↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
偽  作者: ????
PR
9/13

ありがとう

学校の会議室


ビケ「《嘘玉》」


 ビケの横には、腹から血を流して倒れる希。目の前には、ナイフを持った最強の偽「リース」


 ビケの手のひらに嘘が集まっていき、丸く固まってゆく。


 ビケは手を振り下ろす。嘘が固まった物が、リースに向かって勢いよく飛ぶ。


リース「はっ!ノロイ!!」


 リースは手のナイフを、嘘の固まった物に向ける。


 しかし…


「パリーンッ」


 ナイフが砕け散って、リースの右肩を嘘の固まった物が貫通した。


リース「っ!?」


リース(密度がヤバい…しかも、急に速さも変わって…)


 リースは壊れたナイフを捨てる。リースの肩の穴から、段々と嘘が漏れる。


ビケ「大した事ないな。まだ偽界の奴の方がマシだった」


 ビケはそう言って、自分のコピーを作る。その時、ビケのコピーは銃に変わる。その銃口を、リースに向けた。


ビケ「じゃあな」


「バンッ」


………フフッ


リース「まんまと、まだ騙されてるわね」


 会議室に、リースが立っている。そして、倒れているビケ。白い拳銃を構えて、銃口をリースに向ける希。そして、リースを睨むエイラ。


 そう。ビケは、まだ偽界の中だった。


 本当の状況。数時間前…


 リースが会議室に入ってきて、ビケの肩を叩く。そしてビケは、能力を食らった。そして、希の肩も叩き、希も倒れる。そして、ゾキョウが会議室を出て、紗奈を殺しにいく。しかし…


「バンッ」


 メアに敗北。メアはそのまま、スルビアとノシズを殺した。そしてエイラがリースに立ち向かうも、リースの「嘘縛」で動けない状況に。ここまでは、同じだ。


 ここから、ビケの今知っている現状とは違う。


「バンッ」


リース「!?」


 白い弾丸が、リースの肩を貫く。力が抜け、エイラはその内に「嘘縛」の縄を抜け、リースを睨みながら地面に着地した。


 リースは、ゆっくり後ろを振り返る。


リース「何で効いてないかなぁ〜??」


 リースの視界には、白い拳銃を持っている希が、立っていた。


希「ゾキョウが言ってましたよね。あなたが生き返った最強の偽って。最凶の偽の眷属に殺された直近の最強の偽はあなたです。だから、瞬時に対策をしました。あなたはビケの肩を触った。だから、私は肩に真実を集めた。そして触れられた瞬間、能力にかかったように、わざと倒れました。そして、集めていた真実で、あなたの能力で使った嘘を中和して、打ち消しました。」


 リースは舌打ちをして、ポケットからナイフを取り出す。


リース「随分と頭の回転が早いそうで〜。なら、次は目を回してもらいましょう」


 その瞬間、希の視界からリースが消える。希は焦って振り返ると、そこにはリースの姿。希はすぐ発砲しようとする。が、手に拳銃がない。リースも居ない。


リース「へ〜、これ真実で作られてんだ」


希「!?」


 希は左肩を浅く切られていて、目の前にはリース。その手には、自分の真実で作られた拳銃。


 そしてリースは、その拳銃を強く握って、壊そうとした。その時…


「ドゴッ」


 リースの腹を、エイラが思いっきり蹴った。リスは拳銃を落とし、エイラはその拳銃を希の方に蹴って、希はそれをキャッチする。


エイラ「私は味方だ。倒すよ」


希「は、はい」


 リースは倒れる。しかし、すぐに腹を抑えながら立ち上がった。


リース「殺してやるよ。眷属も、お前も」


 リースの周りから、薄い嘘が立ち昇った…


 その後、数時間の長期戦が始まった。そして…


 現在に至る


リース「しつこいなぁ…」


希「はぁ…はぁ…」


 希は息を切らしながらも、銃口をリースに向ける。エイラやリースは偽だ。嘘さえあれば、永遠に動くことができる。しかし、希は人間。限界が偽よりも近い。


希(ビケを…なんとか偽界の外に出せれば……ですが、方法はない…)


