第68話 魔法強化の試み(その3) ー封印ー
(前話から続き)
ジャクソン少尉は空を見上げ、ため息をついた。
そして、半ばあきれ顔で僕に問うた。
「(ため息)はー。。。
気を取り直して、、、
僕の雷魔法を、他の人の魔法と組み合わせて強化することはできないの?」
僕はため息をついて問うた。
「うまくいくかどうかはわかりませんよ?」
ジャクソン少尉は黙ってうなずいた。
仕方なく、僕はドーラを見つめた。
ドーラも黙ってうなずいた。
僕は再びため息をついて、ジャクソン少尉に前置きを語った。
「ジャクソンさん、本当にできるかどうかはわからないけど、、、」
そして、フレッド副長、ヒュー少尉、ケント准尉、ベリンダ上等兵に語り掛けた。
「フレッドさん、ヒューさん、ケントさん、ベリンダさん、、、
皆さんの魔法で手伝っていただけませんか?」
フレッド副長、ヒュー少尉、ケント准尉、ベリンダ上等兵は、戸惑いの表情を浮かべ、黙ってうなずいた。
そして、ジャクソン少尉に語った。
「まずはジャクソンさん、雷雲を出してもらえますか?
なるべく小さめに。。。」
ジャクソン少尉は戸惑いながら、ルイス少尉が巨大生物に襲われた時(第53話)よりは、二回りほど小さな雷雲を出した。
僕は雷雲の出現を見届けると、フレッド副長、ヒュー少尉、ケント准尉、ベリンダ上等兵に話しかけた。
「じゃあ、フレッドさん、ヒューさん、ケントさん、ベリンダさん、
僕の指定した場所に皆さんの魔法を使ってくれます?」
フレッド副長、ヒュー少尉、ケント准尉、ベリンダ上等兵の魔法をどのように使ったかも、今話では詳細は避けようと思う。
まあ、どこかで説明するから、それで勘弁して?
それに、実はこの時は失敗し、何も変わらなかったんだ。
ドーラは「何も変わらんぞ」とツッコミを入れた。
そこで僕はエイミー少尉に頼んだ。
「エイミーさん、あなたの身体強化魔法で、
その辺の石を砕いて、細かい砂を作れます?」
エイミー少尉は「まあ、できるけど」と答え、石をトンカチで砕いて細かい砂を作ってくれた。
でも、エイミー少尉曰く「これくらい身体強化魔法は不要」なんだって。。。
さて、僕はその砂を持って、フレッド副長の近くに行き、頼んだ。
「これを、さっき指定した場所に転移してくれます?」
さらにケイシー上等兵に顔を向けた。
「ケイシーさん、ちょっとお願いしたいものがあるんですが、、、
また、水に圧力を加えて、氷を作ってもらえませんか?」
(第66話)
僕は再びフレッド副長に話しかけた。
「フレッドさん、これもさっき指定した場所に転移してくれます?」
フレッド副長は戸惑いながら、砂と圧力氷を指定した場所に転移させた。
すると、雷雲が大きくなった。
だが、今度は大きくなりすぎた。
その雷雲を見て、ドーラは慌てて、ジャクソン少尉に向かって叫んだ。
「ジャクソン!
バカ者!
雷雲が大きすぎる!
この雷雲の大きさは極大魔法レベルではないか!?
直ちに、雷雲を消せ!」
だが、ジャクソン少尉は焦った様子で叫んだ。
「僕もそう思って、雷雲を消そうとしているんです!
でも、僕だけの魔法じゃないから、
雷雲を消せないんです!」
ドーラはなおも慌てた表情で、ジャクソン少尉に叫んだ。
「だったら、雷雲を遠ざけよ!
このまま落雷したら、分隊メンバ全員が感電死するぞ!」
ジャクソン少尉も、なおを焦った様子で叫んだ。
「雷雲がもう大きすぎます!
僕の魔力だけでは、雷雲を移動できません!」
僕も慌てて、ドーラに向けて叫んだ。
「ドーラさん!
意見よろしいでしょうか!」
ドーラは僕に振り向くと、「許す!」と叫んだ。
僕はドーラに向かって叫んだ。
「ローレンスさんの風の魔法を使うんです!」
ドーラはうなずき、ローレンス曹長に向かって叫んだ。
「ローレンス!
風の魔法のフルパワーで、雷雲を遠ざけよ!」
ローレンス曹長は「は!」と叫ぶと、すぐに風の魔法を放った。
ジャクソン少尉とローレンス曹長によって、数百メートル程度、雷雲は何とか遠ざけることができた。
しかし、ジャクソン少尉は叫んだ。
「分隊長(=ドーラ)!
もう、落雷を止められません!」
ドーラは叫んだ。
「全員伏せよ!
ジャクソン、雷を落とせ!」
ジャクソン少尉は右手を下に振った。
その直後、『ドッカ~~~~~ン!!!』と物凄い音と共に雷が落ちた。
雷が落ちた箇所を中心に、直径数十メートルの範囲が真っ黒に焼け焦げた。
数分間、僕を含む分隊メンバは放心していた。
だが、ドーラは気を取り直し、僕を睨むと、罵った。
「修司殿!
