希
ゾキョウ「君は眷属…紗奈を守ろうとする。死んでもらうよ?」
学校の会議室、ゾキョウは椅子から立ち上がり、椅子に座ったまま動けないビケに近づき、目の前でノートをひらつかせる。
ビケ(動けよ体!!クソ…このままじゃ、殺される)
ゾキョウ「油断したら終わりだからね。さっさと済ませよう」
ゾキョウは、胸ポケットから黒いペンを取り出す。そして、ノートの白紙のページを開く。
ゾキョウ「まあ遺言くらい残すよ。誰に、どう残したい?」
その時、ビケの表情が変わる。何かを感じ取ったようで、ビケは微笑む。
ビケ「…教頭先生よぉ〜……ちょっと爪が甘かったんじゃないのか??」
その瞬間、会議室に誰かが入って来た。そして、ゾキョウを蹴り飛ばし、ノートを奪い取る。ゾキョウは、会議室の床に倒れる。
ゾキョウ「は…ぁ??」
ゾキョウの視界には…2年C教室学級委員長の希がゾキョウのノートと、一つの消しゴムを持って立っていた。
希「全く。私が奇襲に失敗したらどうしたつもりでしたか?ビケ」
ビケ「作戦通りにいったから良いだろ?」
ビケはそう言って、ゾキョウを見る。
ビケ「希、早く」
希「はい。」
希は、手に持っていた消しゴムで、ノートに書いてあった言葉を消す。
《ビケが動けなくなる》
すると、ビケは椅子から立ち上がる。
ビケ「《コピー》」
時は、六日前に遡る
ビケは、雷蔵からの電話に出ていた。
雷蔵「最強の偽が、その学校に居る」
ビケ「は??」
雷蔵「数日前、死にかけの最強の偽と遭遇したんだ。そして、その最強の偽は、《この町の学校に、最強の偽が2体居る。》と言って死んだ。」
ビケ「あの話か…でも、なんでそうバラしたんかな?」
雷蔵「詳しい事は分からない。だが、そいつの言っている事に嘘は無かったらしい。だから、最強の偽が学校に居ることは事実だ」
ビケ「で、倒せと」
雷蔵「いや、紗奈の護衛だ。危害を加えてきたら倒して良いが、あいつ…瓶縫医の方針があるからな。なるべく殺すな」
ビケ「分かった。でも、一人でか?」
雷蔵「その学校には、紗奈を守る為の真が一人居る。小学校、中学校とずっと守ってもらっていた真だ。」
ビケ「あ〜、希か。…《《あいつ》》の幼馴染でしたっけ」
雷蔵「そうだ…希と協力して、紗奈を守れ。瓶縫医に託されているからな」
ビケ「分かってる。」
そしてビケは、学校に転校してきた。
ビケ「東京から引っ越してきました。これからよろしくお願いします。日圭です」
ビケはそう言って、クラスメイトに向かってお辞儀をする。
ビケ(同じクラスに一体か…咏羅だっけな。もう一体は、何処かな)
休み時間、ビケは隣のC教室に入る。
ビケ「すみませ〜ん。希さん居ますか?」
その時、椅子に座って読書していた学級委員長の希が立ち上がる。
希「私です」
ビケ「ちょっといい?」
ビケは、廊下の端っこで希と話す。
ビケ「俺がビケだ。話は聞いてるな?」
希「はい。」
ビケ「偽が誰か気づいているな。」
希「一体だけです。もう一体は分かりません」
ビケ「俺もだ。その一体は、咏羅だよな」
希「はい…」
ビケ「じゃ、情報入ったら連絡する。」
希「分かりました。」
そして、咏羅からもう一体の最強の偽について話してもらった日。ビケはエイラと紗奈を学校から見送った後、生徒会室に向かった。そして、ノックを3回して、入る。
ビケ「情報、手に入ったぜ」
ビケは、ゾキョウについて話した。そして、希は考える。
希「厄介な能力ですね…」
ビケ「襲撃されたら終わり…と言いたいところだが、消しゴムを無くしてるらしい。だから、見つかったら俺に届けてくれ。」
希「分かりました…でも、私生徒会の仕事で、朝休みか放課後しか時間が空いてないんですよ。届けられなかった場合は…」
ビケ「まあ…ゾキョウが襲撃してきて、俺も紗奈もエイラも死んだ時、俺は死ぬ前に何かしらの隙をつくる。だから、その間にノートを奪ってくれ」
希「そんな無茶な…」
ビケ「無茶苦茶で悪いな。俺は《《野生人》》なんでね」
そして、希はビケが帰った後、学校中を探し回る。
希(ビケの話だと、その消しゴムは嘘で作られている。嘘の気配を辿れば…)
しかし、消しゴムは見つからない。
希「なんでぇ…」
希は諦めて、下校する。その下校中、希はハッとした。
希「この溝から…」
車道の、水の乾き切った溝を希は見る。そこには、嘘漂う消しゴムが落ちていた。
希(あった!)
