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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第5章 本格化、そして暴走の始まり
74/91

第74話 女王の驚き(その3) ーパラグライダーー

(前話からの続き)

 

 

 

シャーロット第二王女はニヤリと笑い、ドーラに話しかけた。

 

「ドーラ姉上、ここ、練兵場に来たのは久しぶりです。

 

 たしか、あのとき、ドーラ姉上の分隊は、

 私達、つまり王族や上位貴族より早く、

 軍事教練の初日前日の朝に出発したはずですが、、、

 

 途中で私達の騎乗する馬が、ドーラ姉上の分隊を追い越し、、、

 

 軍事教練の初日の夕方に、

 ようやく到着なさいましたよね?」

 

 

 

ドーラは恥ずかしそうにシャーロット第二王女を罵った。

 

「シャーロット! それを言うな!

 

 ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下から、大目玉を喰らったんだ!」

 

 

 

ジャクソン少尉、ケント准尉、ケイシー上等兵は、ごまかし笑いをした。

 

「「「ははは。。。」」」

 

 

 

フレッド副長、ヒュー少尉、エイミー少尉、ローレンス曹長、ベリンダ上等兵は、つまり騎乗できる5人は、ごまかし笑いをした騎乗できない3人を、あきれた表情で横目で見た。

 

 

 

僕は恐る恐るドーラに問うた。

 

「もしかして、、、

 

 王城から練兵場まで2日掛かったと言うのは。。。

 (第45話)

 

 軍事教練のことだったんですか?」

 

 

 

ドーラはため息をついて、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は思い出したように、あきれてドーラに語り掛けた。

 

「まったく、あのときはあきれたぞ。。。

 

 そりゃ、ドーラの分隊には騎乗できない奴が多い。。。

 

 だったら、もっと早く、王城を発しろよ。。。

 

 女王陛下、

 王太子殿下(=シャーロット第二王女)、

 第三王女殿下の教官がいなくって、、、

 

 他の貴族の教官を振り分け直して、やりくり大変だったんだぞ。。。」

 

 

 

慌ててドーラはダグ騎兵連隊長に頭を下げた、

 

「は! 仰るとおりであります。」

 

 

 

その様子を見たアン女王が、あきれた表情でダグ騎兵連隊長に話しかけた。

 

「ダグ、、、

 

 30年前、エリーゼ姉上の分隊も、

 同じように、軍事教練の初日の夕方に、

 ここ、練兵場に着いたことがあったろうが!

 

 ダグラス父上から、

 エリーゼ姉上がこっぴどく叱られておったではないか!」

 

 

 

すると、ウオーレン魔法兵連隊長は「ははは。。。」とごまかし笑いをし、ヒラリー後方支援連隊長も「ふふふ。。。」とごまかし笑いをした。

 

 

 

どうも、母・エリーゼの分隊も同じだったらしい。。。

 

まあ、そりゃ、騎兵連隊隷下の分隊なのに、騎乗できない兵士を配属させりゃ、そうなるわな。。。

 

 

 

で、、、

 

ダグ騎兵連隊長の娘のエイミー少尉と、ウオーレン魔法兵連隊長の息子のジャクソン少尉は、それぞれの父親を半ば呆れ、半ば冷たく見つめていたけど。。。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

 

 

実は30年前、母・エリーゼの分隊メンバが、当時、王太子だったアン女王、第三王女だったソフィア叔母さんの、軍事教練の教官を務めたんだ。

 

だから、アン女王とソフィア叔母さんと、母・エリーゼの分隊メンバは親しいんだ。

 

 

 

僕の歓迎晩餐会で、アン女王とヒラリー後方支援連隊長とクラリス参謀総長が、アイスクリームを巡って、あんな会話ができたのは、それが理由なんだ。。。

(第19話)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アン女王は再び上空を見上げ、パラグライダーで空を飛ぶ、ルイス少尉とクラリス参謀総長を指さした。

 

「ところで、最初の質問に戻るぞ。。。

 

 あれは何じゃ?」

 (第72話)

 

 

 

シャーロット第二王女もオリビア第三王女もジョージ宰相も再び上空を見上げ、黙ってうなずいた。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は微笑み、答えた。

 

「あれはパラグライダーと言って、空を飛ぶ道具の一種です。

 

 パラグライダー自体は日本、すなわち異世界の技術で、

 それを我が国で試作しました。」

 

 

 

アン女王は「なに?」とつぶやき、上空のパラグライダーから視線を外し、ヒラリー後方支援連隊長を見つめた。

 

 

 

シャーロット第二王女も上空のパラグライダーから視線を外し、戸惑いながら、ヒラリー後方支援連隊長に問うた。

 

「余は災害派遣で飛行魔法を操る兵を見たことがある。

 (第48話)

 

 それと比べてどうか?」

 

 

 

 

 

ああ、災害派遣で、ドーラやシャーロット第二王女やオリビア第三王女は、聖女として、災害現場に駆り出されることがあるんだ。

 

通常は一度に数人の人しかヒールを掛けることができないが、王家は一度に数百人の人に怪我の痛みや病気の苦しみを和らげることができるからだ。

(第32話)

