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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第8章 天文台にて、そして新たな出会い
122/139

第122話 南西州都コアブルッズ市からの土産(その3) ードーラの暴走ー

(前話からの続き)

 

 

 

その高級果物店から、自動車の停めてあった停車場までの帰り道だった。

 

ドーラはふと、足を止めて、あるレストランを見つめ、つぶやいた。

 

「あのレストラン、、、ここだったのか。。。」

 

 

 

そしてドーラはニヤリと笑った。

 

僕は足を止め、「ドーラさん、、、どうしました?」と問うた。

 

 

 

すると、ドーラはニヤリと笑ったまま、顔を横に振り、答えた。

 

「なんでもない。。。

 

 さあ、天文台に帰るぞ。」

 

 

 

そう言うと、停車場まで歩いて行った。

 

 

 

 そして、ワンボックスカーで男女別に警官の制服に着替え、天文台に帰った。


 

 

 

 

土曜日の朝、午前8時過ぎに、休暇中のケント巡査(本当は准尉)とベリンダ巡査(本当は上等兵)を除き、僕とドーラと分隊メンバは、天文台から南西州州都コアブルッズ市の高級果物店に向かった。

 

 

 

やっぱりコアブルッズ市の停車場で、男女別交互にワンボックスカーの中で近衛兵の軍服に着替え、高級果物店に着いたのは午前11時すぎだった。

 

この時は果物ゼリーを150個受け取った。

 

 

 

 

 

果物ゼリーが入った段ボール箱を抱えながら、天文台を帰るため、停車場へ歩いていた。

 

突然、ドーラが分隊メンバ全員に声をかけた。

 

「どこへ行く?

 

 昼食はここで食べよう♪!」

 

 

 

そう言うと、ドーラはニヤリと笑い、一軒のレストランを指さした。

 

 

 

僕は戸惑い、ドーラに問うた。

 

「ドーラさん、、、

 

 ここ安全なんですか?」

 

 

 

そう、僕とドーラは暗殺の危険がある。

 

安全を確認したところで、安全を確認した食べ物しか、食すことは許されない。

 

 

 

ドーラはニヤリと笑って答えた。

 

「このレストランも王室御用達で、食す物は安全だ。

 

 実際、数年前、母上(=アン女王)と地方視察でこの地域を訪れた時、

 このレストランで食事をした。

 

 それに護衛の分隊メンバと一緒だ。

 

 安全であろう?」

 

 

 

確かに安全だ。

 

 

 

ドーラはニヤリと笑ったまま、僕に語った。

 

「それにここの豚料理は美味いぞ!」

 

 

 

だが、ローレンス巡査(本当は曹長)はあきれてつぶやいた。

 

「また?」

 

 

 

ベリンダ巡査(本当は上等兵)も、あきれて黙ってうなずいた。

 

 

 

ドーラはニヤリと笑ったまま、ローレンス巡査(本当は曹長)とベリンダ巡査(本当は上等兵)に語りかけた。

 

「良いではないか!

 

 我だって、コアブルッズ市の観光を楽しみたいのだ!」

 

 

 

ローレンス巡査(本当は曹長)とベリンダ巡査(本当は上等兵)は、互いに顔を見合わせ、ため息をついた。

 

そしてローレンス巡査(本当は曹長)は、「はー、やれやれ」とつぶやいた。

 

 

 

僕とドーラと分隊メンバはそのレストランでランチを食した。

 

ランチと言っても、そこは王室御用達のレストランだ。

 

当然高い。

 

 

 

分隊メンバの一部はメニューを一目見て、あまりの高額さに驚いた。


特にケイシー巡査(本当は上等兵)は「こんな高いとこ払えない!」と悲鳴を上げた。

 

だが、ドーラは涼しい顔で分隊メンバに語り掛けた。

 

「大丈夫だ。我の奢りだ。」

 

 

 

実際、本当に分隊メンバ全員に奢った。

 

 

 

ローレンス巡査(本当は曹長)とベリンダ巡査(本当は上等兵)は、その様子を見て、互いに顔を見合わせ、再びため息をついた。

 

 

 

支払いの際は、ウエイターを呼び、ドーラは王室専用の買い物カードで払おうとした。

 

やっぱり、高級果物店と同様に(第121話)、ウエイターが不審な表情を浮かべ、ドーラに問うた。

 

「このカードは王室専用です。

 

 このカードは本物ですか?

 

 そもそもあなたは誰ですか?」

 

 

 

ドーラは苦笑いを浮かべ答えた。

 

「第一王女のドーラだ。

 

 この店には数年前の地方視察の際、

 母上(=アン女王)を始め、家族で夕食をとったが、

 覚えておらぬか?」

 

 

 

その答えを聞いてウエイターは慌てて、厨房まで走って行った。

 

厨房からオーナーシェフが走ってきた。

 

「間違いない!

 

 ドーラ第一王女殿下だ!」

 

 

 

そう言うとオーナーシェフはドーラに駆け寄り、頭を下げた。

 

「この度は、当店のものが失礼しました!」

 

 

 

ドーラは微笑み返した。

 

「よい。

 

 今回は軍務でたまたまこの地を訪れただけだ。

 

 よもや王族が訪れるなど、思うはずがないだろうしな。。。」

 

 

 

ドーラはさらに続けた。

 

「ところで、、、

 

 物は相談なのだが。。。。

 

 まずは頭を上げてくれぬか?」

 

 

 

オーナーシェフは恐る恐る頭を上げた。

 

ドーラはオーナーシェフが頭を上げたのを確認すると、微笑み問うた。

 

「実は、明日、この地を離れなければならぬ。

 

 この店はテイクアウトはやっているのだろうか?

