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魔法学校から始まる空白世界の黒VS空白  作者: Stiid2001
雨降男(うふお)との戦い!

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16/17

雨降男に勝てなくて、湊以外のチーム逃げる。

勝てない。最初の一撃で、理解していた。

それでも。

「―いくぞ!!」

音無シンが叫ぶ。

圧縮を最大までの、空間が歪むほどの密度。それを――叩き込む。直撃、だが。

零式は、動かない、ただ、そこにいる。すべてが無効になる。

「……はは、マジかよ」

乾いた笑い。次の瞬間。

シンの体が、吹き飛んだ。

「ぐっ……!」

何をされたか、わからない。

存在を弾かれた、そのレベル。

「シン!」

ルナが叫ぶ。だが。次は自分だった。

視界が、歪む。足元が、消える。

「……っ!」

落ちる。だが、その瞬間、重力が引き戻した「……まだ」

楓が、歯を食いしばる。限界。

それでも、止めない。

「……守る」

その言葉。だが、零式が、一歩踏み出した。

それだけで、重力が、崩壊した。

「……っ!」

楓の膝が崩れる。完全に、上書きされる。

力の格が違いすぎる、力が、違った。

「終わりだ」

誰かが呟く。否定できない現実。

その時。ルナが、立ち上がった。

「……まだ」

震える足、それでも。

「終わってない」

顔を上げる。雨降男を、見る。怖い。

勝てない、全部わかってる。それでも。

「……絶対に」

その瞬間。光が、揺れた。今までと違う。

暴走でも、制御でもない。もっと深い。

内側から、溢れる光。凄い力だった。

「――守る!!」

爆発、視界が白に染まる。空気が震える。

世界が、押し返される、初めて。

雨降男の体が、わずかに揺れた。

「……っ!?」

シンが目を見開く。

「効いてる……?」

信じられない。

だが。

確かに、干渉している。

「……解析不能」

雨降男が、初めて言葉を変えた。

その一瞬。ルナの光が、雨降男に届く。

押し込む、ほんの一瞬、だが、確かに、届いた。

「……やった……」

ルナが、息を吐く。だが。その体が、揺れた。

「……あ」

力が、抜ける。

崩れ落ちる。

「ルナ!!」

シンが叫ぶ。だが、遅い。

完全に、力を使い切っている。

その瞬間。雨降男が、再び動いた。今度は、確実に。終わらせるために。

「……排除」

その時。影が、割り込んだ。

黒。神代湊だった。無言で。

ルナの前に立つ。

「……どけ」

雨降男が言う。だが。湊は、動かない。

その背中には、完全に、決まっていた。

「……残す」

もう一度。選ぶ。その瞬間。雨降男の攻撃が、放たれた。

回避不能、防御不能、直撃。黒が、弾ける「……っ!!」

湊の体が、大きく揺れる。だが。

倒れない。踏みとどまる。そのかわり、

黒が、一気に侵食した。胸、首、

顔の半分まで、侵入してしまった。

「……やばい…… 」

シンが呟く。これは。戻れないライン。「……撤退だ」

楓が、低く言う。即断。

「今は、勝てない」

それが現実、シンも、歯を食いしばる。

「……チッ、わかってるよ」

悔しい……、でも、死ぬよりはマシだ。

「ルナ、運ぶぞ!」

崩れたルナを抱える。

楓が、重力で全員を引き寄せる。

「湊!!」

ルナが、かすれた声で呼ぶ。

意識が飛びかけている。それでも。

その名前だけは、離さない。一瞬。

湊の動きが止まる。振り向く。

その目は―もうほとんど黒に沈んでいる。それでも。ほんのわずかに、残っていた。

「……行け」

小さく、呟く。それが、最後の理性だった。

「……っ!!」

シンが叫ぶ、そして。楓の重力が、爆発的に働く。

一瞬で距離を取る。撤退。

その場に残るのは、神代湊と、雨降男。

二人だけ。

「……確認」

雨降男が、静かに言う。

「対象、進行中」

その言葉の意味は。

明らかだった。

湊は、ゆっくりと顔を上げる。その目は―ほとんど、別のものになっていた。

それでも、かすかに、残っている。

揺れている、壊れながら、それでも。

“選び続けている”その姿を見て。

雨降男は、わずかに興味を深めた。

「……観測、継続」

その一言で。戦いは、まだ終わらないと告げられた。

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