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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第5章 本格化、そして暴走の始まり
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第67話 魔法強化の試み(その2) ー失敗ー

(前話から続き)

 

 

 

そんなケント准尉を見て、不服そうにジャクソン少尉が僕に話しかけてきた。

 

「修司殿、、、

 

 ケントの魔法ばかり使わず、

 僕の魔法を使ってくれよ。。。

  

 一応、僕は魔法兵科じゃケントの先輩なんだ。。。

  

 先輩の面目丸つぶれじゃないか。。。」

 

 

 

僕は思わず、「え?」とつぶやきそうになったが、それを飲み込んだ。

 

ジャクソン少尉のことも配慮しなきゃいけなかった。

 

 

 

だって、この世界で魔法兵に憧れる人は多い。

(第32話)

 

だが、授かった魔法が使い物にならなかったり、授かった魔法に殺傷能力がなければ、魔法兵にはなれないのだ。

(第49話)

 

 

 

ある意味、魔法兵はこの世界でのエリートなのだ。

 

プライドだってあるだろう。

 

そのプライドに気がつくべきだった。

 

 

 

ましてやジャクソン少尉はウオーレン魔法連隊長の息子だ。

(第30話)

 

魔法兵としてのプライドは、魔法兵の中でも人一番高いだろう。

 

 

 

ケント准尉の魔法ばかり活用して、ジャクソン少尉の魔法を活用しないのは、、、

 

そりゃ、ジャクソン少尉は面白くないだろう。。。

 

 

 

僕は慌てて謝った。

 

「ジャクソンさん、すみません。」

 

 

 

そう言うと頭を下げた。

 

 

 

 

 

ジャクソン少尉は僕が謝るとは思わなかったのだろう。

 

彼は慌てて両手を振って、僕に語り掛けた。

 

「いや、そう意味じゃなくって、、、」

 

 

 

彼は苦笑いを浮かべると、僕に問うた。

 

「この前、ルイスが巨大生物に襲われた時、、、

  

 修司殿は、

  

  『ジャクソンさん、火花でもいい!

   火花だけでも、

   あの巨大生物に届かせることはできませんか!?』

   (第53話)

    

 って言ったよね?

  

 一体、何を思いついていたんですか?」

 

 

 

僕は思わず、苦笑いを浮かべた。

 

だって、あれは今考えると、ヤバかったから。。。

 

 

 

だから、ごまかし笑いをしながら、こう答えた。

 

「(ごまかし笑い)ははは。。。

 

 あの時は慌てていて、、、

 

 今考えると、止めておいてよかったと思っています。。。

  

 まあ、忘れてください。」

 

 

 

ジャクソン少尉は僕の答えが気に食わない様子で、口を膨らませて、僕に問うた。

 

「先日から、とても気になっているんですよ。。。

 

 僕が火花だけでも、もっと飛ばせていたら、、、

  

 何ができたんだろうって?」

 

 

 

だが僕は教えたくなかったんだ。。。

 

だって、ヤバすぎるから。。。

 

「だから、、、勘弁してください。。。」

 

 

 

でも、ジャクソン少尉は引き下がらなかった。

 

「いいから! 教えてください!」

 

 

 

その様子を見かねたドーラが苦笑い浮かべて、僕に話しかけた。

 

「修司殿、ジャクソンが納得できないようだ。

 

 仕方ないから、見せてはもらえまいか?」

 

 

 

僕は困って、ドーラに問うた。

 

「ちょっと危険ですよ?

 

 良いんですか?」

 

 

 

ドーラは苦笑いを浮かべたまま、黙ってうなずいた。

 

 

 

僕は空を見上げ、ため息をついた。

 

仕方がない、、、試してみるか。。。

 

 

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべ、ジャクソン少尉に語り掛けた。

 

「じゃあ、試しに火花は斜め上に飛ばしてもらって、

 火花を飛ばせる範囲を見せてもらえますか?」

 

 

 

するとジャクソン少尉は右手を掲げて、火花を斜め上に飛ばした。

 

大体数百メートルってところだろうか、巨大生物のスピードに対応できる雷魔法(第53話)よりは、遠くに飛ばすことができた。

 

しかし、パラシュート降下訓練中のルイス少尉が襲われた高度には及ばなかった。

 

 

 

でも、まあ、この高度なら大丈夫だろう。。。

 

 

 

僕はジャクソン少尉に告げた。

 

「軽トラタンクローリーを持ってきます。」

 

 

 

ジャクソン少尉は戸惑いながら問うた。

 

「そういえば、あの時も軽トラタンクローリーで乗り付けたよね?

