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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第5章 本格化、そして暴走の始まり
76/94

第76話 巨大生物、再び。(その2) ー数撃ちゃ○○○ー

(前話からの続き)

 

 

 

クラリス参謀総長の声を聞いたドーラは少し緊張した表情で、ケント准尉とローレンス曹長に静かに語り掛けた。

 

「ケント、ローレンス、、、

 

 母上の近くを警護せよ。

 

 もし、巨大生物が母上を襲う仕草を示したら、

 直ちに迎え討て。」

 

 

 

ケント准尉とローレンス曹長は直立し「「は!」」と答えると、アン女王、シャーロット第二王女、オリビア第三王女、ジョージ宰相の2,3m近くまで駆け寄り、上空を飛ぶ、巨大生物を目で追った。

 

 

 

 

 

次にドーラはジャクソン少尉にも静かに語り掛けた。

 

「ジャクソン、、、

 

 念のためだ。。。

 

 そなたも母上の近くを警護せよ。。。

 

 巨大生物が母上を襲う仕草を示し、、、

 

 かつ、ケントとローレンス曹長の魔法を、

 巨大生物がくぐりぬけたなら、、、

 

 そのときはそなたの魔法で迎え討て。」

 

 

 

ジャクソン少尉は直立し「は!」と答えると、彼もアン女王、シャーロット第二王女、オリビア第三王女、ジョージ宰相の2,3m近くまで駆け寄り、巨大生物を目で追った。

 

そして、いつでも魔法を放てるように、右掌を少し持ち上げ、ポーズをとった。

 

 

 

 

 

ドーラはジャクソン少尉、ケント准尉、ローレンス曹長が、アン女王の近くで警護に着いたことを見ると、父親であるレオ近衛師団長に顔を向け、黙ってうなずいた。

 

 

 

レオ近衛師団長も、ドーラに向けて、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クラリス参謀総長とルイス少尉は、離陸の際、1本の弓と、1つの矢筒を持っていった(第70話、第71話)。

 

 

 

もちろん、自衛のためだ。

 

 

 

ルイス少尉の乗るパラグライダーは、翼竜のような巨大生物に近づいた。

 

そして、ルイス少尉の乗るパラグライダーと、翼竜のような巨大な生物は互いに旋回した。

 

 

 

旋回している間、ルイス少尉は何本か矢を射たが当たらなかった。

 

ま、これは予想されていたことだった。

 

 

 

そりゃ、空中では揺れるし、風で矢はまっすぐ飛ばない。

 

 

 

しかも矢を射ると、矢を射た反対の方向にパラグライダーが流れるのだ。

 

ルイス少尉は無線通信を通じて、不平をもらした。

 

「ちょっと!

 

 どうして、矢を射た反対の方向にパラグライダーが流れるの?」

 

 

 

僕は無線通信を通じて答えた。

 

「空中では踏ん張りが効かないからです。

 

 矢を射た反動で、

 矢を射た反対の方向にルイスさんの身体は流れてしまいます。」

 

 

 

僕は続けて述べた。

 

「ルイスさん、良いですか?

 

 矢を射るときはまっすぐ、それなりの速度で飛んでください。

 

 そして、なるべく正面方向に矢を射るんです。

 

 そうしないと、矢を射た後の姿勢が安定しません。」

 

 

 

すると、無線通信機を通じて、ルイス少尉が再び不満を述べた。

 

「それじゃ、矢を射るチャンスがほとんどないじゃない!」

 

 

 

まあ、翼竜のような巨大生物が、まっすぐ飛んでいる時しか、矢を射るチャンスがないからね。。。

 

 

 

 

 

しびれを切らしたのだろうか?

 

無線通信機を通じて、クラリス参謀総長の「下手くそね」との声が聞こえた。

 

 

 

そして、クラリス参謀総長が乗るパラグライダーも、翼竜のような巨大生物に近づき、矢を数本射た。

 

でも、やっぱり当たらなかった。

 

 

 

 

 

地上から、ダグ騎兵連隊長がその様子を見ていた。

 

たぶん、見かねたのだろう。

 

ダグ騎兵連隊長は無線通信機を通じて、クラリス参謀総長に問いかけた。

 

「クラリス、、、

 

 やっぱり、地上から射落とそうか?」

 

 

 

だが、無線通信機を通じて、クラリス参謀総長から声が聞こえた。

 

「ダメよ! もう少し、やらせて!」

 

 

 

レオ近衛師団長は、苦笑いを浮かべ、ダグ騎兵連隊長に語り掛けた。

 

「ダグ、、、

 

 いよいよ危ないと判断したら、僕からダグに指示する。。。

 

 それまで、待ってくれないか?」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

無線通信機を通じて、クラリス参謀総長のため息が聞こえた。

 

そして、次の声が聞こえた。

 

「修司殿、、、なんとかならない?」

 

 

 

僕の周辺にいた人達は、僕に一斉に顔を向けた。

 

 

 

僕は内心頭を抱えた。

 

