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不思議な留学 ー留学先のオウゴウヌ王国って世界地図にないんだけどー  作者: U.X.
第8章 天文台にて、そして新たな出会い
111/139

第111話 天文台での一悶着

(前話からの続き)

 

 

 

で、、、ここでひと悶着あった。

 

ほら!

 

急遽、ダグ騎兵連隊長が一緒に来ることになって、リネット警察消防相が手書きの許可証を書いてくれたんだけど、、、

(第109話)

 

最初の検問所で、担当の警察官が、その許可証を不審に思って、ドーラに怒ったんだって。。。

 

「こんな許可証認められるか!

 

 大臣閣下のサインがあるが、これは偽造したものであろう!?」

 

 

 

そこで困ったドーラが頭を下げて、リネット警察消防相が書いた手紙を渡したんだ。

(第109話)

 

「申し訳ありません!

 

 ですが、仔細はこの手紙に記載されております!

 

 このような事態を想定して、大臣閣下に手紙をしたためて頂きました!

 

 どうか、この手紙を、警備隊長にお渡しください!」

 

 

 

検問所には二人の警察官がいて、一人の警察官がその手紙を持って、渋々、騎乗して天文台に走って行った。

 

すると、数十分後、その警備担当の警察官は、一人の警察官を連れてきた。

 

二人とも騎乗してやってきた。

 

 

 

一人の警察官は下馬すると、検問所のもう一人の警察官に述べた。

 

「その一行を通してやれ。」

 

 

 

検問所の警察官は訳が分からないようで、不審がっていたが、「一行を通せ」という警察官に遠慮して、僕達を通してくれた。

 

ま、規則があるらしく、その検問所の警察官は一人一人確認したけど。。。

 

 

 

 

 

僕達を検問所を通すように指示した一人の警察官は、僕達全員が最初の検問所を通ったのを確認した。

 

そして助手席に座ったドーラに近づき、苦笑いを浮かべて話しかけた。

 

「ようこそ、ドーラ巡査部長。

 

 私が天文台警備隊長、イーサン・ポーレットだ。」

 

 

 

イーサン警備隊長は黒髪ベリーショートの髪型で、瞳は黒く、肌は白く、エプロンの髭を生やした、身長は180cm前後の筋肉質の男性だ。

 

年齢は40歳前後だろうか。

 

 

 

ドーラは慌てて、車を降りると、イーサン警備隊長に頭を下げた。

 

「イーサン・ポーレット警備隊長、

 

 ご対応ありがとうございました。」

 

 

 

イーサン警備隊長は苦笑いを浮かべ、答えた。

 

「ははは。。。

 

 まあ、話はあとにしよう。。。

 

 次の検問所は私が同行しよう。。。」

 

 

 

そう言うとイーサン警備隊長は再び騎乗し、ドーラに乗車を促すと、僕達を2番目の検問所に誘導した。

 

2番目の検問所に着くと彼は下馬し、検問所の担当警察官に話をした。

 

ドーラは全員の許可証を検問所に示した。

 

ダグ騎兵連隊長についてはイーサン警備隊長が担当警察官に話をしてくれたらしく、ここでは担当警察官が一人一人確認した後、僕達を通してくれた。

 

 

 

 

 

この2番目の検問所を過ぎると、つまり、3mの高さの壁を越えると、幾つかの建物があった。

 

中心に望遠鏡のある天文台があった。

 

そして、天文台に常駐する科学者や技師が寝泊まりする官舎と、警備担当者が寝泊まりする官舎があった。

 

また、僕達のように非定期に訪れる者への官舎がある。

 

今日月曜日から日曜日の朝まで、僕とドーラの分隊メンバはそこで寝泊まりする予定だ。

 

また、食堂を含むレクレーション施設もあり、その中に武道場もあるそうだ。

 

 

 

ああ、ここで天文台について、少し説明したいと思う。

 

この天文台の正式名称は『王立コアブルッズ大学・ギレエ山天文台』という。

 

 

 

何度も言うが、約200年前の戦争の折、過激な信徒によって、この国の多くの天文台が破壊された歴史がある。

(第43話)

 

その約200年前の戦争後のオウゴウヌ王国にとって、この天文台は唯一の天文台である。

 

カドワダドル教授はこう言っている。

 

「この国どころか、このアシエシア大陸唯一の天文台だと思う。」

 

 

 

なぜなら、オウゴウヌ王国以外のアシエシア大陸諸国には理数系の専攻がある大学はないからだ。

(第42話)

 

オウゴウヌ王国以外に天文台があるとは考えにくい。

 

そう、カドワダドル教授が言うように、この天文台がこの世界に唯一の天文台である可能性が極めて高い。

 

 

 

 

 

この天文台は約10年前に望遠鏡を一新した。

 

1.5mの口径を誇る望遠鏡を設置したのだ。

 

この国で唯一の天文台で、しかも1.5m口径望遠鏡を有するため、とても人気が高く、なかなか観測時間を得るのは難しいらしい。

(第42話)

 

 

 

今回、アルバート教育次官が今日から、2か月ごとに、5日間連続で1年間の天文台の計測時間を確保してくれた。

(第42話、第45話)

 

そう、アン女王が言うように、天文台の計測時間を確保してくれたアルバート教育次官をはじめ、各種調整してくれた、リネット警察消防相、コンラッド警察消防次官、フランクリン軍事相、キース軍事次官、ジョシュア教育相には、お礼の意味を込めて、土産を買っていかなくてはならないのだ。

 

 

 

 

 

ところで、この天文台の正式名称『王立コアブルッズ大学・ギレエ山天文台』の通り、この天文台は王立コアブルッズ大学に属する。

 

この王立コアブルッズ大学について、クラレンス君はこう言っている。

 

