自分勝手
エブガ「なんと…自分勝手じゃのう」
ここは死後の世界。そこにはビケと、この時代の最強の偽が集結していた。
ビケ「自分勝手だぁ?そうかも知れない…でも、人が1人……いや、偽人災害を起こされたら、日本壊滅、全員死ぬぞ」
その時、エブガの顔色が変わった。
エブガ「偽人災害…じゃと??」
ビケ「言ってなかったか?…紗奈の中の偽…最凶の偽の眷属、メアの目的は、最凶の偽の封印解除と、偽人災害だ」
エブガ「な!?」
するとエブガは少し考え始める。そして、ぶつぶつ少し言った後、何かを決意した。
エブガ「…分かった。こうなると、話は別じゃな。」
ビケ「!!…つまり、生き返って…」
エブガ「メア本体を殺す。」
ビケ「……は?」
ビケは、思わず声を出した。
ビケ「メア本体って…まさか、紗奈の事か?」
エブガは頷いて言った。
エブガ「奴は、もう紗奈の一体化しておるんじゃろ?」
ビケ「つまり、紗奈を殺せって事か!!!?」
エブガ「そうじゃ。それがどうした?」
すると、ビケはエブガに向けて力任せに殴りかかる。その瞬間…
ノシズ「《偽憶》」
ビケは、急に倒れて動けなくなる。
ビケ(なっ!?)
ノシズ「俺の能力で、動けないようにしてやった。《自分が動けない》って言う偽の記憶を流し込んだからな。」
ビケ(クソ…こいつの能力の 《偽憶》…厄介だな…)
ビケ「てめぇら……おい、エブガ!!」
エブガ「わしの計画を、邪魔するな。」
エブガはそう言って、歩き出した。
ビケ「っ!!……おいお前…俺に嘘ついてんだろ!!」
その時、エブガは足を止める。
エブガ「……やはり、バレておったか。」
エブガは杖をつきながら、ゆっくりとビケに近寄る。
ビケ「偽を消滅させたいのは、自分達が辛いだけか?…お前の…偽を消滅させたい、本当の目的は、なんだよ」
エブガ「……これは、わしの過去の話じゃよ…」
9年前
わしは、ある爺さんの偽として生まれた。
爺さん「はて…?お主は、誰かのう…」
その爺さんは、認知症でのう。実際にしたことを忘れ、していないと言うことも、嘘に反映され、わしは生まれた。
エブガ「わしは、お主の嘘から生まれた存在じゃ。」
爺さん「うそ…?わしゃあ…嘘なんぞつかん。」
その一言一言が、わしを強くしてしまった。偽は、嘘があればあるほどやれる事が増える。
ただ、わしは強さに興味が無かった。目的も、野望も、何もない…
ただ、本能が、爺さんの意識を取り込もうとするだけだった。
爺さん「それでのう…あのババアは言ったんじゃ…」
何故か、わしは本能に逆らっていた。嘘が増えていくと、自我を持つことができた。その自我が、本能を殺していた。
エブガ(わしは何故…こんなにも本能から抗っていのじゃ…)
わしは、この爺さんの話を聞くのが好きじゃった。知らない事を知るのが、好きじゃった。
じゃからわしは、意識を取り込まず、ずっと話を聞いてやっていたんだと…
じゃが、人は死ぬ。
爺さん「わしゃあ…もう限界じゃのう……」
偽界の中心。エブガの嘘の塊に座って、腰を曲げた爺さんは、しんどそうに言った。
爺さん「さて……そろそろ、お主からも話を、聞かせてもらおうかの〜…お主は、本当は何者じゃ。」
エブガ「…わしゃ、偽物のお主じゃ。わしは、お前を取り込むために、ここにおる。」
爺さん「そうかい…。」
爺さんはそう言うと、急に倒れた。
エブガ「っ!……」
消えてゆく意識…死んだと悟った。
その時、本能が蘇ってしまった。わしはその消えてゆく意識を、ゆっくりと取り込んだ…
看護師「あ…あ!!!意識が戻りました!!磯さんの意識が戻りました!!」
その爺さんの名前は、「磯」だったらしい。わしは、磯爺さんの意識を取り込んだ。
そして、退院した。その後は…
何も、ない
楽しみも
目的も
エブガ(わしは…)
何がしたかったんじゃ?
