王女とジョージ宰相が乗った車は、、、

(第72話)

 

運転手は行きと同じオリビア第三王女だが、後部座先にクラリス参謀総長とヒラリー後方支援連隊長が乗った。

 

 

 

レオ近衛師団長とウオーレン魔法兵連隊長は練兵場に来た時と同じで、レオ近衛師団長が運転して、軽トラで帰った。

(第72話)

 

 

 

先週と同様に、エイミー少尉、ローレンス曹長、ベリンダ上等兵はオフロードバイク、ケイシー上等兵はスクーターに乗って帰った。

(第58話)

 

フレッド副長、ヒュー少尉、ジャクソン少尉、ルイス少尉、ケント准尉は軽トラを運転して、王城に帰った。

 

あ、クラレンス君はフレッド副長の運転する軽トラに同乗した。

 

 

 

また、ダグ騎兵連隊長も先週と同様にオフロードバイクに乗って、王城に帰った。

(第58話)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんな帰りの道中、ワンボックスカーの後部座席に座ったアン女王は僕に問うた。

 

「修司殿、つかぬことを尋ねるが、、、

 

 日本でも、王城から練兵場までは、、、

 たったの2時間弱で着く距離なのか?」

 

 

 

僕は運転しながら、苦笑いを浮かべ、ルームミラーに映るアン女王をちらりと見て、答えた。

 

「いえ、1時間くらいの距離ですね。」

 

 

 

やはり後部座席に座っていたジョージ宰相は驚き、つぶやいた。

 

「たった1時間?」

 

 

 

助手席に座ったドーラも驚き、無言で僕を見つめた。

 

 

 

後部座席のシャーロット第二王女も驚きつぶやいた。

 

「王城から練兵場まで、2時間弱でも驚きなのに、、、

 

 日本ではたった1時間?」

 

 

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべながら、運転しながら、話を続けた。

 

「馬車が道の真ん中を走ってふさいでいたり、、、

 放牧されている家畜の群れが道路の上にいたりで、、、

 車を止めることが多いですから。。。」

 (第44話)

 

 

 

アン女王な戸惑いながら、僕に語り掛けた。

 

「そのためにバイクを使っているが。。。」

 

 

 

僕は答えた。

 

「そもそも、馬車がルールを守って、左側を走っていたり、、、

 

 家畜の群れが道路の上にいなければ、、、

 

 本当はバイク要りませんよね?」

 

 

 

シャーロット第二王女は「そうか。。。」とつぶやいた。

 

 

 

僕は続けた。

 

「市街地でも、何らかのルールを作って、そのルールを皆が守れば、、、

 

 やっぱりバイクは要りません。。。」

 

 

 

ジョージ宰相も「それもそうだな。。。」とつぶやいた。

 

 

 

僕はさらに続けた。

 

「日本では交通ルールがあり、それを守ります。。。

 

 また、信号と言って、交通整理する機械もあります。。。

 

 それらによって、車はもっと高速に動けるので、

 王城と練兵場の間は1時間の距離ですね。。。」

 

 

 

僕は実現は難しいと思ったが、更に話した。

 

「また、日本では高速道路と言って、

 自動車専用で時速100kmで走ることができる道路もあります。

 

 そんな道路なら、王城と練兵場の約50kmの距離なら、

 30分で到達可能ですね。。。」

 

 

 

シャーロット第二王女は半ば不満そうに、半ばボヤく。

 

「この国には、たった100台くらいしかないわ。。。

 (第30話)

 

 その100台しかない自動車のために、、、

 ルールを定めたり、、、

 信号を設けたり、、、

 専用道路を作るのは、、、

 

 この国では無理よ。。。」

 

 

 

ドーラもシャーロット第二王女に同意した。

 

「そうだな。。。

 

 その約100台の自動車は、、、

 

 軍や政府や王室や上位貴族に配布されており、、

 まだ庶民には行き渡っていない。。。

 

 庶民にとっては、

 自動車は『特権階級の象徴』になってしまっている。。。

 

 そんな状態でルールを定めるのは、、、

 庶民から新たな反発を招きかねない。。。」

 

 

 

補足すると、約100台の自動車のうち、40台は軍に配備されている。

(第72話)

 

残りの約60台の自動車は、政府や王室や上位貴族に配備されているんだ。

 

まだ、庶民向けには一台も配備されていない。

 

 

 

後日、アン女王はこう言っていた。

 

「ようやく、軍、政府、王室、上位貴族への、

 自動車の目途がついたところだ。

 

 庶民へは、まだまだこれからだ。。。」

 

 

 

この状態で交通ルールを作り、庶民に『守れ』というのは、、、

 

特権階級からの『押し付け』に映る恐れがある。。。

 

 

 

しかも、自動車専用道路をつくるは、、、

 

『特権階級』の象徴を増やす行為に映るおそれがある。。。

 

 

 

いずれにせよ、今はすべきではない。。。

 

 

 

 

 

話を元に戻そう。

 

シャーロット第二王女とドーラに僕はうなずいた。

 

「ええ、、、現状はバイクで安全を確保するしかありませんね。。。」

 

 

 

そう言うと、再び、ルームミラーのアン女王をちらりと見て、話を続けた。

 

「むしろ、、、この状態で、、、

 

 よくぞ舗装道路を整備してくれたと思いますよ。。。」

 (第58話)

 

 

 

アン女王はシャーロット第二王女に顔を向けて、語り掛けた。

 

「シャーロット、今はこうするしかない。。。

 

 しかし、お前の治世、そしてお前の子の治世では、

 もっと自動車を増やし、庶民にも車が普及するよう努めるのだ。。。

 

 そして、交通ルールを定め、信号を設置し、専用道路を作り、

 もっと物流を改革するのだ。」

 

 

 

(次話に続く)


次話は2026/4/26 0時に更新予定です。

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