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868回敬遠された月出里逢  作者: 夜半野椿
第六章 可能性の代行者
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第二百四話 影響(7/?)

「一二塁間……抜けましたライト前!」


「「「「「ぎゃあああああ!!!」」」」」


「セーフ!」

「二塁ランナー一気にホームへ!3-0!韓国代表、さらに1点追加!」


 初球狙い打ち……向こうが完全に勢い付いてる……


(ここは厳しく……!?)

「ヒットバイピッチ!」

「ああっと!ぶつけてしまいました!」

(しもうた……!)


「あーもうメチャクチャだよ」

猪戸(ししど)がトンネルせんかったらなぁ……」


「タイム!」

「ここで内野陣がマウンドに集まります!」


 鈴鹿(すずか)監督は腕を組んで微動だにしない。マウンドの流王(りゅうおう)さんが一瞬チラリとベンチの方を見ても。


(やらせてくれるんすか?)

(もちろんよォ。決して上への忖度で貴女(あなた)を今日の先発に選んだわけじゃないんだからねェ)

「プレイ!」

 いや、こういう時はむしろその方がむしろ良いよね。黙って最後まで託す。おれだって伊達(だて)さんにはそうしてほしい。


「!!強い当たり!」

「アウト!」

「しかしこれはレフト真っ正面!これでスリーアウトチェンジ!」


「アイゴー!」

「クッソォ、運が良いニダ……!」


「ナイピーっす!」

「まだまだいけんぞ!」

「巻き返してくぞ!」


 だから、今のを『ただのラッキー』で終わらせずに、胸を張ってベンチに戻って来れる。


「流王さん」

士道(しどう)くん……」

本当(ほんな)こつ申し訳なか……」

「何言うてんねん。おばちゃんかて申し訳ないわ」


 そしてこうやって、許せる力を示せる。


「3回の裏、日本代表の攻撃。8番ショート、六車(むぐるま)。背番号6」

刀磨(とうま)くーん、でかいの頼むでー!


 もう降板は確定してるけど、それでもベンチから声をしっかり出せる。


「ボール!フォアボール!」

「選びました!8球粘ってノーアウト一塁!」


「無駄な足掻きニダ」

幾重(いくえ)のいる日帝に勝って、今年こそ文句なしの世界一ニダ!」


「ボール!フォアボール!」


「「「「「……え?」」」」」


「レフトの右!痛烈なライナー!」

「セーフ!」

「二塁ランナー一気にホームへ!3-1!月出里(すだち)、今日も打ちました!帝国代表(チームエンパイア)、まずは1点を返しました!」


「「「「「アイゴオオオオオ!!!」」」」」


 さすが……ではあるけど、今のもインハイ、月出里さんの一番得意で、一番長打が出やすいとこ……


(……それでも、あたしもあの一発を打つまでは……!)


 もしかして月出里さん、ずっと低めに張ってる……?

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