落ち着きなさい〖魔王〗様
〖アレイ低〗
「わ、私は帰らねばならんのだ。だから先ずは西の地へと向かうのだーっ!!」
ユナはそう叫ぶと最初に会った頃に着ていた制服みたいな服でアレイちゃん低から飛び出そうとした瞬間。
「フワァ‥‥‥‥‥まぁ、待ちなさい!!〖魔王〗様。剣水魔法〖水糸の束〗」
シュルシュルシュルシュル!!
「なっ?何じゃ?これは?私の身体に絡み付いてくる?」
「慌てすぎよ‥‥‥‥何時もの貴女なら直ぐに抜け出せるでしょうに‥‥‥‥冷静じゃないからそうなるのよ」
「レ、レイカ!な、何をするのだ。こ、この糸は何じゃ?は、離すのじゃあ!!」
「今、西の地へ行ったって、〖七剣神〗に奉納する莫大なお金が無いんだから渡航は無理よ‥‥‥‥」
「そ、そんな事は分かっておる。だから、私が持っている〖神煌具〗をこの王都の商会にでも売って‥‥‥‥」
ユナはそう言うとマジックボックスみたいな物から、五色の色に輝く宝石を取り出した。
「〖神煌具〗って言うものが良く分からないけどね‥‥‥‥貴女と私は友達なんだから、先ずは私やソフィア、アレイちゃん達、家族に相談しなさいよ‥‥‥‥全く」
「レイカ達‥‥‥家族に‥‥‥相談?」
「そうよ、家族よ。一緒に同じ家で暮らしているね‥‥‥‥そうと決まればアレイちゃんに相談しないとね。あの子なら私達が知らない事も知っているだろうし、渡航する方法も分かるかも知れないわよ」
「‥‥‥‥う、うむ。分かったのだ。レイカ。ありがとう」
「当たり前でしょう‥‥‥貴女と私の大切な友達で‥‥家族なんだから‥‥‥」
私はそう告げて、ユナの束縛を解いた。
▽▽▽▽▽
〖アレイ低〗・夜
「魔法大陸への渡航ですか?」
「えぇ、今日の魔法新聞で私のパートナー‥‥ではなく、友人の事が書かれてるいたので帰らねばならぬと思いたちまして‥‥‥‥」
「ねぇ?どうにかならないの?アレイちゃん」
「そ、それならば‥‥‥‥やはり〖アステルアルカル〗港の密航しかありませぬ。エスフィール嬢、姫君」
「黙っていなさい。新九聖光〖エドワード・ユグドラ〗殿」
「い、いえ、僕はまだ自由の翼を‥‥‥‥」
「黙りなさい。おバカさん。というか何でここにいるんですか?貴方は確か〖西方教会〗の残党について調べる任務が与えられていた筈ですよね?」
「そ、それはバックレました。ですか今の僕は自由の身なのです!!」
「‥‥‥‥後でカグラさんに連絡して引き取ってもらいましょう‥‥‥‥密航‥‥‥は止めておいた方が良いですね。今のアステルアルカル港は〖幽霊黒船〗〖氷姫帝視察団〗〖西方教会残党〗等の問題がありますから。船団や商業船などの〖剣神〗様から渡航の許可を受けた船では無いと沈没しますしね」
「へ?〖剣神〗って‥‥‥〖巫の神子〗の事?アレイちゃん」
「はい、そうですよ。西の地〖アステル〗を守護する〖七剣神〗が一柱〖剣神〗様の許可なくして渡航などできないのです。」
「じゃあ、あの子の許可が下りればユナは魔法大陸に帰れるのね。ちょっと聴いてみるわ‥‥‥‥〖アルビオン〗通信して」
(ギャオオオ!!)
〖剣神〗の眷属である私はアルビオンを通して彼女呼び掛けた。
「そうですが‥‥それには莫大な奉納金が‥‥‥‥」
「‥‥‥へ?本当に?‥‥‥なんなら学園の子達と行って来なさいですって?良いの?」
「ですから、レイカさん。渡航なんて選ばれた者しか許されない‥‥‥‥」
「〖剣神〗様から許可が下りたわ。なんなら魔剣学園の生徒達と行って来なさいですって!それと、あっちの〖ティアマト〗って神様には話をつけとくからいいですよって言ってたわ!良かったわね。ユナ!」
「‥‥‥‥‥ティアマト地方に‥‥‥魔法大陸に行けるのか?‥‥‥‥ありがとう‥‥‥レイカ‥‥‥‥」
「は?許可が下りた?‥‥‥アルティアの生徒を連れて旅行?‥‥‥どういう事ですか?そんなご都合主義あるわけ‥‥‥‥」
「それを叶えられるのが神様でしょう。アレイちゃん」
「レイカ‥‥‥‥感謝する」
「‥‥‥‥良いのよ別に。私達は友達なんだから‥‥‥‥」
ユナはそう言って嬉しそうに私に抱き付いてきた。そして、アレイちゃんは思案顔で何かを考えていた。
「‥‥‥‥これで第二の迷宮へと迎えますね。姫君」
エドワード君が何か言ってたと思うけどその言葉は私の耳まで届かなかった‥‥‥。
〖青の場所〗
(良かったですか?剣神・巫。そんな容易く大陸間を移動させるなど‥‥‥ましてや、現在の魔法大陸のティアマト地方は彼等に支配されているのでは?)
(そうですね‥‥‥‥ですが弱いんですよ。私)
(弱い?何がですか?)
(女の子の涙ですかね?あんな涙を見せられたら協力したくなるものじゃないですか。ましてや、ユグドラシルの眷属の子ですもの)
(‥‥‥‥相変わらず甘い方ですね。貴女は)
(そう言う杖神・ケーリュケイオン様も同じでしょう)
(そうですな。それに眷属達を西に行かせるのは正解かもしれない。この大陸に彼等がまた、ちょっかいをかけるみたいですしね)
(えぇ!〖アステルマルカル〗私の地。荒らすのならそれ相応の天罰を下すまでです)
◇◇◇◇◇
〖アステルマルカル〗近海
「おいおい!ラストの旦那の残党がこれ程までに使えないとは驚いたな」
「ガボボ!!お、溺れてしまう!!エクシス様!!お助けを!!」
「参ったねぇ~、こりゃあ!口車に乗って合流したのは良いけど此処まで足でまといとはね。計算外だぜ!」
「どうしますか?船長。今回、私達が動いた事で西の地を守護する〖九聖光〗という組織が調査を開始したとのありますが?」
「沈むしかないでしょうなぁ!あっちの大陸で〖代理人〗の旦那が耐え得る身体を手に入れれば合流してくれるだろうし、今は時間を稼ぐ時でしょうな。残党君達はアイツ(・・・)の餌になってもらえば良いしな」
「ガバッ!そ、そんな!!嫌だあぁ!!」
「残念~!決定事項だ。西方教会の残党君達」
「では、近くにあった〖海洋遺跡〗に暫く隠れますか?あそこならば魔法大陸の転移迷宮と繋がっていると文献に書かれていましたし」
「おぉ、良いねぇ~!それ、それじゃあ、暫くはバカンスということで休暇を楽しもう。副船長!」