『なに!? この無茶ブリ!?』

 

 

 

でも、、、しかたない。。。

 

 

 

と言って、、、

 

命中率を劇的に上げる方法なんて、、、

 

ない。。。

 

 

 

『数撃ちゃ当たる』戦術をとるしかないだろう。。。

 

 

 

だったら、、、

 

『どうしたら良い?』。。。

 

 

 

 

 

僕はドーラに語り掛けた。

 

「ドーラさん、、、

 

 ここに、クロスボウってありますか?」

 

 

 

近くにいたヒラリー後方支援連隊長は戸惑いながら問うた。

 

「修司殿、、、

 

 弓からクロスボウに変えて、

 命中率が上がるとは思えないのだけど。。。」

 

 

 

僕はうなずき答えた。

 

「おそらく、、、

 

 命中率は若干上がるかもしれませんが、、、

 

 劇的には命中率は上がらないでしょうね。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長も戸惑い問うた。

 

「じゃあ、どうして、クロスボウに変えるんだ?」

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべて答えた。

 

「クロスボウにあらかじめ矢を装填した状態で、

 フレッドさんの魔法を使って、

 次から次へとクラリス参謀長とルイスさんに転移させるです。」

 

 

 

レオ近衛師団長はハッとしてつぶやいた。

 

「そうか!

 

 それなら、クラリスとルイスはチャンスと思ったら、

 矢の装填されているクロスボウの引き金を引くだけですむ。

 

 命中率はわずかだか上がるだろう。。。」

 

 

 

僕はうなずき、話を続けた。

 

「クラリス参謀総長とルイスさんは、

 矢を射たらクロスボウを手放してもらいます。

 

 落下中のクロスボウを、

 フレッドさんの魔法で転移させて地上で受け取ります。

 

 そのクロスボウを地上で再び矢を装填し、

 またクラリス参謀長とルイス少尉に転移させるんです。

 

 そうやって、次から次へ、

 パラグライダーから巨大生物に向かって矢を射るんです。」

 

 

 

ドーラはつぶやいた。

 

「つまり、数撃ちゃ、、、」

 

 

 

僕は黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

ドーラはフレッド副長・ヒュー少尉・ベリンダ上等兵・ケイシー上等兵に叫んだ。

 

「フレッド、ヒュー、ベリンダ、ケイシー!

 

 クロスボウと矢筒をありったけ持ってこい!」

 

 

 

フレッド副長・ヒュー少尉・ベリンダ上等兵・ケイシー上等兵は直立し、一斉に「「「「は!」」」」と言って、倉庫へ走って行った。

 

 

 

レオ近衛師団長はドーラとウオーレン魔法兵連隊長に語り掛けた。

 

「ドーラ、、、

 

 お前はしばらく、クラリスとルイスへの地上支援に専念せよ。

 

 

 ウオーレン、、、

 

 ドーラには地上支援に専念させるため、

 ジャクソン、ケント、ローレンスの指揮を執ってくれ。

 

 アン、シャーロット、オリビア、宰相閣下の護衛のためだ。

 

 

 ドーラ、、、

 

 しばらく、ジャクソン、ケント、ローレンスの指揮権を

 ウオーレンに委ねてくれ。」

 

 

 

ドーラはレオ近衛師団長に頭を下げ、答えた。

 

「父上、配慮ありがとうございます。」

 

 

 

そしてドーラはウオーレン魔法兵連隊長に頭を下げ、話しかけた。

 

「ウオーレン・ウッドハウス魔法兵連隊長閣下、

 しばらく、ジャクソン、ケント、ローレンスの指揮をお願いします。」

 

 

 

ウオーレン魔法兵連隊長は「いいってことよ」とつぶやくと、アン女王、シャーロット第二王女、オリビア第三王女、ジョージ宰相の2,3m近くまで駆け寄り、巨大生物を目で追った。

 

 

 

 

 

無線通信機を通じて、クラリス参謀総長の声が聞こえた。

 

「ま、それが今は現実的ね。。。

 

 修司殿のアイデアを私が少しアレンジする。。。

 

 ルイス、私が囮になる。。。

 

 あなたは私を追いかける巨体生物の後ろに近づき、

 矢を射なさい。」

 

 

 

無線通信機を通じて、ルイス少尉の戸惑いの声が聞こえた。

 

「それって、母さん、、、

 じゃない!

 

 参謀総長閣下が危険では?」

 

 

 

すると、無線通信機を通じて、クラリス参謀総長があきれて罵る声が聞こえた。

 

「バカ!

 

 あなたが矢を放ったら、

 次はあなたを巨大生物が追ってくるわ!

 

 その時はあなたが囮となりなさい!

 

 私が巨大生物の後ろに近づき、矢を射るから!

 

 こうやって、囮役と矢を射る役を交代しながら、

 巨大生物を振り回すのよ!」

 

 

 

無線通信機からルイス少尉の声が聞こえた。

 

「了解!」

 

 

 

(次話に続く)


次話は2026/4/23 0時に更新予定です。

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