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女神の手違いでち私の人生は異世界で始まる  作者: Adarsh Miri
第2章:マーカスシティでの冒険者としての始まり
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第7話:ついに、俺の物語が始まる



俺は今、新たな世界にいる。


この世界は、俺自身が選んだ世界だ。


女神のミスによって命を落とした俺は、いくつもの世界を巡った。そしてついに、ようやく自分にふさわしい世界を見つけたのだ。


今の俺は、カジョラという少年の体の中にいる。


そして、深い森の中を歩いていた。


「確かに、今の俺はカジョラっていう別人の体に入っている……。でも、あいつの名前を使うつもりはない。


俺は自分の本当の名前を名乗る。


だから、よく聞いておけ……俺の名前は、天野カイトだ!」


森の中を歩いていると、少しずつ不安になってきた。


前の世界でも、俺はこんな場所で命を落としたのだ。


しかも、もうすぐ夜になる。


「……これから、どうすればいいんだ?」


しばらくすると、辺りはどんどん暗くなっていった。


背後からは、野生動物の鳴き声が聞こえてくる。


思わず体が震えた。


俺は何も考えず、全速力で走り始めた。


暗闇のせいで、周囲の様子はほとんど見えなかった。


ただひたすら走っていると、突然、洞窟の入り口が目に入った。


「助かった……!」


俺は迷わず、その中へ飛び込んだ。


入り口付近は暗かったが、奥へ進むにつれて、青い光が見えるようになった。


俺はその光を追いかけていった。


そして、ついに光の発生源へとたどり着いた。


そこには、一本の剣があった。


剣は石の中に半分ほど埋まっていた。


柄には金やダイヤモンドがあしらわれており、剣そのものから青い光が放たれていた。


「こ、これは……すごいな!」


俺は目を輝かせた。


「ちょうど武器も持っていないことだし……これ、もらってもいいよな?」


俺は両手で柄を握り、思い切り引っ張った。


だが、剣はかなり深く石に埋まっていた。


引っ張り続けているうちに、少しずつ体から力が抜けていくのを感じた。


さらに、俺の両手から青い光の粒が流れ出し、剣へと吸い込まれていった。


「……なんだ、これ?」


思わず手を離そうとした。


その瞬間――


剣が、ほんの少しだけ動いた。


「……よし! やっぱり、引き抜けるぞ!」


俺は再び、全身の力を込めた。


「抜けろおおおおっ!」


そして――


ガコンッ!


剣が石から抜けた。


俺はそれを高く掲げた。


「ついに……この剣は俺のものだ!」


その直後だった。


突然、全身が鉛のように重くなった。


「……え?」


俺はその場に倒れ込んだ。


そして、そのまま意識を失った。


◆ ◆ ◆


翌朝。


目を覚ますと、俺は昨日と同じ洞窟の中にいた。


ゆっくりと体を起こす。


「……俺、なんでこんなところにいるんだ?」


しばらく考えているうちに、昨夜の出来事が少しずつよみがえってきた。


洞窟。


青い光。


そして、あの豪華な剣。


「……待てよ。俺の剣はどこだ?」


慌てて周囲を見回した。


すると、すぐそばに一本の剣が落ちていた。


だが、それは俺が見つけた剣とは違っていた。


「……なんだ、これ?」


俺はその剣を持ち上げた。


「ただの安っぽい、薄い青色の剣じゃないか! まるで子供のおもちゃみたいだぞ!


俺の本当の剣を探さないと!」


俺はその剣を放り投げた。


ガシャンッ!


剣が地面にぶつかった。


その瞬間――


「いたたっ! ちょっと! 何するのよ! 痛かったじゃない!」


「……え?」


俺は驚いて、周囲を見回した。


「い、今の声は……誰だ?」


細くて、柔らかい女の子の声だった。


すると、再び声が聞こえてきた。


「ちょっと! 私はここよ! こっちを見なさい!」


俺はゆっくりと、地面に落ちている剣へ視線を向けた。


……声は、そこから聞こえていた。


「……は?」


俺は思わず目を見開いた。


「つ、剣が喋ったああああっ!?」


剣はひとりでに立ち上がった。


そして、当然のように言った。


「人間が喋れるんだから、剣が喋ったって別におかしくないでしょ?」


「…………」


俺が何か言い返す前に、剣はさらに続けた。


「それより、あなたが私をあの石から引き抜いたんでしょ?