 

 テイクアウトをやっているのなら、

 明日の朝、午前8時半に受け取りたいのだが、

 対応可能であろうか?

 

 帰りの車中、昼食にそれを食しながら、

 この地の思い出に浸りたいのだが。。。」

 

 

 

オーナーシェフは半ば緊張して、半ば困った顔で答えた。

 

「テイクアウトは通常やっておりませんが、、、

 

 殿下のために、特別に用意いたしましょう。。。」

 

 

 

ドーラは微笑んだ。

 

「そうか!

 

 それはありがたい!

 

 我が隊、13人分をお願いしたいがよろしいか?」

 

 

 

オーナーシェフは頭を下げ、「かしこまりました」と答えた。

 

 

 

当然、今回のランチの分と合わせて、テイクアウト分もドーラは王室専用の買い物カードで支払った。

 

その様子を見ながら、ローレンス巡査(本当は曹長)とベリンダ巡査(本当は上等兵)は顔を下に向けて、三度目のため息をついた。

 

 

 

 

 

さて、こうして南西州の州都、コアブルッズ市から天文台に帰ったわけだが、途中でギレエ町の警察消防署に寄った。

 

そして警察消防署の受付に行くと、ドーラは微笑み語り掛けた。

 

「明日、我が隊は首都レワヅワに戻ります。

 

 1週間、大変世話になりました。

 

 礼として、コアブルッズ市の老舗高級果物店から、

 銘菓の果物ゼリーを買ってきました。

 

 どうか、署員で分けてもらえまいか。」

 

 

 

そして受付の机の上に、100個の果物ゼリーの入った段ボール箱を数箱置いた。

 

そのとき、受付には若い男性警官が座っていた。

 

彼は慌てて署内に走って行った。

 

 

 

数分後、彼はヒューバート署長と共に戻ってきた。

 

ヒューバート署長はドーラに駆け寄り、小声で話しかけた。

 

「ドーラ巡査部長、困ります!」

 

 

 

ドーラは微笑み、ヒューバート署長に語り掛けた。

 

「いいのだ。

 

 今回はヒューバート・スタイルズ警視殿を始め、

 ギレエ町の警察消防署の署員の皆様には大変世話になった。

 

 どうか受け取ってはもらえまいか?

 

 受け取ってもらえないと、我が困ってしまうのだ。。。」

 

 

 

ヒューバート署長は天井を見上げ、ため息をつくと、うなずいた。

 

「分りました。署員で分けます。。。」

 

 

 

こうして、果物ゼリー100個を受け取ってもらった。

 

 

 

 

 

ギレエ町警察消防署を後にすると、天文台に戻った。

 

やはりギレエ町警察消防署と同様に、天文台に勤めている、科学者、技師、警備員に50個の果物ゼリーを礼として渡した。

 

 

 

 

 

翌日の日曜日、この日、いよいよ首都レワヅワに帰る。

 

朝6時、天文台の警備隊は朝礼を行う。(第115話)

 

その朝礼で、ドーラは隊員達の前で話しかけた。

 

「我が隊は本日、修司殿を連れて、首都レワヅワに帰る。

 

 1週間、大変世話になった。礼を言う。

 

 そして2か月後、またここに来る。

 

 その時は温かく、迎えてほしい。」

 

 

 

そう言うと、ドーラは分隊メンバに話しかけた。

 

「分隊メンバ諸君、警備隊員達に礼!」

 

 

 

すると、ドーラを始め、分隊メンバは全員一斉に、隊員達に頭を下げた。

 

「ありがとうございました!」

 

 

 

警備隊員達は戸惑いながら、拍手を送った。

 

 

 

 

 

ドーラを始め、分隊メンバと、カドワダドル教授とクラレンス君と僕は、朝6時の朝礼が終わると、すぐにワンボックスカー・軽トラ数台・オフロードバイクに分散し、天文台を発った。

 

麓の町、ギレエ町を素通りし、南西州の州都、コアブルッズ市に向かった。

 

 

 

事前にカドワダドル教授とクラレンス君には話してあったが、直接、首都レワヅワに帰らず、コアブルッズ市に寄ると聞いて、戸惑っていた。

 

 

 

 

 

午前8時半過ぎ、コアブルッズ市に着いた。

 

コアブルッズ市の停車場で、男女別交互にワンボックスカーの中で、警官の制服から近衛兵の軍服に着替えた。

 

 

 

最初に高級果物店に行った。

 

すでに店主と店員数名が待っていた。

 

分隊メンバは手分けして、果物ゼリーが450個が入っている段ボール数箱と、高級果物の詰め合わせ15箱を、ワンボックスカーと軽トラに詰め込んだ。

 

 

 

次に王室御用達のレストランへ行った。

 

やっぱりオーナーシェフとコック数名が待っていた。

 

分隊メンバは手分けして、ランチボックス13個が入っている段ボール1箱をワンボックスカーに詰め込んだ。

 

 

 

そして、ようやく、一路、首都レワヅワに向かった。

 

午前9時半ごろだったと思う。

 

あ、もう着替えは不要と言うことで、近衛兵の軍服で首都レワヅワに向かった。

 

 

 

(次話に続く)

次話は2026/6/8 0時に更新予定です。

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