次の日、朝休みの時間帯に、希はビケの居るはずのB教室に入る。しかし、ビケの姿はない。
希(最悪だ。居ない)
ビケは体育館裏で取り調べ中でした。※紗奈についての
そして放課後後…
希「え…」
希は、教室で倒れている紗奈を発見した。
希(死んでる…クソ!!実行されたか!!)
希は、学校を走り回る。そして、会議室の前で足を止める。
希
そして、希は会議室の扉を開ける。
希「っ!!」
希はゾキョウの腹を蹴り、ノートを奪い取る。
希「全く。私が奇襲に失敗したらどうしたつもりでしたか?ビケ」
時は、現在に戻る。
ゾキョウは、会議室の床に正座の状態で、ビケを見上げる。ビケの透明コピーで、その体勢にさせられているのだ。ビケは、ゾキョウのノートのページを、ペラペラめくっている。そして、
ビケ「お!ここか」
ビケは、希からゾキョウの消しゴムを貰う。そして、そのページの言葉を消した。
《永瀬紗奈が、今日死ぬ》
《エイラが気を失う》
ゾキョウ「チッ」
ビケ「どぉだ動けない気分は。俺の透明コピーの力、強いだろ」
ビケは、ゾキョウのノートをビリビリに破って、投げ捨てる。
ゾキョウ「!?」
ビケ「悪いな。俺らはもう油断の怖さを知った。」
ビケはゾキョウの前にしゃがみ込む。そして、鋭い目で言った。
ビケ「お前らの仲間も、紗奈を殺しに来るよな」
ゾキョウ「仲間?何を…」
ビケ「最強の偽の事だ。ボケんじゃねえぞ。」
ビケは立ち上がって、ゾキョウに向かって言う。
ビケ「後何体いる。最強の偽は。紗奈を殺そうとしている最強の偽は!!」
ゾキョウ「…まず俺、そしてリーダー、リース、スルビア、ノシズの5人だ」
ビケ「…最近、最強の偽が1体死んでるよな。エイラは自分含め6体と言ってた。誰が死んでる」
ゾキョウ「あぁ…もう生き返ってると思うよ」
その時、ビケの肩を誰かが叩く。
ビケ「!?」
そこからは、偽の気配がした。
ゾキョウ「ほらな」
ゾキョウはそう言って、ニヤけた…
ビケ「…ふぁぁ〜」
ビケは、真が手配した宿で目を覚ます。
ビケ「……なんか、変だな」
ビケはベットから降りて、学校へ行く支度をする。
ビケ「…気のせいか。」
…ブブッ
2032年4月1日
次回予告
日付は、4月1日
ビケ「お、紗奈おはよ〜」
紗奈「おはようビケ!」
普通の日…ではなかったようだ
希「もしかしたら、私達は死んだのかも知れませんね。」
ここは、現実ではない
紗奈?「…ハハハッ。私に挑むか?」
「偽」第7話は続く…




