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偽  作者: ????
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7/13

偽界睡眠①

2032年4月1日 朝


紗奈「ふぁ〜」


 紗奈は、あくびをしながら学校に向かう道を歩く。今日は、一人だった。


紗奈(咏羅、今日休みなのかな?)


 紗奈は教室に入る。そこにも、咏羅の姿は無い。


ビケ「お、紗奈おはよ〜」


紗奈「おはようビケ!」


 ビケは後ろを振り返る。紗奈はゆっくりと、自分の席に座る。


ビケ「今日はまだエイラ来てねえな。」


紗奈「そうなんだよ〜、休みかなぁ〜?」


 そう話していると、ビケは急にゾッとした。


ビケ(うわ〜…)


 ビケは後ろを振り返らなくても分かった。自分に嫉妬と殺意の目を向けられている事。


男子達「不倶戴天 意趣遺恨 不倶戴天意趣…(ブツブツ)」


ビケ(普通に会話すりゃいいだろ。)


 ビケはそう思いながら、ある事を考えていた。


ビケ(…何か抜けている様な……気のせいか??)


 ビケは、朝からずっと悩んでいた。何かがおかしい。


ビケ「まあ、気のせいだよな。」


 …ブブッ


2032年4月14日


?「…フフッ。作戦成功ね」


 学校の会議室に、ビケと希が倒れている。そして、エイラが青ざめながら会議室の窓側の壁によしかかる。その視界には、ゾキョウと、一人の少女が映っていた。


エイラ「何でここに居るの…リース!!」


 少女は、最強の偽の内の一体「リース」


リース「あんたが裏切って、ゾキョウも負けたから来たんでしょう。まあ、生き返らされた身が言うのもなんだけどね」


 すると、エイラはハッとする。


エイラ(まずい。ビケが能力を食らってる!!隣の子は知らないけど…とにかく、紗奈を守らないと)


リース「それでゾキョウ、眷属は?」


ゾキョウ「殺したんだけど、また生き返らされた。偽造したのによ〜」


 その時、ゾキョウはエイラに会議室の外まで蹴り飛ばされる。扉は壊れ、リースは冷静にエイラに向けて手を伸ばす。


エイラ「っ!!」


 エイラはリースの手を交わした。ゾキョウは、ゆっくりと立ち上がる。


ゾキョウ「いっって〜。」


リース「あんたは眷属殺しに行って。足止めは任せてよ」


 エイラは冷や汗をかく。


エイラ「行かせるか!!」


 エイラがリースに向かって走り出す。リースは、ゆっくりと目を瞑る。


リース「《嘘縛(うそばく)》」


 その時、黒色の糸が現れ、エイラの手足と首を縛りつけた。


エイラ「ガッ……」


リース「殺すよ?裏切り者」


 その頃、ゾキョウ


ゾキョウ(確か教室だよな。まあ楽勝だ。素手でも倒せる)