 エイラは、リースに手で殴りかかる。リースは両手で受け止め、少し後退りする。


リース「ほんと、能力知ってる奴は厄介ね。」


エイラ「あなたの嘘を、私の嘘でなかった事にしてるからね」


リース「でも、嘘を大量に消費する」


 リースは、ナイフを下から振り上げる。エイラは片目を切られ、そこから黒い嘘が漏れる。エイラは咄嗟に抑えるも、リースはエイラの腹をナイフで刺すを


エイラ「っ!」


リース「嘘切らして死ね。」


 リースは、勢いよくナイフを抜く。


リース(あ〜あ、《《私強すぎだ》》。このまま圧勝だ)


 その時、リースの表情が変わる。


リース「ガハッ!」


 リースは、急に倒れる。その時…


ビケ「よお、初対面だな」


 ビケが、微笑みながら立ち上がった。


 数分前 リースの偽界


ビケ「紗奈!!大丈夫か!!」


 ビケは、慌てて教室に入る。そこには、紗奈が立っていた。


紗奈?「あ!ビケ!!」


 紗奈は、ビケに駆け寄る。この時ビケは、ここがまだリースの偽界の中とは、気づいていなかった。


偽紗奈「ば〜かっ」


 偽物の紗奈は、ビケにナイフを突き刺す。


ビケ「!?」


偽紗奈「あはは!!さっきよりもリアルでしょ〜」


 紗奈はナイフから手を離し、一回転してビケを見る。ビケは、冷や汗をかく。


ビケ「まじかよ…まさか、まだリースの偽界か?ここ」


 ビケはそう言って、下の方を指差す。


偽紗奈「正解。ぜ〜んぶ、夢だよ」


 そう言われると、ビケは少し、微笑んだ。


ビケ「ハハッ…まんまと騙された」


 ビケは両手を挙げ、紗奈の方に近づく。


ビケ「質問する。ここから俺は、出れるか?」


偽紗奈「出れるわけないじゃん。そういう能力だよ?」


 するとビケは、ため息をついた。そして、教室の床に手をつける。


ビケ「は〜。こう言うの、俺らしくないんだけど。」


 その時、偽紗奈は思わず倒れる。何か、押さえつけられるような強い圧力。


偽紗奈(な、なに!?)


ビケ「もう偽界ごと、粉々にしてやる。強行突破だ。《ゲル》」


 その瞬間、偽界にヒビが入る。そして、偽界は崩れ落ちる。


ビケ(瓶縫医から教わった。偽界は言葉の力で作られた、現実とは違う偽物の空間。作り物の空間だから、壊せない事はない。)


 そしてビケは、瞬きを一つした。その瞬間、目の前に映ったのは、会議室の机。


ビケ(ハハッ。大成功)


 そして、現在に至る。


リース(偽界が壊された!?!?何をされたの…)


 リースは、残りの嘘を使って偽界が壊れた事を嘘にする。そして、何とか生き残った。


リース「お前…」


ビケ「ごめんね〜w俺、意外と脳筋なんだわ」


 すると、希はホッとしたのか、床に膝をついた。


希「すいません。ちょっと疲れちゃいました」


ビケ「耐えてくれてサンキュー。エイラ、紗奈を助けに行ってくれ。リースの足止めは任せろ」


 エイラは机を飛び越え、会議室を飛び出る。リースは、不思議と動けない。いや…


リース(動けない??)


 ビケは、微笑みながらリースに近づく。


ビケ「俺のコピーだ。お前には、色々聞かなきゃいけない」


リース「…思い通りに言って、たまるかよ」


 その瞬間、ビケの胸から腹にかけて、切り裂かれる。リースは、ナイフを振り切る。


 ビケのコピーも、切り裂かれ消えてゆく。


希「え…」


 リースは一瞬で希に接近し、ナイフの刃を希の首に向ける。


ビケ(一瞬でコピーと俺を切り裂きやがった…速すぎる…)

 

リース「ナイフの扱いは、得意なの。」


 リースは、ナイフを希に向かって振り下ろす。希は転がりながら避け、すぐに真実を口から霧のように出し、銃を作る。その銃口を、リースに素早く向け、発砲した。


 しかし…


「ガキッ」


希「!?」


 リースは、ナイフで白い銃弾を弾く。そして、目線を希の方に向ける。


希「私の方が、上手《うわて》みたい」


 その瞬間、希の目の前は真っ赤になる。いつの間にか、自分の首に深い切り傷が入っていて、そこから大量の血が吹き出す。希は、そのまま倒れてしまった。


希「ガハッ」


ビケ「希!!」


 すると、ビケの視界がボヤける。リースのナイフで斬られたところから、大量の嘘が漏れる。それが原因だ。


ビケ(くっそ!形勢逆転かよ…)


