トーナメントになりまして
新九聖光・選抜祭・一日目終了の夜
『アレイ邸』
「はぁ?!二回戦目からトーナメント式に切り替わったってどういう事よ!ていうか?トーナメントって何?」
「競技で、敗者を除いていき、勝者同士が戦い抜いて優勝を決める試合方式じゃ、そうじゃあ。レイカよ」
「へ~、よく知ってるわね。ユナ~って!何、変な四角の鉄板なんて見つめて喋ってるのよ?」
「む?いや、これはスマ‥‥‥‥いや、何でもないのじゃ」
「スマ?何?何を隠してるのよ。見せてよ!ユナ」
私はそう言ってユナのスマなんちゃらの方へと手を伸ばすと。
「あっ!止めよ!それはセツナが買ってくれた大切な。スマホじゃあ!お主の様な馬鹿力の姫君が握り潰せば壊れてしまうであろう!」
「なっ!誰が馬鹿力の姫君よ」
「姫君。ユナ嬢は嫌がっておられます。止めてあげて下さい。それにそろそろ止めないとアレイギルドマスターからのキツいお仕置きが始まりますよ」
「はぁ?何でエドワード君。君が此処にいるのよ!貴方は確か城に幽閉されてる筈でしょう?」
「えぇ、始めますよ!レイカさん!」
「ひぃーー、何でそんな大きなお尻叩きのマジックアイテムを持っているのよ!アレイちゃん」
「良いから、ハウスです!レイカさん」
「は、はい!」
私はそう言ってユナから離れ、さっきまで座っていた椅子に腰かけた。
「ありがとうございます。ユグドラ殿 (ボソッ)」
「いえいえ~、所で彼は元気ですかな?」
「彼?あの彼とは?セツナの事ですか?」
「えぇ、そうですね~、いやー、まさか彼とユナ嬢が面識があるとは思いませんでしたよ。彼とは以前、彼方のフレイヤ地方でですね‥‥‥」
「ユグドラ君。ステイ!お静かに願いますよ。それに今は貴方の対戦相手について話しているんですから、ちゃんと私の話を聞きなさい」
「はて?僕の対戦相手ですかな?それと大会の内容を変えるんでしたか?」
「はい、選抜祭の一回戦目で参加者の人数があまりにも減ってしまった為、一対一の勝ち上がり戦になりました。そして、貴方の初戦の対戦相手は‥‥‥」
「対戦相手は?‥‥‥」
「宮廷鍛冶師『アーンドラ・エルダム・アマルダ』君です。良かったですね。いきなり本気で闘える相手が初戦の相手で」
「いやいや、棄権しま‥‥‥‥」
「できませんよ。私も人数合わせで強制参加ですしね。逃がすわけありませんよ。ユグドラ君」
「いえ、出たくありません」
「もし、棄権したら貴方がこの家に出入りしている事をお母様に報告しますが?」
「ぐお!いえ出ます!出させて頂きます!アレイギルドマスター!」
エドワード君の顔は青ざめ、首を縦に振っている。どれだけ、お母様が怖いのよ。この男は。
「てっ!ちょっと待ってよ!アレイちゃんも参加するの?この大会に?」
「えぇ、そうですよ。氷の大陸から来た方のご所望らしいですよ‥‥‥‥身の程を弁えない軍人さんの相手です」
「身の程を弁えない?何それ?」
「いえ、此方のお話ですよ。レイカさんとユナさんは‥‥‥‥別の方が相手ですね。良かった各々、良い感じにバラけていますね」
「私はレア?リア?何これ?どっち?」
私は対戦表に書かれた紙を見て対戦相手の名前を見て対戦相手を確認する。
「あぁ、西の海から来たエステル姉妹ですか!彼女達は今、売り出し中の人気の踊り子なんですよ。姫君」
「へー、そうなの。へー」
私は少しいらっと来て、エドワード君に冷たく返事をする。
「あっ!ユナの対戦相手も書いてあるわよ!はい!ユナ!」
「うむ‥‥‥‥私はイリス・アルティア・カンナギ姫というこの国の姫君じゃな」
「「はっ?!」」
エドワード君とアレイちゃんはビックリした顔で対戦表を確認し始め、慌ただしく部屋から出ていった。
「何じゃ?あれは?」
「さぁ?何かしらね」
「気配的に二人共、お城の方に行っちゃったけど」
「じゃな」
その後、二人は戻って来なかった為、ユナと二人で夜食を食べ、お風呂に入って明日の大会に備えたわ。
次の日
王都・アルベルト・〖コロシアム・エデン〗
「これより!!新九聖光・選抜祭・トーナメントを開催致します!!」
「やれー!!」
「イケイケ!!」
「キャアアア!!アマルダ君!!」
「くたばれ!!ユグドラ!!」
「ロリババ!!やっちまえ!!」
「あれが噂の踊り子姉妹か?」
あっちこっちから声援が上がる。
「悪いが!ユグドラ。手加減はしない。殺す気でいく」
「そうですか‥‥‥‥‥では僕は半分位の力で闘いましょう。アマルダ氏」
「ふっ!ぬかせっ!」
バリバリバリバリ!
「あらあら、怒らせてしまいましたかな?」
ズズズズズズズズ!
「アーンドラ・エルダム・アマルダ選手 対 エドワード・ユグドラ選手‥‥‥‥‥試合始め!!!」