 ゾキョウは、2年B教室に入る。そこには、呆然と立っている紗奈が居た。


紗奈「あ!教頭先生」


ゾキョウ「永瀬さん。ちょっと大事な話があるので、いいですか?」


紗奈「?はい…」


 ゾキョウは、ゆっくりと紗奈に近づく。


ゾキョウ「すみません。」


 ゾキョウは、拳を丸める。そこからは、黒い湯気がでる。


ゾキョウ「《嘘拳》」


 リースの能力は「偽睡」。触れた相手の意識を自分の偽界の中に閉じ込める事ができる。その偽界内は、自由に編集できる。背景、時間、その人の記憶。


 ビケや希は、リースの偽界内に居た。


 数分前


ビケ「は?」


 ビケの肩を、リースが触れる。その瞬間、ビケは倒れた。


希「!?」


 希は焦って振り返る。そして、リースは希の肩を「トンッ」と叩いた。希もそのまま、倒れてしまった。


 そして、ビケの意識はリースの偽界で目を覚ます。


リースの偽界の時間設定 2032年4月1日


 時は、現在に戻る。


ビケ「紗奈、記憶あるか?」


紗奈「え?」


 ビケは放課後、紗奈を残らせた。そして、ビケは自分自身が疑問になっている事を聞いた。


ビケ「俺は、ゾキョウを倒す寸前までいった。」


紗奈「え!?そうなの!?」


ビケ「説明すると、紗奈はゾキョウに能力で殺された。そして、俺はもう一人の真…仲間と協力して、ゾキョウの動きを封じ、紗奈を生き返らせた。そこまでは覚えている」


紗奈「そこまで??」


ビケ「いや…なんか思い出せなくて。昨日、俺は本当に学校に帰ったのかなって……」


紗奈「気のせいじゃない?私もよく、昨日の夕飯を忘れる事がある!!」


 紗奈が胸を張ってそう言うと、ビケは少し笑った。


ビケ「ハハッ…そうだな。ごめんな時間もらって。」


紗奈「いいよ!気にしてないから。じゃ、また明日!」


ビケ「うん……」


 紗奈がバックを持って、教室を出る。


ビケ「……」


 ビケは、生徒会室に向かう。その途中、チラッと職員室を見ると、教頭先生…ゾキョウの姿は無かった。


「コンコンコン」


希「入っていいですよ」


 ビケは、生徒会室に入った。そこには、資料をまとめている希が居た。


ビケ「なあ、違和感感じないか?」


希「…ゾキョウを倒した後の記憶がありません。」


 すると、ビケは安心した様に、少し息を吐いた。


ビケ「よかったぁ〜、俺だけじゃなかったか」


希「もしかしたら、私達は死んだかも知れませんね。」


ビケ「え?」


希「この状況は、最強の偽が作り出した状況だと言って良いと思います。問題は、何をされたか。」


ビケ「俺は最強の偽の能力については知らんぞ。資料読むのめんどくさいから」


希「はぁ。残ってる偽はリーダー、リース、スルビア、ノシズ、ゾキョウ、エイラ。貴方が能力を知らないのがリーダー、リース、スルビア、ノシズ」


ビケ「そうだな。」


希「じゃあ今から言うので、覚えといてください。」


ビケ「ゲッ。そんな無茶n」


希「覚えて下さい」


ビケ「はい…」


 ビケは小さくため息をついた。そして、希が話し出す。


希「まず、最強の偽のリーダー…いや、名前は「ジルガ」ですね。ジルガの能力は《偽時(ぎとき)》、手で触れた物体、生物の時間を自由に調節できます。例えば、人に触れて、千年その人の時間を進めて殺す事もできますし、逆に赤ちゃんより前に戻して、存在を消す事ができます。」


ビケ「うわ、えげつな。」


希「次にリースの能力は《偽睡(ぎすい)》。触れた対象の生物を、自分の偽界に閉じ込める事ができます。そして、リース自身は偽界を思った様に自由自在に作り変える事ができます。後、触れられた相手の記憶も、変える事ができます。」


ビケ「なるほど…」


希「次に、スルビアの能力は《偽形》。自分自身を思った様に変える事ができます。ただし、一定の時間が過ぎると元に戻ります。」


ビケ「これまでと比べるとしょぼそうだな。」


希「いえ、そんな事はないと思われます。自分自身を一定時間超強化されたら…」


ビケ「なるほどな。偽の能力はチート揃いって事だ」


 ビケは生徒会室の回る椅子に座り、くるりと回る。


希「最後にノシズ。ノシズの能力は《偽憶(ぎおく)》。視界に4秒間入った生物の頭の中に、誤った情報を入れる事ができます。その情報は、ノシズが自由自在に決める事ができますね」


 ビケは腕を組み、少しうつむく。そして、顔を上げる。


ビケ「こう考えると…やっぱり俺らは能力にやられた可能性が高いな」


 ビケは、ゆっくりと椅子から立ち上がる。


ビケ「一つは、さっき希が言ってた通り、俺らは殺されている。ここは既に天国か地獄説。二つ目は、リースかノシズの能力にやられた説。リースの場合は、ここはリースの偽界。俺らはいつの間にか触れられていた。ノシズの場合は、これはノシズが俺らの脳に流し込んだ偽物の情報を見ている説だ。」


 希も椅子から立ち上がって、カレンダーを指差す。そして、今日の日付を指差す。


希「リースの能力は、とにかく嘘を消費します。」


ビケ「?それがどうした?」


希「偽界に閉じ込められた意識がついた嘘も、リースの嘘の塊の一部になります。そして、今日は世界で一番嘘がつかれる日です。」


 4月1日…それは、エイプリルフール


希「日本では、今は一学期です。そして、4月から学校が始まり、入学式は今日のはずです。」


ビケ「…今日は、そんな特別な行事はなかったな。確かに日程的には、今日が新学期…なのに、昨日学校で授業を受けた記憶がある。色々おかしいな」


希「100%とは言いませんが…これはリースの能力を食らった可能性が高いでしょう」


ビケ「同感だ。この世界の時間を4月1日にして、嘘をつかせて能力を保つ作戦か。」


 ビケは両手を上げ、体を伸ばした。


ビケ「オッケー分かった。繋がったな。違和感も無くなった。あるのは確信だ」


 すると、ビケは生徒会室の床に右手をつける。


希「ビケ??」


 ビケはうつむいて、目を閉じる。そして、数分が


ビケ「…嘘の塊、見つけたぞ」


 ビケはそう言って、目を開け、顔を上げた。


 その頃、現実


 ゾキョウと紗奈が教室に居て、ゾキョウが攻撃をする構えをとる。


ゾキョウ「《嘘拳》」


 紗奈に、ゾキョウの黒い手が迫る。その時…


「ガシッ」


ゾキョウ「は??」


 ゾキョウの手は、紗奈に片手で止められた。そして、紗奈の目が黒く光る。


紗奈?「…ハハハッ。私に挑むか?」


 紗奈はニヤついて、ゾキョウの方を黒い目で見た…


次回予告


ビケ「俺なりに、いい事気がついたな」


 リースの偽界の脱出を試みるビケ達。その時、現実では…


メア「《嘘操作》」


 メアVS最強の偽


ビケ「お前…」


「偽」第8話へ続く…

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