助っ人誕生!その名 音無シンと楓!そして新しい謎チーム誕生!
黒が、地面を這う。
神代湊の足元から広がるそれは、生き物のようにうねりながら、迫り来る空白へと絡みついていく。
触れた瞬間。 “削れる”。 存在そのものが、少しずつ。
「……効いてる」
白峰ルナは、息を呑んだ。完全には消せない。でも確実に、押し返している。
――でも。それでも、何か、凄いきがした。
「湊……やめて……」
その力を使うたびに。
湊の体の“黒”が、広がっている。
腕だけじゃない。
首元まで、じわじわと侵食している。
このままじゃ――
「止まるな」
低い声が、横から飛んだ。
管理局の男だ。
「今は押し返すことを優先しろ」
冷静な判断。
だが、それは同時に――湊を“消耗品”として見ているということでもある。
「そんなの……!」
反論しようとした、その時、――空気が変わった。
「はぁ……間に合った、って感じ?」
軽い声。だがその声の奥に、張り詰めた何かがある。 振り向くと、校門の上に一人の少年が立っていた。
風に揺れる長いコート。無造作に結ばれた髪。
「ったく、朝からこれとか最悪だな」
気だるそうに言いながらも、その目は鋭い。
「……誰?」
ルナが呟く。少年は、軽く手を振った。
「助っ人。って言えばわかる?」
次の瞬間。彼の足元から、“音”が弾けた。
バン、と空気が爆ぜる。
見えない衝撃が、一直線に空白を吹き飛ばした。
「なっ……!?」
ルナが目を見開く。
触れていない。
なのに、空白が削れている。
「感情、圧縮型」
管理局の男が呟く。
「……珍しいタイプだな」
少年は肩をすくめた。
「どうも。音無シンっていう」
そのまま地面に飛び降りる。
軽く着地。
「よろしく……って状況じゃないか」
笑う
黒が、地面を這う。
神代湊の足元から広がるそれは、生き物のようにうねりながら、迫り来る空白へと絡みついていく。
触れた瞬間。
“削れる”。
存在そのものが、少しずつ。
「……効いてる」
白峰ルナは、息を呑んだ。
完全には消せない。
でも確実に、押し返している。
――でも。
「湊……やめて……」
その力を使うたびに。
湊の体の“黒”が、広がっている。
腕だけじゃない。
首元まで、じわじわと侵食している。
このままじゃ――
「止まるな」
低い声が、横から飛んだ。
管理局の男だ。
「今は押し返すことを優先しろ」
冷静な判断。
だが、それは同時に――
湊を“消耗品”として見ているということでもある。
「そんなの……!」
反論しようとした、その時、―空気が変わった。
「はぁ……間に合った、って感じ?」
軽い声。
だがその声の奥に、張り詰めた何かがある。
振り向くと、校門の上に一人の少年が立っていた。
風に揺れる長いコート。無造作に結ばれた髪
「ったく、朝からこれとか最悪だな」
気だるそうに言いながらも、その目は鋭い。
「……誰?」
ルナが呟く、少年は、軽く手を振った。
「助っ人。って言えばわかる?」
次の瞬間。彼の足元から、“音”が弾けた。
バン、と空気が爆ぜる。見えない衝撃が、一直線に空白を吹き飛ばした。
「なっ……!?」
ルナが目を見開く。触れていない。
なのに、空白が削れている。
「感情、圧縮型」
管理局の男が呟く。
「……珍しいタイプだな」
少年は肩をすくめた。
「どうも。音無シンっていう」
そのまま地面に飛び降りる。軽く着地。
「よろしく……って状況じゃないか」
笑い、よろしくを言うようだった。
でもその笑いは、どこか空虚だった。
「ま、壊れる前に終わらせよ」
音無シンが、軽く指を鳴らす。
次の瞬間。
空気音無シンが、軽く指を鳴らす。
次の瞬間。