 (第53話)

 

 何か関連があるの?」

 

 

 

僕は黙ってうなずいた。


そして僕は、軽トラとワンボックスカーが駐車してある場所まで歩いて行った。

 

 

 

10分程度経った後、僕は軽トラタンクローリーを運転して、ドーラの分隊がいた場所に止めた。

 

そして軽トラから降りると、フレッド副長に話しかけた。

 

「フレッドさん、僕が合図したら、

 この軽トラのタンクの中のガソリンを指先ほどの量で良いので、

 さっき、ジャクソンさんが火花を飛ばしたところに転移してもらいますか?」

 

 

 

フレッド副長は戸惑いながら、黙ってうなずいた。

 

 

 

次にジャクソン少尉に話しかけた。

 

「ジャクソンさん、フレッドさんがガソリンを少量転移したら、

 すぐに転移した場所に向けて火花を飛ばしてくれますか?」

 

 

 

ジャクソン少尉も戸惑いながら、黙ってうなずいた。

 

 

 

 

 

僕はフレッド副長に向けて、黙って手を振った。

 

するとフレッド副長が給油機内のガソリンをほんの少量、上空に転移させた。

 

その刹那、ジャクソン少尉がそこを狙って、斜め上に火花を飛ばした。

 

 

 

僕はドーラの分隊全員に叫んだ。

 

「頭を下げて!」

 

 

 

ジャクソン少尉が飛ばした火花は、フレッド副長がガソリンを少量転移させた場所より、かなり手前の空中で引火した。

 

そしてすぐに空中で燃え広がり、「バン!」と爆発した。

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべ、ジャクソン少尉に話しかけた。

 

「ルイスさんが巨大生物に襲われた時、

 これを思いついていたんですが、、、

 

 やっぱり、危なくて、実施しなくてよかったですね。。。」

 

 

 

 

 

ドーラが怒って、僕に近づいてきた。

 

「修司殿!

 

 こんな危ないことするな!」

 

 

 

そして、僕をグーパンチで殴ろうとした。

 

 

 

慌てて僕は両手をかざし、ドーラに言った。

 

「だから、

 

  『危険ですよ?』

 

 って聞いたじゃないですか。。。

  

 ドーラさん、うなずいて了解しましたよね?」

 

 

 

すると、拳を震わせて、悔しそうな表情を浮かべた。

 

数秒後、拳を降ろすと、僕を罵った。

 

「だったら、どんなに危険か、ちゃんと説明せぬか!」

 

 

 

いや、これを口で説明するのは無理だと思う。。。

 

 

 

 

 

ルイス少尉はあきれてつぶやいた。

 

「こんなもの、上空でやられてたら、、、

 

 爆風で大変なことになったかも。。。

  

 最悪、パラシュートが絡まって、

 地上に叩きつけられていたかも。。。」

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべ、ルイス少尉に語り掛けた。

 

「いや、ルイスさん、、、

 

 問題は爆風だけじゃないんです。。。」

 

 

 

ルイス少尉は「え?」とつぶやき、僕を見つめた。

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべたまま、話を続けた。

 

「ガソリンは気化しますから、上空の風で、

 その気化したガソリンがどんなふうに流れるのか分かりません。。。

  

 最悪、パラシュートに引火したかも。。。」

 

 

 

ルイス少尉はハッとした表情を浮かべると、次の瞬間、僕を罵った。

 

「こんな危ないもの、思いつくな!」

 

 

 

僕はごまかし笑いをするしかなかった。

 

「ははは。。。」

 

 

 

 

 

エイミー少尉は戸惑いながら問うた。

 

「修司殿、、、

 

 フレッド副長が転移させた場所より、、、

  

 かなり手前で引火したようですが。。。。」

 

 

 

僕はごまかし笑いをしながら答えた。

 

「ははは。。。

 

 気化したガソリンは空気より重いからです。。。

  

  

 今回はそれを考慮して、斜め上にガソリンを転移させて、

  

 僕らに危険は小さかったですが、、、、

  

  

 ルイスさんが巨大生物に襲われた時は、

  

 僕らの真上にいましたから、、、

  

  

  

 最悪、地上に火が移って、

  

 僕らも巻き込まれたかも。。。」

 

 

 

すると、エイミー少尉も僕を罵った。

 

「危ないったら、ありゃしないわよ!」

 

 

 

僕はここでもごまかし笑いをするしかなかった。

 

「ははは。。。」

 

 

 

 

 

 

僕はごまかし笑いをしながら、ジャクソン少尉に語り掛けた。

 

「ははは。。。

 

 だから、、、

  

  『今考えると、止めておいてよかった。』

  

 って言ったんです。」

 

 

 

ジャクソン少尉も僕を罵った。

 

「当たり前だ!」

 

 

 

もう、ごまかし笑いするしかなかった。

 

「ははは。。。」

 

 

 

そう、こんな風に失敗した魔法もあったんだ。

 

 

 

(次話に続く)


次話は2026/4/14 0時に更新予定です。

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