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出会い1
スーパーにいって真知子さんを迎えに行くと
「ごめんね。帰り道わかんなくなって」
言葉の割に真知子さんの機嫌はよかった。
「真知子さん。いいことあったの」
「そうなの。岩のような・・・彫像のような大きな人に会ったのよ。
どこに行けばいいかわからない私をみて、話しかけてきたのよ。
なんて言ったと思う」
争いで家を失った子どものような顔をしている。
「私は答えたのよ。争いって戦争?あなた戦争でも行ったことあるの?」
数限りなく
「そう答えたの。変な人でしょ。私ね。認知症で時々、家を忘れてしまって・・・っていったら」
家があるならいつかは帰れる
「そうかもしれないけど。孫がいるの。早く帰らなきゃいけないの」
空を見て、鳥の声を聞けばよい。近くに花を見つけ、虫の営みを感じればよい
「そんなことで、帰れたらと思いながら、空を見て、鳥を探していたら、スーパーの看板に気づけたのよ。いつも、目に映っても気づかないのに」
なにか見つけたようだな
「ありがとう。忘れないうちに行くわ」
それで、今に至るらしい。
一緒にスーパーで、のぞみちゃんのお弁当を買って家まで送ると
「よかった」と、のぞみちゃんが笑うと
「のぞみ、今日不思議なひととあったのよ。」
と言いながら家に入っていった。私はのぞみちゃんに手を振って玄関を出た。




