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魔法学校から始まる空白世界の黒VS空白  作者: Stiid2001
空白の事実

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11/17

管理局の二人の男の会話

夜。管理局本部――地下深層。そこは、誰も立ち入ることのない区域だった。厳重なロック。

幾重にも重なる認証。そのすべてを通過した先に。一つの部屋がある。明かりは、最低限。

中央に、巨大なスクリーン。そこに映し出されているのは―神代湊。戦闘記録。黒の力。

空白との接触。すべてが、解析されている。それが気になっている男がいた。

「……やはり、興味深い」

男が、静かに呟いた。椅子に深く座り、指を組んでいる。その顔は、影に隠れて見えない。

「成功でも失敗でもない」

淡々とした声。それも、気になる男だった。でも、その顔は、見えない。

「“例外”か」

  その時、背後の扉が、静かに開いた。

「報告します」

入ってきたのは、あの管理局の男だった。現場で指揮をしていた人物。

「対象・神代湊、安定していません」

簡潔な報告だが、自分は、とても怖かった。

「暴走の兆候あり。周囲への影響も拡大しています」


「当然だ」

椅子の男は、興味なさそうに答える。それがつまらないように。

「むしろ、それでこそ意味がある」 

一瞬、空気が張り詰める。現場の男は、わずかに眉をひそめた。

「……確認します」 

慎重な声で話す、現場の、人。安心は、してない様子。

「あなたは、本当に“空白”を止めるつもりがあるのですか」

沈黙、数秒、やがて、小さく、笑い声が漏れた。

「面白い質問だな」

ゆっくりと、椅子の男が立ち上がる。

影の中から、顔がわずかに見える。冷たい目。

感情の薄い、観察者の視線。

「止める?」

その言葉を、繰り返す。それが自分に対しどれだけの、不安が、あっただろう。

「なぜ、そんな必要がある」 

その一言で。すべてが変わった。世界が変わるかのように。

「……どういう意味です」

現場の男の声が、低くなる。だが、返ってきたのは、あまりにも軽い答えだった。

「進化だ」

静かに、確信を持って。自信満々に、言う。

「人間という不完全な存在が、次の段階へ進むための」

背筋が、冷える。ドキドキしてきてしまった。

「感情という欠陥を捨てた存在」

空白。あれは“敵”ではない。と言っても過言ではないでしょうと言うようだ。

「完成形だ」

 その言葉に。現場の男は、言葉を失った。

「……あなたは」

やっと絞り出す。まるで危険な人物なように。

「何をしようとしている」

その問いには、直ぐかえってきた。

男は、少しだけ楽しそうに答えた。

「観察だ」

あまりにも単純な答えに、現場の人間も、驚くことになった。

「どこまで壊れ、どこまで残るのか」

スクリーンに映る湊を見る。そして、考えてます。

「そして」

わずかに、口角が上がる。

「どちらが“上”に行くのか」

 空白か。それとも。あの少年か。

「……狂っている」

現場の男が呟く。だが。その言葉に、反応はない。

「感情的だな」

ただ、それだけ。それしか言わなかった。

「だからこそ、価値がある」

理解できない。理解したくもない。だが。この男が。

この管理局の“上”にいる限り、すべては、この意志の上で動いている。

「……一つ、提案があります」

現場の男が、静かに言った。

「対象・神代湊の隔離を強化すべきです」

「理由は?」

「このままでは、制御不能になります」

正論。だが。椅子の男は、首を横に振った。

「不要だ」

即答だった。

「むしろ、自由にさせろ」

その言葉に、わずかな怒りが滲む。

「観測は、自然状態でこそ意味がある」

つまり。止める気は、ない。

「……了解しました」

現場の男は、短く答えた。それ以上は言わない。言っても、意味がない。

だが。心の奥で、何かが確かに変わった。

命令には従う。だが。それだけでは、終わらない。

「下がっていい」

冷たい声。男は、無言で部屋を出た。悔しかった。

扉が閉まる。再び、静寂。スクリーンには、湊の姿。

黒の力。揺らぐ存在。それが、すごく気になる。

「さて」 

椅子の男が、静かに呟く。それは湊にとって一番ムカつくことだった。

「どこまで壊れる」

その声には―期待だけがあった。しかし男は、無感情だった。






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