バグ1
更新が遅くなりすみません・・
ここから高等部編が始まります。
こんにちわ、私、シンシーリア・レバートリーと言います。
まぁ確かに私はシンシーリア・レバートリーですが今の体は元は私のものではありませんでした。
私の前世での名前は高橋果奈といい、普通の大学生でした。
ある日、道路を渡っているとトラックとぶつかり帰らない人となり、目が覚めた時には私が大好きだった乙女ゲームの世界に転生していました。
二度目の人生、この世界では不幸なまま人生を終わらせず幸せに生きてやろうと思っているのに、なんと私が転生してしまったのは乙女ゲームの中で悪役令嬢であるシンシーリア・レバートリーであったのだ。
シンシーリア・レバートリーは乙女ゲームのヒロインをどのルートでもいじめ抜くため、3人の攻略相手のうち2人のパートでは殺されてしまうのだ!
シンシーリア・レバートリーの人生が死と分かっているのにのんびりと他人が敷いているレールを歩いているわけにはいかず、乙女ゲームが始まる一年前から転生できた私はあらゆる努力をした。
なんとこの世界にはホワイトローズ聖騎士団という女性だけで編成された騎士団があり、もしものために逃亡できるよう体を鍛えながら憧れである聖騎士団に入るため、親友ともいえるリリアン・バルトラに日々鍛えてもらった。
そしてシンシーリア・レバートリーの婚約者であり乙女ゲームの婚約者であるカイニス・アルファランスと婚約を破棄しようと企てた。
カイニスのパートのみ、シンシーリア・レバートリーは最悪の結末である死から逃れることが出来る。
そのため私としてはどうしても主人公にはカイニスと結ばれてほしいのだ。カイニスの事はかっこいいと思うがそんな理由だけで私の二度目の人生を壊されたくないため乙女ゲームが始まる前に婚約を破棄しようとするもカイニスはなぜかそれを断った。
一年というのはあっという間でその間、沢山の経験が出来た私は無事に念願のホワイトローズ聖騎士団に入ることが出来たが、婚約者という邪魔なポジションのまま乙女ゲームが始まる高等部へ入学するのであった。
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こんにちわ、私、シンシーリア・レバートリーと言います。二度目ですね。
さて私は今、朝早くから起きて草むらの中に一人でひっそりと隠れています。
今日は学校の入学式。
私が通う学校は中等部からそのままエスカレートしてくる人と、新しく学校に入学してくる人たちがいます。
その新しく入学してくる人たちの中に乙女ゲームの主人公が入学してくるのです。
私は早く主人公の顔が見たくて昨日はまともに眠れず、いち早く起きて入学式が始まる前に行われるイベントを盗み見ようと草むらに隠れているのです。
主人公が一番最初に会う攻略相手はシンシーリア・レバートリーの婚約者、カイニスである。
まぁべたな展開ですが主人公が木に登って降りれなくなった猫を助けに木を登ったところで自分も足を滑らせてしまい下にいたカイニスが助けるのだ。
もうすぐ主人公がこの近くを通るはずだから私もそのイベントを見ようと待ち構えているのである。
自分が死にそうな物語であるもののやはり大好きなゲームだったのでそれを目の当たりに出来るというのは胸を高まらせる。
その時、私は集中して主人公を来るのを待っていたため人が近づいてくるのに気づかなかったのだ。
「こんなところで何しているんだ?」
「あ、カイニス様、おはようございます。ちょっと待っててください、もうすぐで見たいシーンが見れるので。」
「そうか、分かった。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・なんでここにいるんですか?」
私は遅れて本来ここにいるはずではないカイニスに問いかける。
カイニスはこの一年間で少し身長も伸び大人の顔つきになるも相変わらずため息が出るほどのイケメンに育ち、そんな整った顔をこちらに向けながら話しかけてくる。
「入学式だからあなたと一緒に登校したくて門で待っていたのにもう出たと聞いたからな。探していたんだ。」
「じゃなくてなんでここにいるんですかっ!」
「?あなたがここにいるからだ。」
乙女ゲームを知らないカイニスに私の言っている意図など分かるはずがない。
しかしここは乙女ゲームの世界であなたは本来ここにいるのではなく主人公と出会うためにあそこの木の下に行け、なんて言えるはずもなく、もどかしくて百面相しているとカイニスがあることに気づく。
「隊服、似合っているな」
「あ、本当ですか!ありがとうございます~!いやぁ、実はまだこれ着慣れていなくて不安だったんですよね、リリィや聖騎士団長みたいにこの隊服が似合う女性になりたいです。」
冬休みに私は精霊姫であるチェリートと契約を結んだことで膨大な魔力を得ることが出来た。
しかし精霊姫と契約を交わした者をどの国も欲しがるため、それを理由に戦争が勃発してしまう恐れがあるのだ。それだけでなく世界が終焉の危機に陥った際、私は英雄という名の生贄にされてしまうとのことだった。