なのに、どうしてこんな乱暴に投げ捨てるのよ!」


俺は完全に混乱していた。


「ちょ、ちょっと待て!


お前が、あのダイヤモンドで飾られた豪華な剣だっていうのか?


冗談だろ! あの剣は、もっと大きくて、ずっと綺麗だったぞ!」


剣は不機嫌そうに答えた。


「こうなったのは、あなたのせいなんだからね!


私の姿は、私を石から引き抜いた人の性格に合わせて変化するの!


分かった!?」


俺は剣をじっと見つめた。


「……つまり、お前が言いたいのは、俺の考え方が子供っぽいってことか?」


「細かいことはどうでもいいの!」


剣は少し得意げに言った。


「まずは自己紹介ね。


私は偉大なる剣、リッカよ!」


俺はまったく感動しなかった。


「……なんだよ、その子供っぽい名前は。


もっと格好いい名前にすればよかったのに……例えば、アマテラスとか!」


「私の名前のどこが悪いのよ!?」


剣――リッカは怒ったように叫んだ。


俺は胸を張った。


「まあ、いい。俺の名前も教えておいてやろう。


俺は天野カイトだ。


よろしくな、可愛い剣ちゃん!」


リッカは突然、笑い出した。


「ちょっと! さっきまで私の名前をバカにしていたくせに!


あなたの名前だって、十分変じゃない!


変なカイト!」


「……なんだと?」


俺はだんだん腹が立ってきた。


だが、リッカは気にする様子もなく言った。


「まあまあ、そんなことはもういいじゃない。


これから私たちはパートナーなんだから!


お互いにケンカしたって、何の得にもならないでしょ?」


「……ちょっと待て。


俺たちがパートナーになったのは、いつだ!?」


「あなたが私を石から引き抜いたんだから、当然あなたが私のパートナーよ!」


「…………」


俺は彼女の言葉を無視し、洞窟の出口へ向かって歩き始めた。


「……もういい。そもそも、俺にはお前なんて必要ないからな」


すると、リッカが慌てて叫んだ。


「ちょ、ちょっと待って!


私を置いていかないでよ……お願いだから!」


……俺は、生まれて初めて剣が泣くところを見た。


俺は少し考えた。


(……でも、確かに俺は武器を持っていないんだよな)


(こいつを連れていくのも、悪くないか……)


俺はリッカを背中に背負った。


そして、そのまま洞窟を後にした。


◆ ◆ ◆


洞窟の外に出た俺は、広大な森を見渡した。


「……しかし、ずいぶん大きな森だな。


いったい、どっちへ行けばいいんだ?」


俺はリッカを背負ったまま、歩き始めた。


だが――


たった五十メートルほど進んだところで、体が限界を迎えた。


「……もう、無理だ」


俺はその場に座り込んだ。


すると、背中のリッカが尋ねてきた。


「えっ? もう疲れたの?」


俺は疲れ切った声で答えた。


「……体の中に、エネルギーが一滴も残っていない気がする」


俺はもう一度立ち上がろうとした。


どうにかこうにか歩き続け、ようやく舗装されていない道にたどり着いた。


だが、そこまでだった。


俺は再び倒れ、そのまま意識を失った。


それから、どれくらい時間が経ったのだろう。


再び目を覚ましたとき、俺は見知らぬ場所にいた。


いや……正確には、場所そのものが揺れていた。


「……ん? ここはどこだ?」


周囲を見回すと、そこは馬車の中だった。


目の前には、馬車を操る男が座っていた。


男は後ろを振り返り、俺に声をかけた。


「おっ、目が覚めたか。よかった。


道端で君を見つけたんだ。もしあの深い森の中に取り残されていたら、外へ出るのはかなり大変だっただろうな」


俺は慌てて頭を下げた。


「助けていただいて、本当にありがとうございます……!」


男は軽くうなずいた。


「礼なら俺じゃなくて、君の妹に言いな。


あの子がいなかったら、野生動物に食われていたかもしれないぞ」


「……え?」


俺は驚いて、自分の隣を見た。


そこには、一人の小さな少女が眠っていた。


淡い青色の髪。


青い服。


年齢は、十二歳くらいに見える。


俺は彼女の顔を見つめた。


そして、心の中でつぶやいた。


(……待てよ)


(この子……いったい誰なんだ?)


つづく……

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