何語ですか???
「こちらは定番のルビーとなっておりますが形も艶も良く出来ておりネックレスにするにはうってつけでございます。そしてこちらがスタールビー、名前の通り光を当てると中に星が見えます。こちらはパパラチアサファイア、量が少ないため幻の宝石とも言われ当店でも運良く手にすることが出来ました。
そしてこちらはサファイアとなります。はるか昔から王族達に装飾品として好まれておりました。こちらはインディゴライト、電気石とも呼ばれておりこちらのインディゴライトはその中でもとても純粋な青色となっておりますので高価が高くなっております。
こちらはブラックオパールで角度を変えると色々な色に見えます。そしてこちらは…」
馬車に乗せられ一時間ほど、カイニスに連れてこられたのはある宝石屋さんだった。
建物はホワイト一色でお店の名前がゴールドでかかれているだけの質素であったがそこから上品さが醸しだされ、一目見て貴族御用達の宝石屋さんであるとわかる。
高橋 果奈としては一生足を運べないような所に連れてこられお店に入るときは二の足を踏んだ。
そして今、店員から何種類もの宝石の説明をされていたのだが正直全て同じに見えた。
「好きなものを選んでくれ。」
(いや、全部いらないんだけど。)
カイニスからそう言われたものの宝石の良し悪しなどわかるはずもない。
前世の頃から私は宝石なんかに興味を持ったことがなかった。
簡単に手に入るものではないということもあったが宝石を見ても素敵やら欲しいと思ったこともなく綺麗な石、程度にしか思っていなかった。
シンシーリアのアクセサリーボックスには数え切れないほどの宝石のネックレスや指輪、ピアスなどあったが私はそれを一度見ただけで閉じ、おしゃれする時ははいつもティナに任せっぱなしだった。
カイニスは宝石を見ることもなく呑気に紅茶を飲んですべて私に任せっきりである。
確かにシンシーリアの誕生日プレゼントなのだから私が自由に選んでもいいとは思うが、そもそも勝手にプレゼントを宝石と選んだのはカイニスである。
それなのに後はこちらで好きなものを選べと言うのもいかがなものだろうか。
全ていらない、と言いたいが宝石店のお店の方々が様々な宝石を紹介してくださっているのにそのような事は言えない。
「…少しお店の中を見てもよろしいでしょうか?」
私はすすめられて座っていたソファから立ち上がり店内を見回ることにした。
当然、カイニスはついてくることなくソファで紅茶を飲んで待っている。
やっと長い長い宝石の説明から解放されて一息つく。
見て回ると言ってしまったので仕方なくガラスのケースに入れられている様々な宝石を見て回るが、やはり欲しいものなどあるわけがなかった。
目がチカチカしてきたのでいったん宝石達から目を離し、窓の外を見る。
町はいろいろなお店が出回っており、屋台を開いてるのもチラホラ見える。
ビルのように一際高い建物などはなく、高くて3階ほどの建物しかないので景色が見渡しやすい。
少し外れた所に木造で古びた建物が見えた。
そこはお店が少ないのに人の出入りが多く、特に屈強な男たちばかりが中に入っていく。
私は外で警備をしていたサンドリックに声をかける。
「ねぇ、サンドリック聖騎士、あのね…」
「あぁ、あそこはですね…」
先ほど見た建物がなんなのか聞くとサンドリックは答えてくれた。
私はそれが何なのか分かると興奮し、すぐにそこに行きたくなったが今は抑えてさっさと私のプレゼントを決めてしまおうと宝石店に戻った。
結構待たせてしまっているのでカイニスの様子を見てみると相変わらずソファに座ったまま、静かに紅茶を飲んで本を読んでいる。
怒っている感じではなかったので改めて宝石を見て回ることにした。
(しかし困ったな、本当によくわからないや。自分のものだしもう適当に決めちゃおうかな。…あ、そうだ!)
私は店員の1人に声をかけ、ある宝石をお願いした。
「欲しいものは決まったか?」
店員にオーダーし終わったところでカイニスから声をかけられた。
「はい」
「そうか、それでは会計はこちらでお願いします。」
「かしこまりました。オーダーの依頼まで少々お時間がかかりますがいかがいたしますか。」
「本日いただいてもよろしいですか?それまで待ってますので。カイニス様、ダメでしょうか?」
「問題ない。」
そういうと私達は宝石店から出る。
「オーダーのものが届くまでの間、お茶でもいかがですか?」
「あ、申し訳ありませんが先にそちらで待っていていただけませんか?私は少し行きたいところがありますので…」
「一緒に行こう」
「あ、いえ!本当に大丈夫です!すぐに終わるので!後で合流しましょう!」
ついてきそうなカイニスを慌てて止めた私はサンドリックを連れて先ほど見ていたお店、武器屋に向かった。
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