私のせいで戦争が起きるのも生贄になるのも絶対御免のため、精霊姫と契約を交わしたというのは隠して、高位精霊と契約を交わしたと噂を上書きすることにした。
噂はシンシーリア・レバートリーの父親であるマルーンイーグル聖騎士団団長のシューデン・レバートリーとホワイトローズ聖騎士団団長のルノーアルア・コメロットとそしてカイニスの父親でありこの国の宰相を務めているアーノルド・アルファランス公爵のおかげで噂がより良く広まってくれた。
そして各国がそれでも私を巡り戦争を起こそうものなら自分は先頭に立って戦うという意思表示をあらわすためホワイトローズ聖騎士団に入団したのだ。
しかし私はまだ学生のため今はまだ見習い騎士としてホワイトローズ聖騎士団に肩書を入れ、正式に入れるのは学校を卒業した後になる。
念願のホワイトローズ聖騎士団に入ることが出来た私はカイニスに見せびらかすように隊服を見せる。
真っ白なスーツの左胸には団を表す白いバラの胸章をつけ、この世界の女性では珍しいパンツをはいてひざ下まであるブーツで身を整える。
髪は邪魔だったので後ろで一つにまとめ、シンシーリアの象徴でもある赤い髪がよく映えた。
「すでによく似合っているぞ」
「いやいや、私はまだ隊服に着せられているって感じですね、ルノーアルア聖騎士団長を見たことがありますか?とても立派で凛々しく、まるで女神のような・・・ってそんな話してる場合じゃないっ!」
カイニスが褒めてくれたから私も浮かれて話し込んでしまいつい主人公から目を離してしまった。
みると何やら一本の木がガサゴソと動いている。
すでに主人公が木を登っていたのだ。あの高さから落ちたら普通の女性なら足を怪我してしまうはずだ。
しかし本来助けてくれるはずのカイニスは今ここにいる。
主人公を助けてくれる人間がいないのだ。
私は急いであの木の方に向かって走る。チェリートと契約を交わしたおかげで身体能力も上がり、走るスピードも速くなった。
「きゃっ!」
木の上から可愛らしい悲鳴が聞こえ、一人の女の子が舞い降りてくる。
私は無我夢中で走りぎりぎりのところでその女の子を受け止めることが出来たのだ。
そして私は初めて主人公の顔を見ることが出来た。
空色の大きな瞳にふわふわの金色の髪、まるでお人形みたいな女の子であった。
女の子は腕の中にしっかりと猫を抱いて自分を助けた私を見つめてくる。
「あ、あなたは・・・」
「・・・あっ、大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」
一瞬主人公の顔に夢中になってしまったため声をかけるのが遅れた。
無事に受け止められることは出来たがしかしたら木の上でケガをしてしまったかもしれないため私はそう問いかける。
「はい・・・あっ、すみません!私!」
ずっとお姫様抱っこされていたのに気づいた女の子は頬を赤らめる。
そんな姿も可愛らしく、彼女は本当に守りたくなるような、主人公のような女の子であった。
私はゆっくり彼女を地面におろして真正面から見つめ微笑みかける。
「あなたがご無事で何よりです。私はシンシーリア・レバートリーと申します。」
「こちらこそ助けていただいてありがとうございます!私はシュレーン・タニトルと申します。あ、あのシンシーリア様!」
乙女ゲームの主人公であるシュレーンが可愛い顔をこちらにグイッと近寄せてくる。
「私の事覚えていませんか?」
シュレーンが何を言っているのか分からなかった。
シンシーリアとシュレーンは実はゲームが始まる前から知り合いだったということなのか。そんな情報をどうしてゲームでは教えてくれないのかと思ったがどうやら違うようだ。
「以前、建国祭のお祭りの時、シンシーリア様が私を助けてくださいました。」
「あぁ!あの時の!」
思い出した。
建国祭でカイニス達とはぐれてしまった時、一人の女の子が悪いやからに襲われそうになったところを私が助けたのだ。
可愛い女の子だったのは覚えていたがまさかあの助けた女の子が主人公だったとは思いもしなかった。
本来のシンシーリアであれば町のお祭りなど行くはずがない。これは私だったがゆえに起きた偶然だったのだ。
「あの後は無事に帰れましたか?」
「はい、あの時はちゃんとお礼が言えなかったのでまた会いたいと思っておりました。シンシーリア様はホワイトローズ聖騎士団の方なのですね、強かった理由がわかりました。」
「いえ、シュレーン様が最後の1人の男をやっつけてくれたから助かったのですよ、私こそありがとうございます。」
主人公はとてもいい子でニコニコとこちらに笑いかけてくれるため私もつい笑顔になってしまう。
そんな私と主人公のいいムードが流れているところでそれを邪魔する声が入ってくる。
「シンシア」
本来は私のポジションをやるはずのカイニスが近寄ってくる。
ちょっとシチュエーションは変わってしまったが主人公と攻略相手の1人との初対面である!