こうなると予想できたなら、早く言わぬか!」
僕は懸命に弁明した。
「僕は雷の仕組みを知っていただけです!
その仕組み通りに試しにやってみただけです!
こうなるなんて、予想もしませんでした!
第一、日本でも、雷の仕組みをわかっていても、
それを再現することは容易なことではないんです!」
フレッド副長は、半ば放心して問う。
「つまり?」
僕は答えた。
「この世界の魔法がすごすぎるんです!」
エイミー少尉は唖然としてつぶやく。
「そういうこと?」
そう、この世界の魔法、スゲーわ。。。
ルイス少尉は半ばあきれて笑いながら、半ば放心しながらつぶやいた。
「ははは。。。
ジャクソン、副長(=フレッド)、ヒュー、ケント、
ローレンス曹長、ベリンダ、ケイシーの、
合計7名の魔法を組み合わせると、、、
ヤッヴァイわ。。。」
ドーラはジャクソン少尉に顔を向けて叫んだ。
「この魔法は封印だ!」
ジャクソン少尉は「えー!?」と不満顔だ。
だが、エイミー少尉はジャクソン少尉に優しく語り掛けた。
「この魔法はヤバすぎるわ。
ジャクソン、これは使っちゃだめよ。。。」
ケント准尉は苦笑いを浮かべて、ジャクソン少尉に語り掛けた。
「第一、ジャクソン少尉が制御しきれないじゃないですか。
雷雲を消すことができなかったし、、、
一人で雷雲を動かすこともできなかったし、、、
最後は耐えきれなくて、雷を落とさざるを得なかったし、、、
これじゃ、危なくて使い物になりません。」
ジャクソン少尉はため息をつくと、しぶしぶ、「そうだな」とつぶやき、うなずいた。
すると、練兵場の所長が、部下数名を引き連れて、駆け寄ってきた。
所長はドーラの1mほどに近づくと、大声で怒鳴った。
「何事だ!」
ドーラは頭を下げ、弁明しようとした。
だが、その前に所長は大声で怒鳴った。
「先ほどの雷魔法は、極大魔法であろう!?
極大魔法を撃つには許可がいるのは知っておろう!?
許可なく極大魔法を撃つとは、どういうことだ!?」
どうやら、ある一定レベル以上の魔法を放つ場合、練兵場でも事前許可がいるらしい。
後にジャクソン少尉が言っていたけど、
「僕が放った雷魔法自体は、
事前許可のいるレベルの魔法からは全然低いのだけど、、、
僕、副長、ヒュー、ケント、ローレンス曹長、ベリンダ、ケイシーの
7人の合体魔法は、極大魔法よりはるかに強力になっていた。。。」
とのことだった。
(ごまかし笑い)ははは。。。
ドーラは頭を下げながら、所長に弁明した。
「申し訳ありません!
ジャクソンが誤って、極大魔法を放ってしまいました!
私の指導不足であります!」
そう言うと、ジャクソン少尉の近くに行き、頭を抑え、自分も頭を下げ、所長に謝罪した。
所長はドーラに言い放った。
「ドーラ中尉、ジャクソン少尉!
始末書を提出せよ!」
ドーラは頭を下げながら、「は!」と答えた。
そして、所長は部下を連れて、練兵場の官舎へ戻っていった。
所長が遠ざかるのを確認すると、ようやくドーラは頭を上げた。
そして、ずっとジャクソン少尉の頭を抑えていたが、その手をようやく離した。
ジャクソン少尉は頭を上げると、ドーラに文句を言った。
「分隊長(=ドーラ)、、、
僕一人の魔法ではありません。。。」
だが、ドーラはジャクソン少尉を睨み、言い放った。
「さっき言ったはずだ。
『この魔法は封印しろ』
と。。。
この魔法はヤバすぎる。
真相は伏せねばならぬ。
下手にこの魔法が広がると、トンデモナイことになりかねぬ。。。
よって当面の間、ジャクソン、
貴様が誤って極大魔法を放ったとする。」
ジャクソン少尉は「えー!」と不満顔だ。
でも、ルイス少尉はドーラに同意し、やさしくジャクソン少尉に語り掛けた。
「ジャクソン、分隊長(=ドーラ)の仰る通りよ。
この魔法はヤバすぎる。
まあ、分隊長(=ドーラ)とジャクソンの二人で始末書を書きなさいな。。。」
ジャクソン少尉は、しぶしぶ、黙ってうなずいた。
僕は恐る恐る、ドーラとジャクソン少尉に語り掛けた。
「あの、、、
始末書を書くのを手伝いましょうか?」
すると、ドーラとジャクソン少尉はハモって、僕を罵った。
「「当たり前だ!」」
(ごまかし笑い)ははは。。。
ま、こんな風にいろいろ合体魔法は考えたけどね。
ヤバすぎて封印した魔法もあったよ。。。
次話は2026/4/15 0時に更新予定です。




