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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第8章 天文台にて、そして新たな出会い
113/137

第113話 ダグ騎兵連隊長とエイミー少尉との会話(その1) ーワンボックスカーにてー

天文台長・デニス教授とイーサン警備隊長との会議を終えると(第112話)、午後6時を過ぎていた。

 

ドーラと僕は分隊メンバの所に戻ると、すでに荷物は運び終えていた。

 

 

 

 

 

あ、すでに王城の騎兵連隊の事務所には、長距離無線通信機で、天文台に到着したことを伝えてあった。

 

ま、その際にヒュー巡査(本当は少尉)から、天文台敷地に入る際の一悶着(第111話)については連絡したらしく、応答したゲイリー少尉から笑われたそうだ。

 

「ははは!

 

 そりゃ傑作!

 

 でも、ドーラ中尉は大変だったな~♪」

 

 

 

ま、振り返ってみれば、笑い話だね。。。

 

ははは。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで午後6時を過ぎているので、ドーラと分隊メンバと一緒に天文台の食堂で夕食をとることになった。

 

もちろん、カドワダドル教授、クラレンス君、ダグ騎兵連隊長も一緒だ。

 

 

 

食堂はレクレーション施設にあるのだが(第111話)、レクレーション施設が一変していたらしく、カドワダドル教授とクラレンス君は驚いた。

 

クラレンス君はカドワダドル教授を見つめ、つぶやいた。

 

「カドワダドル教授、、、

 

 レクレーション施設がリニューアルしているみたいですが、、、

 

 聞いてました?」

 

 

 

カドワダドル教授は顔を横に振り、答えた。

 

「いや、、、

 

 そんなこと、、、

 

 (天文台台長の)デニス先生から聞いてない。。。」

 

 

 

事情を知っているダグ騎兵連隊長とドーラとフレッド巡査長(本当は副長)と僕は苦笑いを浮かべた。

(第107話)

 

ドーラはカドワダドル教授とクラレンス君に近寄り、小声で「実は、、、」と事情を話した。

 

 

 

ドーラの話が終わると、カドワダドル教授は空を見上げ、「ははは!」と笑った。

 

 

 

クラレンス君はあきれて、僕に近寄り、小声で話しかけた。

 

「ドーラさんと修司殿の王族二人が来るから、、、

 

 天文台は大変だったんですね?」

 

 

 

僕は苦笑いを浮かべ「ははは」と笑うしかなかった。

 

 

 

 

 

実際、天文台の食堂で夕食をとったが、王城の食堂並みに美味しく、ドーラの分隊メンバには好評だった。

 

もちろん、カドワダドル教授もクラレンス君も好評だった。

 

クラレンス君曰く、「以前とは雲泥の差だ」とのことだ。

 

 

 

後に天文台台長のデニス教授と、イーサン警備隊長も話してくれたんだけどね。。。

 

天文台に常駐している研究者や技師や警備員にも、レクレーション施設のリニューアルは大好評だったんだって。。。

 

 

 

リネット警察消防相の個室で、アルバート教育次官が言っていたように、天文台は警戒厳重でスタッフが気が滅入るので、レクレーション施設で気を紛らす人が多いんだ。

(第107話)

 

しかも、低いとはいえ山の頂上にあり、麓の町まで騎乗しても、馬車でも半日かかる。

 

そんな環境だから、レクレーション施設のリニューアルは、スタッフにはありがたかったらしい。。。

 

 

 

 

 

あと、食堂のそばには、24時間開いている売店もある。

 

だって、天文台だと夜間に働く研究者や技師もいる。

 

当然、夜間に警戒活動を行う警備員もいる。

 

 

 

その売店も一新されて、スタッフは喜んでいたらしい。

 

もちろん、食堂も売店も売られているものの安全は確認されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて、夕食も終わって、カドワダドル教授とクラレンス君と僕は、1.5m口径望遠鏡のある、天文台に向かった。

 

天文台の入口に受付があり、そこにはアルバート教育次官からもらった予約票を呈示した。

(第107話)

 

受付スタッフは予約票を確認すると、カドワダドル教授とクラレンス君と僕に腕章を渡した。

 

「腕章をつけてください。

 

 次からはこの腕章を示してください。」

 

 

 

そう、腕章が1.5m口径望遠鏡のある天文台の出入りに必要なんだ。

 

 

 

 

 

で、、、ドーラを含むドーラ分隊メンバだが、彼等には予約票がない。

 

だから、天文台の敷地に入ることはできても、1.5m口径望遠鏡のある天文台に入ることはできない。

 

 

 

実は、それは警備員も同じで、警備員でも特別な許可がないと1.5m口径望遠鏡のある天文台には入れない。

 

そう、1.5m口径望遠鏡のある天文台は、警戒厳重な天文台敷地でも、もっとも警戒厳重なんだ。

 

 

 

 

 

話をドーラを含むドーラ分隊メンバに戻すと、午前6時に王城を発している。

(第109話)

 

そして、休憩や昼食をはさんではいたが、午後5時までずっと自動車やバイクの運転をしていた。

(第110話)

 

 

 

いくら何でもその夜は休養をとる必要があるので、非定期に訪れる者への官舎に向かった。

(第111話)

 

