バリアの検証
アレンは、自分が覚えたバリアの強度を確かめることにした。
「まずは……これだな」
アレンは少し離れたところにバリアを展開する。
「ファイア!」
炎が勢いよくバリアへと飛んでいく。
ゴォォォッ!
炎がバリアを包み込む。
しばらくして炎が消える。
「……平気だ」
バリアには傷一つついていない。
「じゃあ、次!」
アレンは今度は石の弾丸を作る。
「ストーンバレット!」
石の弾丸がバリアへ飛んでいく。
ガンッ!
石は弾かれて地面に転がった。
「これも大丈夫か……」
アレンはバリアを見ながら考える。
「これなら……アイアンゴーレムにも勝てるかも」
そう思ったアレンは、アイアンゴーレムに挑んでみることにした。
ゴーレムを見つけると、アレンはすぐに魔法を放つ。
「ストーンバレット!」
石の弾丸がゴーレムに当たる。
「もう一回!」
「ストーンバレット!」
もう一発。
しかし、ゴーレムはほとんど気にした様子もない。
「……あれ?」
次の瞬間、ゴーレムが動いた。
「うわっ!」
ゴォンッ!
反撃を受けたアレンは慌てて逃げる。
「無理! これは無理!」
バリアなら攻撃を防げると思った。
けれど、自分の攻撃ではほとんどダメージを与えられない。
これでは勝てない。
アレンはそう判断すると、そのまま村へと逃げ帰った。
――その後。
アレンは畑でカレンとリサに話していた。
「村の近くには、そんなに強い魔物は出ないんだって」
「じゃあ、だいじょうぶ?」
カレンがアレンを見る。
「うん。でも、もし魔物に襲われたら困るだろ?」
「うん」
「だから、自分で自分を守れる魔法を覚えたほうがいいと思う」
「魔法、教えてくれるの?」
リサが嬉しそうに聞く。
「うん。カレンにはライトシールド。リサにはウォーターウォールを教える」
「ライトシールド!」
カレンが目を輝かせる。
「うん。光の盾を作る魔法だ」
アレンが教えた通りに、カレンが魔力を集める。
「ライトシールド!」
すると、カレンの前に光が集まり、盾の形になった。
「できた!」
「……え?」
アレンが驚く。
「もうできたの?」
「うん!」
カレンは嬉しそうに光の盾を眺めている。
「すごいな……」
ライトシールドは消費魔力が少ない。
しかもカレンは魔力量が多い。
それに光属性との相性もいい。
そのため、カレンはあっという間にライトシールドを覚えてしまった。
「じゃあ、次はリサだ」
「うん!」
リサはアレンの説明を聞きながら、水を集める。
「ウォーターウォール!」
水が集まり、壁になろうとする。
けれど――。
べちゃっ。
「あ……」
水が地面に落ちた。
「もう一回!」
「うん!」
リサはもう一度挑戦する。
「ウォーターウォール!」
今度は水が少しだけ大きな塊になった。
「おっ、今度はできてる」
「ほんと?」
「うん。でも、もっと大きくしてみて」
「わかった!」
リサは頑張って魔力を込める。
しかし、ウォーターウォールはライトシールドよりも消費魔力が多い。
まだ魔法に慣れていないリサには、なかなか難しい。
「ウォーターウォール!」
何度目かの挑戦。
水が集まる。
「できた……!」
「そのまま、動かさないで――」
「もう……むりぃ!」
パシャァン!
「うわっ!」
水の壁が一気に弾けた。
バシャバシャッ!
「きゃっ!」
「わっ!」
三人まとめて水をかぶる。
アレンも、リサも、カレンも全身びしょ濡れになった。
「…………」
「…………」
「…………」
三人とも黙って顔を見合わせる。
やがて、リサが自分の濡れた服を見た。
「……びしょびしょ」
「ほんとだ」
カレンも髪から落ちる水を見ている。
アレンはため息をついた。
「……今日はもう終わりにしよう」
「うん……」
リサが頷く。
「お風呂入りたい」
カレンがぽつりと言う。
「そうだな」
アレンも笑う。
「今日は三人でお風呂に入って帰るか」
「うん!」
「お風呂!」
三人は水浸しのまま顔を見合わせ、笑った。
防御魔法の練習は、最後にとんでもない失敗になってしまった。
それでも三人は仲良くお風呂に入り、その日の練習を終えるのだった。