 ビケは動けず、その場に膝をつく。


希(もう…ムリです…)


 希はそう心から思った。そして、目を閉じようとした…


「ごめんね、希」


 その時、声が聞こえた。希は、咄嗟に顔を上げる。


 その目の前には、1人の少女が居た。


希「木…花??」


木花「ごめん。私が死んだから…紗奈を背負わせる感じになって…ごめん…」


 木花はそう言って、うつむく。


希「…ほんとにね。結構な重荷だった…でも、木花を恨んだ事はない。むしろ、恩返しがしたかった…だから、紗奈を守ってる。まあ、普通に人を守りたいだけなのかも知れないけど」


 すると、希は立ち上がる。目の前に居るのは、ナイフを持ってるリースだけ。希は、斬られた首を抑えながら、言った。


希「死ねないよね。勝手に守ろうとして、守らず死ぬのは、無礼すぎ。」


 希の首から白い霧のようなものが漂う。そしていつの間にか、首の傷は消えていた。


希(真実はもう無い。基本的に、私はもう直接倒す事はできない)


 すると、希はリースに向かって走り出す。リースはニヤけて、希をナイフで刺すために構える。


リース(バカね。自分で死にに来た)


 リースは、ナイフを思いっきり突き刺す。そのナイフは、希の腹に深く突き刺さる。その時、少しリースの体の周りから、黒い霧が立ち上る。


希「っ!!」


 希の顔色は変わる。冷や汗をかき、だんだんと顔が青くなる。それでも…


「ガシッ」


リース「!?」


 希は、リースのナイフを持っている方の手を、強く掴んで離さない。そして、ナイフをより深く刺す。


リース「おま…離せ!!」


希「……」


 希の意識は、失いかけていた。視界が狭くなり、力が抜ける。


希(だめだ…離すな…)