エブガ「磯爺さんは言っておった。この地球は、良いところじゃと。それなのに、わしらは…邪魔なんじゃよ。人を不幸にしかできない。」
ビケ「…地球にいる人間に害のある偽を消滅させて、爺さんの言っていた素晴らしき地球を守ろうってわけか。」
エブガ「そういう事じゃ。ここに居る最強の偽は、それに承諾してくれた」
その言葉に、少しの嘘があった。「承諾してくれた」と言った瞬間に、嘘が漏れた。
エイラのリースの腕が、震えている。
ビケ(最低でも、あの2人は脅しだな…)
ビケ「…自分勝手はお互い様だな。お前も私情を、偽に押し付けてんじゃん。」
その時、倒れて動けないビケの目の前に、杖が力強く床に突き刺さる。
エブガ「わしの言ってる事の、何が間違いじゃ。地球を守ろうとして、何が悪い」
ビケ「……俺にも、俺の私情があんだよ」
その時、ビケが立ち上がる。
ノシズ「は!?なんで動け…」
ビケ「お前の嘘を分解して、俺自信の嘘と融合させ無効化した。最凶の偽がお得意の技かな」
ビケはゆっくりとリーダーに近づき、睨みながら言った。
ビケ「お前が紗奈を殺すって言うんなら、お前を黙らすしかない。」
エブガ「ほう…それなら、私情と私情のぶつけ合いじゃな。お主は紗奈を生かしたい。わしは手っ取り早くするため紗奈を殺したい。」
ビケ「お前は言っても、聞かないって事は分かった。だから、力技だ」
すると、ビケはハッと気がつく。
スルビア「《偽形》」
スルビアはビケの数十倍の大きさになり、ビケを蹴り飛ばした。
ビケ「っ!!」
エブガ「わしには、仲間がおるんじゃよ。同じ1人で、わしをねじ伏せる事はできるかのう?」
ビケはすぐに手を地面につけ、勢いを殺す。そして、起き上がった。
ビケ「…そうか。なら、俺も1人じゃない」
その時、エブガは反射的に動いて、エイラの蹴りを両手で止めた。
エイラ「チッ!!」
エブガ「なるほどな…もう完全に、あっち側か」
その時、エブガは強くエイラの足を握りつぶそうとする。エイラはもがくも、エブガの手が離れない。
エイラ(クッソ…)
エイラ「このジジイ!!」
その時、エイラの横を何かが通り過ぎる。その数コンマ後、エブガの力が緩んだ。
エブガ「ガハッ!」
ビケ「《嘘拳》」
エブガはそのまま、少し遠くまで飛ばされた。エイラは立ち直し、フーっと一息。
ビケ「さて、反撃しようか。」
すると、スルビアの大きな足が、ビケとエイラに向かって振り下ろされる。
エイラ(ヤバっ!避けられない!)
しかし、ビケは余裕の笑みを浮かべていた。
ビケ「《コピー》」
編集内容 通常の力、身長、体重30倍
スルビア「ガフっ!」
ビケの巨大コピーが、スルビアを殴り飛ばした。
ゾキョウ「なっ!?」
その時、リースがゾキョウの腕を掴み、そのままゾキョウを床に叩きつけた。
エイラ「リース!?」
リース「別に、あんたらの仲間になるわけじゃない。少しでも妹守ってくれそうな方の手伝いをするだけ。」
すると、ノシズの視線にエイラとリースは気がついたら。ノシズに3秒見られると、能力を発動させられる。が…
エイラ&リース「こっち見んな変態が!!」
ノシズ「グヘッ!」
エイラとリースのダブル顔面パンチによって、あっさりダウン。
ビケは、起き上がろうとするエブガに、手のひらを向けながら近づいてゆく。
ビケ「で?どうする気だ。エブガ」
エブガ「っ………」
エブガは、まだ争う準備をしていた。
エブガ(スローモーションにすれば、一撃は与えられる。今が1番、隙がある!)
エブガ「《偽時》」
ビケ「っ!!」
しかし、エブガは青ざめた。そして、ビケはハッとする。
「騒がしいと思ったら…お主か。」
上からゆっくりと降りてくる少年。それは…
ビケ「か、管理者!!」