「体は大丈夫か?」
「はい、もちろん私は大丈夫ですよ?」
しかしカイニスは主人公のシュレーンには見向きもせずこちらの心配をしてくる。
そして睨みつけるようにシュレーンを見る。
「あまり危ないことをするな」
「あ、はい・・・ごめんなさい。」
カイニスに怒られたシュレーンは落ち込んで肩を落とす。
私はそんな二人をみて全くいいムードでないのが分かった。
「ま、まぁまぁカイニス様!シュレーン様は困っていた猫を助けただけなのでそんなこと言わないでください!あ!もうすぐで入学式が始まってしまいますね!シュレーン様、猫はひとまず私がどうにかしますので先に式場にむかってください!」
「で、でも」
「私ならすぐに向かえるので気にしないでください!」
シュレーンはまだ何か言いたそうにしてたが入学早々遅刻なんてしたら悪目立ちしてしまうため、私は遠慮なく行ってもらうことにした。
ペコリと行儀良くお辞儀して去っていくシュレーンに手を振り姿が見えなくなると軽く息を吐く。
そしてカイニスの方を向く。
「可愛らしい方でしたね、」
「そうか?あなたの方が可愛いぞ」
さらっと褒めてくるカイニスに私は笑って流す。
「またまたぁ、そんな事わざわざ言わなくても大丈夫ですよ」
カイニスは今の出来事でシュレーンに恋まではいかなくても興味は湧いてるはずだ。
だが婚約者の手前そんなこと言えるはずもなく誤魔化しているだけに違いない。
「あんなに可愛らしい方でしたのにカイニス様ちょっと冷たすぎる言い方ではありませんでしたか?
木から落ちて心配なのもわかりますがあれだと誤解されてしまいますよ」
「別に心配などしていない。むしろそれを助けたあなたに心配している。本当にどこも痛くないか?」
カイニスは至って真面目に話している。
いったいどういうことだと訳がわからないながらもカイニスに問いただす。
「…彼女みてどう思いましたか?」
「別に何とも思わなかった。しかし見たことない顔だったからきっと高等部からの入学生なのだろう」
「え?カイニス様って人の顔覚えられるタイプですか?」
「あなたは私をどういう風に思ってるんだ・・・」
主人公にしか心を開かない冷徹浮気野郎。
というのはゲームの中の彼のお話だ。
確かに目の前にいるカイニスはゲームの中よりもよっぽど心を開いており、よく笑い、よく喋る。
ゲームの中では絶対見せた事のない呆れた表情をこちらに見せてくるも私は気にしない。
少しストーリーは異なってしまったもののちゃんとカイニスと主人公が木の下で落ち合った。
そうすれば必然的にお互い引かれ合うものではないのだろうか。
(あの時私が主人公を助けてしまったのがいけなかったのかな?いやでもカイニスは主人公が木に登っているなんて気づいていなかったから私が助けなければ主人公は絶対怪我してた。しかし主人公どころかカイニスまでも興味がなさそうなのはどういうことだ?)
考え事に夢中になってつい猫を抱いていた腕を強くしてしまい苦しくなった猫が暴れてどっか行ってしまった。
私は猫を追いかけることも出来ず呆然としてしまう。
「あっ!入学式始まっちゃう!」
ゲームのシナリオに不具合が発生したせいでついもうすぐ始まる入学式の事を忘れてしまっていた。
時計の針を見ると入学式が始まるまで後少ししかない。
ここから入学式が行われる場所まで歩いていては絶対間に合わない。
「カイニス様!遅刻しちゃいます!急ぎましょう!」
入学初日から遅刻なんてそんな悪目立ち、こんなただ立っているだけで注目の的を浴びてしまうような人と一緒にしたくない。
私はカイニスの手を引っ張り急いで走り出す。
「ん?カイニス様、ちゃんと走ってます?なんでゆっくり走ってるのですか?」
カイニスがあまりにも遅く走るため私は今よりもカイニスの手を握っている手に力を入れて引っ張る。
「ちょっとカイニス様!遅れちゃうんですけど!」
「ふっ、あははは!」
私が真面目に焦っているのを見てカイニスは我慢できなくなったのか笑い出す。
その後もカイニスはゆっくり走るため私が引っ張りながらぎりぎり入学式に間に合うことが出来た。
これからもマイページ更新となってしまいます。
それでもよろしければ読んでいただけると嬉しいです。