 その時、ビケが立ち上がる。その瞬間、部屋一体が暗くなる。そして、ビケの所だけが灰色に光っていた。


ビケ「希、ありがとう」


 そう言われた途端、希の力が完全に抜けた。リースは慌てて、ナイフを抜いて動こうとした。


…が、ナイフは希の腹に深く刺さり、中々抜けない。


リース「クソ!!」


ビケ「《嘘拳》!!」


 リースの顔面を、ビケは思いっきり殴った。リースはナイフから手を離し、倒れる。そして、ビケは倒れるリースに、もう一撃入れた。


リース「ガッ!!」


 リースの額から、嘘が漏れる。ビケはリースの首を強く掴んで、冷たい目で言った。


ビケ「終わりだリース。」


リース「っ…」


 リースは必死に暴れる。しかし、ビケの手は離れない。


ビケ「リース。お前の偽界で出会った希は、お前が創り出した奴だろ。」


リース「っ…それが?どうしたって言うの…」


ビケ「お前は、何で俺に言った。最強の偽の能力…弱点を。」


リース「…」


ビケ「お前から、嘘が漏れている。希を刺すときも、何かに抵抗していた。なぜだ」


リース「…」


ビケ「言わないと、殺すぞ。お前の大切な人も」


リース「!?」


ビケ「嘘にも種類がある。お前から漏れていた嘘は、脅されの嘘。脅されて、俺ら…紗奈を殺しに来たんだろ」


リース「……そうよ。」


 リースの言葉に、嘘は無かった。


9日前 リース死亡日


リース「…!?」


 リースは、自分の偽界の中心部で目を覚ました。そして、1人のメガネをかけた老人が、階段を上がってきた。


リース「リーダー…」


 それは、最強の偽のリーダー「エブガ」だった。


エブガ「わしの能力で、お前を生き返らせた。眷属の襲撃じゃろ」


リース「はい…《《黒い刀を持った眷属》》に、呆気なく…」


エブガ「お前に任務だ。ゾキョウとエイラの居る学校に行け」


リース「え?なんで…」


エブガ「情報で、ビケと言う偽が、眷属…永瀬紗奈を護衛してるらしい。最悪の場合、あの2人じゃ負ける。じゃから、全最強の偽で、紗奈を殺す」


リース「ゾキョウより弱い私が?」


エブガ「お前にはナイフ技術がある。」


リース「でも私…殺しはしたくな…」


エブガ「妹を殺すぞ。」


 エブガの目は、冷たかった。逆らったら、本当に殺す気だ。


リース「分かりました…」


 現在に戻る


リース「紗奈を殺さないと、妹が殺される…だから、その手を離して!!」


ビケ「…俺にとって、紗奈は大切な人だ。だから、他人の妹を、気にしてる暇はない」


リース「っ…」


 リースの表情は怒りに変わる。しかし、ビケの表情は変わらない。



リース「…なら、リーダーを殺してよ」


ビケ「…なるほど。だから、能力を教えたのか。妹を少しでも守るために、俺らにリーダーを殺させて、妹を守る。」


リース「そうよ。でも、リーダーにはある企みがあるの。その企みが、《偽の全体消滅》。私達…妹も含める偽を、全滅させるのが、リーダーの企み」


ビケ「…は?なに言ってんだ?なんで偽がそんな事…」


リース「知らないわよ!!でも…だから私の妹も軽い気持ちで殺される危険がある。だから、従うしかない」


ビケ「……」


 ビケは、リースから手を離す。そして、リースは勢いよく立ち上がり、ビケに殴りかかろうとした。


ビケ「《コピー》」


 ビケの視線は、リースから外れる。そしてリースは、床から出てきた嘘でできたシャチ…ビケのコピーで作られたシャチに飲み込まれ、そのまま死んで行った…


ビケ「リースの言葉に嘘がない…どういう事だよ…偽の消滅って…」


 その瞬間、ビケはハッとする。そして、倒れる希に近寄り、嘘を使って傷を治そうとする。しかし…


ビケ「おい…おい!!!」


 傷が…治らない。


ビケ「おい…嘘だろ…なんで治らな…」


 その時、瓶縫医が死んだ時の事を思い出す。


真のお姉さん「ビケさん。言葉の力にも、限界はあります。生物の生死までは、変えることはできないのです。」


 この言葉を思い出した途端、ビケは希を床にゆっくり置いて、会議室の机を、思いっきり殴り飛ばした。


「ガンッ!!」


ビケ「っ……まただ…」


 白い空間。終わりがないただ白い空間に、希と木花の姿はあった。


希「ごめん…結局死んじゃった…」


 希はそう言って、苦笑いをする。すると、木花は希に抱きつく。


木花「いいよ。今まで、紗奈を守ってくれて…ありがとう…」


 希と木花の目から、涙が溢れる。


希「…どういたしまして……」


 その頃、学校の外


 エイラが、学校の外へ出てゆく紗奈の背中を追いかける。


エイラ「紗奈!無事だった…」


 その時、エイラは血の気が引いた。紗奈の気配。だか、それよりも強い…眷属の気配。


メア「な〜ぁに?エイラ」


 紗奈は振り返る。その目は、黒く染まっていて、顔はニヤけている。


エイラ「まさか…」


メア「安心して。完全には乗っ取ってないから」


 メアはゆっくり、大股でエイラに近づいて、エイラの目の前まで来た。


メア「でも、ごめんね。君も邪魔になりそうだから、殺さないと」


 その時、エイラはふと自分のお腹辺りを見る。そして、視界に入ったのは…


エイラ「え…」


 お腹には大穴が空いていて、そこから嘘が大量に漏れる。


メア「バイバイ」


 エイラはその場で倒れ、消えてゆく。メアはエイラに背を向け、再び歩き出す。


メア「そろそろ、始めないとね。最凶の偽様の、封印解除」


 そして、ある偽の偽界


「バキッ」


 嘘の塊が、1人のメガネをかけた老人によって破壊される。そして老人は、階段を下ってゆく。


エブガ「さて。偽を、消滅させるとしよう。もう、時間がないようじゃ」


 最強の偽のリーダー エブガが動き出す…



 第1章「最強の偽 襲撃編」終わり


次回予告


エブガ「わしは、最強の偽じゃ」


 最強の偽リーダー《エブガ》襲来


ビケ「さ…な??」


メア「は〜い。なに?」


 紗奈が、乗っ取られる???


ビケ「破壊願望か…」


メア「私達は封印を解きに行くから」


 そして…


ビケ「おい、なんだよジジイ…」


エブガ「では、始めるとしよう。」


「偽」第10話へ続く…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。