第二百六話 差異(2/?)
「これもまっすぐ!打ち上げてライトへ……」
「アウト!」
「捕りました!まずはワンナウト!」
「2番指名打者、チェルニー。背番号9」
「ワンナウトランナーなし。打席にはチェコ代表唯一のメジャー経験者、チェルニー。36歳、プロ引退から1年以上のブランクはありますが、昨日の試合では5打数2安打。実力は健在です」
「あら、ヨーロッパ出身のメジャーリーガーとは珍しいですわね」
「いや、元々アメリカ人で帰化したんだってさ」
まぁどこの国に属するかとかはともかく、この歳になってもおれはやれてるかねぇ?流王さんみたいに……
「ファール!」
「当ててきました!しかしこれも162km/h!大神、この試合では計測されている範囲では全ての球が160km/hを超えております」
でもいきなり当ててるんだよな。大したもんだわ。
(ユーティリティ寄りだったようだが、それでもメジャーで10年以上生き残った選手。やはり一番警戒すべきはこの打者)
(なら、こいつでいきましょか)
「!!?」
「ストライーク!」
「空振り!145km/h、完全試合を支えました魔球フォークボール!」
屋内だから流石にあの時みたいにグラングラン揺れるような感じはないけど……
(単体で見ても威力十分。160km/hでこれが混ざるとそうはな……)
「ボール!」
「これはスイング止まりました!」
「ストライク!バッターアウト!」
「また落とした!3球続けてフォークボール!スイングアウトの三振ッ!」
「良いぞ良いぞ小次郎!」
「葵姉貴の分まで頼むで!」
全部想定通り低めに。そりゃ打てねーわ。
「ボール!」
「これは外外れましたが何と164km/h!本戦前のサラマンダーズ戦でも165km/hをマークしました大神、好調を維持しております」
「ストライーク!」
「高め空振り!これも163km/h!」
「……今日は独壇場になりそうですわね」
「だな……」
コーナーにはあんまり行ってないけど、ストライクは最低限取れてるし、フォークも低めにきちんと落とせてる。相手がプロリーグない国とか関係なく、ありゃ誰が相手でも……
「ストレート打った!左中間、長打コース!」
「「「「「ヘスキィィィィィ!!!」」」」」
マジで……!?
「セーフ!」
「二塁セーフ!フリンカ、ツーベース!ツーアウトからチャンスメイクを果たしましたチェコ代表!」
(うーん、この球。出力はともかくやっぱりイメージしてるとことはちょっと外れるなぁ……)
まぁツーアウト。小次郎もそこまで動揺してる感じでもない。
「ストレート打った!これはショートへのゴロ……」
うん、これなら……!?
「!!ああっと、送球ワンバウンド!ファースト捕れません!」
「「「「「ファッ!!?」」」」」
「セーフ!」
「二塁ランナーこの間に一気にホームへ!1-0!初出場チェコ代表、帝国代表を相手に先制!記録はショートのエラー!今日は六車に代わってパンサーズの岡村がショートに入りましたが、いきなり手痛いミスとなってしまいました……」
「まーたリコだよ(呆れ)」
「You達は何しにWBFへ?」
「「「「「…………」」」」」
……実力がどうこうって言うよりも、そういう巡り合わせだよなぁ。たまたま綺麗にリーグで分かれてるだけで……
「ストライク!バッターアウト!」
「スイングアウト!最後は落としましたフォークボール!これでスリーアウトチェンジ!」
「それでええんや小次郎!」
「三振なら足引っ張られへんで!」
まぁ1点で済んだのならどうにかなるかな?月出里さん、何かちょっといつもとは様子が違うけど、一応打ててるし……