「王立コアブルッズ大学は、

 オウゴウヌ王国では、

 首都レワヅワにある王立オウゴウヌ大学と

 双璧を為す名門大学です。」

 

 

 

王立コアブルッズ大学は、オウゴウヌ王国の南西州の州都コアブルッズ市にある。

 

そう、オリビア第三王女の言うとおり、コアブルッズ市は天文台から50km離れた位置にある。

 

 

 

天文台のスタッフは、警備担当者を除くと、つまり科学者と技師はコアブルッズ大学の教職員である。

 

過半数の科学者と技師はコアブルッズ市のコアブルッズ大学でいつもは働いており、定期的に交代して、ここ天文台で働いている。

 

まあ、コアブルッズ市から50km離れたギレエ山の頂上にあるからね。

 

 

 

ただし、一部のスタッフは天文台のあるギレエ山の麓の町、ギレエ町に住んでいる。

 

やっぱり交代制だ。

 

 

 

 

 

警備担当者は40名であるが、常駐しているのは20名の交代制だ。

 

全員、麓の町、ギレエ町に住んでおり、そのギレエ町の警察消防署の所属となっている。

 

 

 

 

 

あ、なにせ標高300m程度の低い山とは言え、天文台はギレエ山の頂上にある。

 

麓の町ギレエ町まで馬車で半日かかるので、急な病や怪我をした場合を考慮して、医療設備もある。

 

ま、警備担当者の中に、ヒールを掛けるとかとかポーションを飲ませるなどの、衛生担当者がいるだけなのだが。

 

そして、警備担当者は基本警察官であるが、消防官の訓練設けている。

 

 

 

もちろん、天文台で火事があれば、すぐに対処できるようにだ。

 

 

 

 

 

要するに天文台は、一つの小さな村なんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2番目の検問所を過ぎると、イーサン警備隊長は助手席に近づき、窓ガラス越しに指示した。

 

「バイクおよび自動車は、目立たぬよう、

 可能な限り、そこの大きな倉庫の中に入れてください。

 

 中に入りきらない場合でも、目立たぬよう、

 脇に停めてください。」

 

 

 

その指示を聞くと、ドーラはハンディの無線通信機で分隊メンバに指示した。

 

「イーサン警備隊長の指示通り、倉庫の中に自動車を入れろ。」

 

 

 

僕とドーラの分隊とダグ騎兵連隊長は、指示通りにバイクは倉庫の中に入れた。

 

また、万が一、近衛師団として反撃を要する際に必要な装備を積んだ軽トラ一台を倉庫の中に入れた。

 

もちろん、間違って、誰かがそれを見ないようにするためだ。

 

 

 

それ以外の自動車は、倉庫の脇に停めた。

 

 

 

するとイーサン警備隊長は僕らに近づき、声をかけた。

 

「カドワダドル教授、ドーラ巡査部長、修司殿、

 

 そしてダグ殿、、、

 

 こちらに来てもらえますか?」

 

 

 

そう言うと、イーサン警備隊長は一つの建物を指さした。

 

 

 

 

 

次にイーサン警備隊長はクラレンス君とドーラの分隊メンバに対して、こう言った。

 

「他の者は荷物をあちらに運び込んでもらえますか?」

 

 

 

そう言うと、イーサン警備隊長は別の建物を指さした。

 

その別の建物は非定期に訪れる者への官舎だった。

 

 

 

 

 

ダグ騎兵連隊長は苦笑いを浮かべ、片手を振って、イーサン警備隊長に答えた。

 

「俺は今日は非番だ。

 (第109話)

 

 ちょっと遠慮デキねーか。」

 

 

 

だが、イーサン警備隊長は譲らなかった。

 

彼は苦笑いを浮かべ、ダグ騎兵連隊長に話しかけた。

 

「そう言わずに、是非。」

 

 

 

ダグ騎兵連隊長の娘であるエイミー巡査(本当は少尉)は見かねたのだろう。

 

父親であるダグ騎兵連隊長を一喝した。

 

「父さん!

 

 今朝から無理やりついてきて、

 いろんな人に迷惑かけて、、、

 (第109話)

 

 今更、『非番だから』って逃げるなんて、

 許さないわよ!」

 

 

 

娘には基本的に弱いダグ騎兵連隊長は、渋々「はい」と言って、うなずいた。

 

 

 

ま、エイミー巡査(本当は少尉)の言う通りだわな。。。

 

 

 

 

 

ダグ騎兵連隊長とカドワダドル教授とドーラと僕は、イーサン警備隊長に連れられ、一つの建物に入った。

 

その建物は警備担当者と研究者と技師が共有している事務所だった。

 

その事務所にはいくつか会議室があり、その一つに通された。

 

 

 

 

 

その会議室には一人の男性が立って待っていた。

 

その男性は白髪の短髪横分けで、銀縁眼鏡をかけ、瞳は黒く、丸顔で、身長は170cm前後のポッチャリとした体形をしていた。

 

年齢は60歳前後だろうか。

 

 

 

カドワダドル教授は、その男性を見ると、微笑み、片手をあげた。

 

「久しぶり。」

 

 

 

カドワダドル教授は微笑みながら、僕に顔を向け、その男性を右手を向け、語り掛けた。

 

「彼はこの天文台の台長である、

 デニス・ウオートン教授だ。」

 

 

 

僕は慌てて頭を下げた。

 

「どうも、デニス教授。 修司と言います。」

 

 

 

デニス教授は微笑み、僕に頭を下げた。

 

 

 

 

 

イーサン警備隊長は、ダグ騎兵連隊長とカドワダドル教授とドーラと僕が会議室に入るのを確認すると、会議室のドアを閉め、内側から鍵をかけた。

 

 

 

(次話に続く)

次話は2026/5/28 0時に更新予定です。

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