 

つまり、王家は、災害で、大量に発生した怪我人や、病気になってしまった人に対して、一度に数百人の痛みや苦しみを和らげることができる。

 

だから、ドーラやシャーロット第二王女やオリビア第三王女は、災害現場に駆り出されることがあるんだ。

 

 

 

聖女として災害現場に駆り出されたドーラやシャーロット第二王女やオリビア第三王女は、被害状況を把握するため、飛行魔法を操る兵士を見る機会は何度もあったのだろう。

 

 

 

ただし、ドーラに関しては、魔法器官を失った。(第9話)

 

つまり、ドーラが今後、聖女として、災害現場に駆り出されることはない。。。

 

同時に、すでに魔法器官を失ったアン女王やソフィア叔母さんも(第32話)、聖女として災害現場に駆り出されることはない。

 

 

 

 

 

話を元に戻そう。

 

シャーロット第二王女の問いに、ヒラリー後方支援連隊長は微笑み答えた。

 

「王太子殿下(=シャーロット第二王女)、、、

 

 今、空を飛んでいるのは参謀総長閣下と、

 彼女の娘のルイスです。

 

 その答えは、飛行中の参謀総長閣下から答えてもらうのが、

 よろしいかと思います。」

 

 

 

シャーロット第二王女は上空を見上げ驚いた。

 

「なに!?

 

 あれは参謀総長の母娘(おやこ)か?」

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は無線通信機を、シャーロット第二王女に渡した。

 

そして、クラリス参謀総長は無線通信機を通じて、シャーロット第二王女に答えた。

 

「王太子殿下(=シャーロット第二王女)、、、

 

 そもそも飛行魔法を操れる者はとても希少です。

 

 飛行魔法を授かる者も少ないのですが、

 その魔法を制御できる者はもっと少ないからです。

 (第49話)

 

 私も娘も飛行魔法を授かり、

 空を飛ぶことに憧れましたが、

 授かった魔法の制御が難しく、諦めておりました。

 (第52話)

 

 でも、この道具を用いれば、

 空を飛べる者をもっと増やすことができます。

 

 私も小さいころの憧れを、やっと実現することができました!」

 (第71話)

 

 

 

無線通信機のスピーカからの音声が聞こえたのか、アン女王とジョージ宰相は驚き、顔を見合わせた。

 

 

 

クラリス参謀総長は無線通信機を通じて、話を続けた。

 

「しかも、、、

 

 飛行魔法は飛んでいる間、

 ずっと魔法を行使しないと飛ぶことができません。

 

 つまり、魔法の消費が激しいのです。

 

 よって、

 一度に飛べるのは20~30分程度ですし、

 しかも、そう何度も飛べません。

 (第48話)

 

 ですが、、、

 この道具は離陸するときと、加速する際に魔法を使うだけなので、

 魔法の消費が抑えられるので、

 長い時間飛んでいられるし、何度も飛ぶことができます。

 

 すなわち、適用範囲を従来より、

 ずっと広げることができます!」

 

 

 

シャーロット第二王女は無線通信機に耳をつけながら、上空を見上げ、目を見張った。

 

そして、黙って無線通信機をヒラリー後方支援連隊長に返した。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は微笑み、アン女王、シャーロット第二王女、ジョージ宰相に語り掛けた。

 

「このパラグライダーは、

 我が国の飛行する兵士のあり方を根本的に変えるでありましょう。

 

 どうか、バイクと共に、このパラグライダーの量産を許可願います。」

 

 

 

そう言うと、ヒラリー後方支援連隊長は頭を下げた。

 

 

 

 

 

アン女王と、王太子であるシャーロット第二王女は、互いを顔を見合わせた。

 

そして、二人とも無言でうなずいた。

 

 

 

後にアン女王とシャーロット第二王女が教えてくれたのだが、二人とも、この前の月の国防秘密会議に出席していた。

(第59話)

 

そして会議にて、ワスイ帝国の脅威が、オウゴウヌ王国に迫っていることを知らされていた。

(第60話)

 

会議の出席者は全員、軍の強化が必要なことを理解していた。

 

 

 

その一環として、アン女王とシャーロット第二王女は、オフロードバイクとパラグライダーの量産の必要性を認めざるを得なかった。

 

アン女王は真剣な表情で、ヒラリー後方支援連隊長に顔を向けると、たった一言述べた。

 

「許す。」

 

 

 

王太子であるシャーロット第二王女も、ジョージ宰相も、ヒラリー後方支援連隊長に顔を向け、黙ってうなずいた。

 

 

 

ヒラリー後方支援連隊長は頭を上げ、ホッとした表情で返した。

 

「ありがとうございます。」

 

 

 

そして、ヒラリー後方支援連隊長は、無線機通信機を通じて、飛行中のクラリス参謀総長に話しかけた。

 

「クラリス、量産の許可を得たわよ。」

 

 

 

クラリス参謀総長は無線通信機を通じて、礼を述べた。

 

「女王陛下、ありがとうございます。」

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

再び、「巨大生物よ!」との声が鳴り響いた。

 

(次話に続く)


次話は2026/4/21 0時に更新予定です。

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