で、、、ここで、『さらに一悶着』があった。

 

 

 

ほら、ダグ騎兵連隊長が予約もなしに、無理やりついてきちゃったもんだから、、、

(第109話)

 

ダグ騎兵連隊長の部屋の割り当てがなかったんだよね~。。。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

 

 

仕方がないのでね。。。

 

ドーラは困って、1.5m口径望遠鏡のある天文台の受付の人に頼んで、僕を呼び出してね。。。

 

僕からワンボックスカーの鍵を受け取ると、ダグ騎兵連隊長はワンボックスカーで寝ることになったんだ。。。

 

ワンボックスカーはピクニックカーに改造してあるし、ドーラはワンボックスカーで寝たことがあったしね。。。

(第97話)

 

 

 

後から聞いた話だと、ドーラはエイミー巡査(本当は少尉)に、笑顔で語り掛けた。

 

「エイミー、今夜は、このワンボックスカーで、

 ダグ・ハミルトン殿と一緒に寝たらどうか?」

 

 

 

いつもなら、ドーラはダグ騎兵連隊長を『ダグ・ハミルトン騎兵連隊長閣下』と呼ぶ。

 

しかし、今はドーラは警官に扮しており、本当は近衛師団の中尉だと気取られれるわけにはいかない。


ましてや第一王女であることを気取られるわけにはいかない。

(第106話)

 



だから、このときはダグ騎兵連隊長を『ダグ・ハミルトン殿』と呼んだ。

 

もっとも、後でドーラは言っていたけど、『ダグ・ハミルトン殿』と呼んだことは、背筋が凍る思いだったらしい。。。

 

(あきれた笑い)ははは。。。

 

 

 

話を戻すと、エイミー巡査(本当は少尉)は戸惑いながら、「ええ」とうなずいた。

 

後でエイミー巡査(本当は少尉)はこう言っていた。

 

「練兵場で雨漏りのヒドイ官舎で寝た時、

 ワンボックスカーで寝た分隊長(=ドーラ)とローレンス軍曹が羨ましかった。

 (第97話)

 

 だから、一度、ワンボックスカーで寝てみたかったの。。。」

 

 

 

 

 

ピクニックカーに改造されたワンボックスカーは後部座席を移動させると、2人分のベットが設置可能となっている。

 

そのベットに横たわったダグ騎兵連隊長は、向かい側のベットに横たわった娘のエイミー巡査(本当は少尉)に、上機嫌で語り掛けた。

 

「こりゃいいぜ。

 

 天幕よりずっといい。」

 

 

 

エイミー巡査(本当は少尉)は、父親であるダグ騎兵連隊長に笑顔で返した。

 

「そうね。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は笑顔でエイミー少尉に問うた。

 

「エイミー、、、

 

 このワンボックスカーに泊ったことはあるのか?」

 

 

 

すると、エイミー巡査(本当は少尉)は首を横に振り答えた。

 

「いいえ、このワンボックスカーに泊るのは初めてよ。。。

 

 いつもは修司殿とクラレンス殿が仮眠のために使っているし。。。」

 (第97話)

 

 

 

そして、エイミー巡査(本当は少尉)は鼻で笑い、話を続けた。

 

「大雨が降った時、練兵場の官舎の雨漏りがひどくって、

 眠れなくて、、、

 

  『このワンボックスカーで寝たい』

  

 って、頼んだけど。。。」

 (第97話)

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は続きを促した。

 

「『頼んだけど』って?」

 

 

 

エイミー巡査(本当は少尉)は話を続けた。

 

「私だけじゃなく、みんな、ここに寝たいと言い出して、、、

 

 結局、分隊長(=ドーラ)とローレンス曹長が、ここで寝たわ。。。」

 (第97話)

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は不思議な顔して問うた。

 

「ドーラ殿下と修司殿が一緒に寝たわけじゃなく?

 

 あの二人、許嫁同士だろ?」

 

 

 

ああ、ダグ騎兵連隊長はドーラ本人がいないところでは、ドーラを『ドーラ中尉』ではなく、『ドーラ殿下』と呼んでいるんだ。

 

 

 

話を戻すと、エイミー巡査(本当は少尉)は笑いをこらえて答えた。

 

「そのように副長(=フレッド)が言ったの。。。

 

 そしたら、修司殿は

 

  『確かに僕とドーラは許嫁同士ですが、

   まだ結婚したわけではありません!

 

   結婚前はダメです!』

   (第97話)

 

 って答えたの。。。

  

 で、後日、ケイシーが

   

  『もう少し柔軟性があっても良かったのでは?』

  

 って訊いたら、修司殿はこう答えたんですって。

  

  『そんなことしたらアン女王陛下に殺されかねん!』

   (第97話)

  

 だって。。。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長はワンボックスカーの天井を見上げ、大声で笑った。

 

「ははは!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

エイミー巡査(本当は少尉)は、急に真剣な表情になり、父親であるダグ騎兵連隊長に問うた。

 

「父さん、今朝から無理やりついてきたけど、、、

 

 父さんのことよ。。。

 

 何か意図があって、無理やりついてきた?

 (第109話)

 

 違う?」

 

 

 

(次話に続く)

次話は2026/5/30 0時に更新予定です。

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