空気が“潰れた”。
見えない圧力が、空白たちを押し込む。
地面がひび割れ、周囲の瓦礫が浮き上がる。
「っ……!」
ルナは息を呑んだ。
強い。
明らかに、今までの生徒とはレベルが違う。
だが。
「……効きが浅いな」
シンは、つまらなそうに呟く。
押し込んではいる。
だが“削りきれない”。
空白は、ゆっくりと立ち上がる。
「やっぱ相性悪いか」
その時だった。
ズン、と地面が重く沈む。
「――下がれ」
低く、重い声。
振り向くと、一人の少女が立っていた。
長い黒髪。
無表情。
だが、その周囲だけ空気が違う。
“重い”。
「遅い」
シンが軽く手を振る。
「お前も呼ばれてたのか、カエデ」
少女――楓は、無言で前に出た。そして、空白を、見た、その瞬間。
空気が、沈んだ。まるで重力が増したように、すべてが下へ引かれる。空白の動きが、鈍る。
「……縛る」
短く呟く。次の瞬間、見えない“重さ”が、空白たちを地面に叩きつけた。
動けない。完全に押さえ込まれている。それは、ルナに対し驚きを隠せない。
「すご……」
ルナが思わず声を漏らす。驚くことにしか、集中できなかった
「重力操作型」
管理局の男が低く言う。
「これで――」
その時。ピシ、と音がした。
「……?」
楓の足元。地面に、亀裂が走る。いや――
重さに耐えきれず、“空間”が軋んでいる。
「……限界」
楓の声が、わずかに揺れる。
長くは持たない。その瞬間。
「――なら、まとめて消す」
黒が、動いた。神代湊。
ゆっくりと、前へ出る。
その姿は、もう完全に異質だった。
右腕から肩まで、黒が侵食している。
瞳は、暗いまま。だが。迷いはない。
「おいおい……」
シンが苦笑する。
「そいつ、マジでヤバいやつじゃね?」
「……止めるべき」
楓が呟く。だが。ルナは、動かなかった。
動けなかった。止めたい。でも。今、止めたら。
――全員、死ぬ。
「……湊」
小さく、名前を呼ぶ。
届かないとわかっていても、その瞬間、黒が、収束した。
今までで最大の密度。空気が、歪む。間そのものが、軋む。
「……排除」
小さな声。そして。黒が、解き放たれた。一直線に、空白たちへ。
重力に縛られたまま、逃げ場はない。直撃。音はない。ただ。
“消える”。空白たちの存在が、次々と削られていく。
「……っ」
楓が、膝をつく。限界。だが、そのおかげで―すべての空白が、消えた。
完全に。静寂。戦いは、終わった。だが。
「……やりすぎだろ」
シンの声が、低くなる。
湊の体。
黒が、さらに広がっていた。胸元まで侵食している。
そして。その場に、崩れ落ちた。
「湊!!」
ルナが駆け寄る。抱き起こす。だが。反応が、弱い。
「……これ、まずいな」
シンが呟く。
「こいつ……“戻ってこれない側”に行きかけてる」
「……限界を超えている」
楓も静かに言う。
管理局の男が、一歩前に出る。
「確保する」
その一言で、空気が変わる。
「待って!!」
ルナが叫ぶ。
「この人は――」
「兵器だ」
男は遮る。
「もはや人間ではない」
その言葉に。
ルナの中で、何かが決まった
「……違う」
小さく、呟く。そして。 顔を上げる。
「この人は――私の仲間だ!」
はっきりと、言い切った。一瞬の沈黙。
シンが、ニヤッと笑う。
「いいね、それ」
肩をすくめる。
「俺も乗るわ。そのチーム」
楓も、静かに頷いた。
「……同意」
短く。だが、確かな意思。
管理局の男は、無言で三人を見た。
そして。小さく息を吐く。
「……監視付きだ」
それが、妥協だった。
こうして。 最悪で、不完全で、それでも確かに戦える“チーム”が、生まれた。
―崩れかけた世界の中で。




