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魔法学校から始まる空白世界の黒VS空白  作者: Stiid2001
空白退治任務発生!

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空白退治任務その2 湊の守るで、ルナが泣く。

空気が、重い。街の奥から、次々と“気配”が湧き上がる。

一体、二体じゃない。十――いや、それ以上。それがどれだけ多いか。

「……やばいな、これ」

音無シンが舌打ちする。イライラが、隠せないようだ。いや、それ以上かも知れない。

「さっきのより弱い個体だけど……数が多すぎる」

 楓は無言で前に出る。重力が落ちる。だが、範囲が広すぎる。広すぎて、抑えられない。

「……全部は、抑えきれない」

短い言葉。つまり。漏れる。それが自分達に対しの自信なさげにもなってしまう。イライラしながら言う。

「私が前に出る!」

 ルナが一歩踏み出す。

 だが、その腕を掴まれた。

「待て」

 神代湊だった。それが自分に対しの自信だった。無表情。だが、その声には微かな“圧”がある。

「……俺がやる」

「でも――」

「効率がいい」

 それだけだった。それが自分に対し自信に繋がるのだろう。感情はない。

ただの判断しかなかったしかし、それには、理由わけが分がありそうだ。

だが。ルナは、一瞬言葉を失う。その目。昨日よりも、さらに“遠い”。

人間じゃない何かに近づいている。なんだろう?でも人間だった。立ってる。

「……無理しないで」

 絞り出すように言う。だが。

湊は、答えなかった。ただ前に出る。

その背中が―もう、戻らない場所へ進んでいるように見えた

「……来るぞ。」

シンの声と同時に。空白たちが、一斉に動いた。四方から迫る。逃げ場はない。

だが。湊は、動かない。ただ。立っている。そして、黒が、溢れた。

今までとは比べ物にならない量、地面を覆い、建物を飲み込み、空間を侵食する。

「おいおい……範囲おかしいだろ」

シンが苦笑する。

だが、その顔には緊張が浮かんでいる。

「……止める準備、必要」

楓が静かに言う。それは、湊とのためでもあった。

すでに理解している。これは、敵だけじゃない。

“味方も巻き込む”その瞬間。湊が、一歩踏み出した。

ドン、と世界が揺れる。黒が、一気に広がる。

波のように。押し潰すように。空白たちへと流れ込む。

触れた瞬間。消える。一体、二体、三体、止まらない。

「……強すぎる」

ルナが呟く。確かに、圧倒している。だが、

「……違う」

楓の声が、わずかに低くなる。それは、意味あることだった。

「これ……削ってる」

「何を?」

シンが聞く。不思議そうに、聞いた。何を削っているのか?

 楓は、短く答えた。

「……周囲ごと」

 その言葉の意味を理解するより早く。

ピシ、と音がした。足元。地面に亀裂が走る。いや――

消えている。空白と同じ現象。それが起きてしまった。

「……嘘でしょ」

ルナの声が震える。すごくドキドキしています。

湊の黒が触れた場所が、“世界ごと削れている”敵も、街も。

全部、消えてしまった。みんなが怖かったと、感じてしまった。

「おい、止めろ!!」

シンが叫ぶ。だが。湊は止まらない。いやー止まれない。

 黒が、さらに膨れ上がる。

 視界を覆う。空を飲み込む。

 そして。その中心で。湊の姿が、揺らいだ。

「……っ」

ルナの心臓が跳ねる。何かが、おかしい。

次の瞬間。湊の目が、こちらを向いた。

だが。そこにあったのは――

“認識”ですらなかった。ただの対象。9Umm

敵か味方かすら区別しない、無機質な視線。

「……やばい」おおおおお

シンの声が、低くなる。悲しかったか気持ちがよく分からない。

「こいつ、完全に“外れてる”」

黒が、こちらへ向いた

 ゆっくりと、確実にこちらを向いた気がした。

「湊!!」

ルナが叫ぶ。それは、とても、嬉しかったようだ。

しかし、届かない。わかっていても、叫ぶ。

「戻ってきて!!」

一歩、踏み出す。怖いでも。それでも。

止めないと。このままじゃ。全部が――

その時。黒が、動いた。一直線に、ルナへ。

「っ!!」

シンが割り込む。圧縮で弾く。

だが。威力が違う。

「ぐっ……!」

 吹き飛ばされる。楓が重力で押さえ込む。

それでも―止まらない。その瞬間。

 ルナは、走った。黒の中へ、

「……待って」

 黒の中へ。真正面から入って行った。

「やめろ!!」

シンの叫び。届かない。ルナは、止まらない。そして、

湊の前に、立った。手を伸ばす。震えている。それでも。

「……湊」

名前を呼ぶ、何度でも、何度でも。その瞬間。

黒が、止まった。

ほんの一瞬。時間が、止まったように。

湊の目が、わずかに揺れる。何かが、引っかかる、深い奥で。

消えかけていた何かが。その隙に。楓が、重力を最大まで落とした。

「―止まれ」

 空間ごと押さえつける。シンが、圧縮を重ねる。

「寝てろ、バケモン!」

そして。黒が、一気に崩れた。収束し、消えていく。

静寂。その場に、湊が、崩れ落ちた。

「……はぁ……はぁ……」

ルナは、その場に膝をついた。手が、震えている。

怖かった。本当に。でも、まだ、終わってない。

ゆっくりと。湊の顔を見る、目は閉じている。

意識はない。それでも。小さく、呟いた。

「……ま、も……る……」

かすかな声で、ルナのために言った。

消えかけの意識の中で。それでも、残っていた言葉。

ルナの目から、涙がこぼれた。まだ。完全には、消えていない。

――戻せる。そう、信じるしかなかった。

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