表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Speed Runaway  作者: バベル
第一章指名手配
8/11

第一章 ⑥

 おっさんに言われ、地上波テレビをつけ、ニュースを見た貴樹は思わず顎が外れるんじゃないかと思う程、口が開いた。

 テレビの中では卒業アルバムの写真と実名が報道されている。

「……港の廃工場で2人射殺――――!? 逃走!? 指名手配!? 銃所持の可能性の為に実名報道~~~~!?」

 不穏な単語が並ぶニュースを噛り付く様に貴樹は見ながら叫ぶ。大げさでは無く、目元から目と同じ幅の涙が流れ続ける程に。そんな貴樹を見ていたおっさんは麗菜の方に向いて言葉を掛ける。

「アラ。相当ヤバイわね?」

 麗菜は爪を噛んで、おっさんを睨む。舌打ちをして言葉を出す。

「想定内の出来事……ではある……だからここに来たんだ。着替えと車と武器を売れ、死の商人」

「ハ!!」

 急な大声を出すおっさん。そのおっさんの持つ雰囲気が突然変わった事に驚き、貴樹もニュースから視線を外し、2人を見る。

「売る訳無いだろうが!! 警察、マスコミ、私の情報じゃ自衛隊も抑えられてる!! 分かる? あなたのご主人様は負けたのよ!! あなたに売ったら新しい権力者に目を付けられるのよ!!」

 先程までと同じ人間に貴樹には思えなかった。この男も麗菜と同じ貴樹の知る世界の外の人間……獣、悪魔。

「誰が負けたって?」

 銃口を向け、睨む麗菜。先とは違いおっさんは、手を上げる事も無く、銃口との間を詰める。

「狗にも成れない殺し専門の人間がいくら吠えようと只の兎と同じだわ!!」

「ちょ――――」

 今にも目の前で人が殺されそうな状況に思わず貴樹は止めようとするが、それよりも早く、麗菜は溜め息と共に大きなダイヤが付いた指輪を外す。

「死の商人に知られたくは無いが……コレを見れば話しが変わるだろう……」

 ダイヤと思われた部分を外すと一枚のSDカードが入っていた。おっさんは受け取るとスマホを取り出し電話を掛ける。すると一分もしないうちに部屋に身体の大きな男が入り、ノートパソコンを置いて、部屋を出た。

 おっさんがパソコンを起動している間に麗菜は話し始める。

「……巻き込んでごめんね。貴樹……本来教えてもいけないし、知っても何1つ良い事が無いのだけど、教えるから……」

 どうして? っと湧き上がる疑問はおっさんの言葉で解決する。

「ま~明らかに事件に関わっちゃったしね……逆に知っておかないと危ない事可能性もあるしね」

「ど、どう言う事ですか?」

 貴樹の質問にウフっと笑いながらおっさんは答える。麗菜にも感じた感覚、人の命の重さが自分と全く違う感覚。軽いのだ命が。

「掴まっても、拷問に掛けられずに楽に殺してもらえるわ」

 自分の立ち位置が第3者の口から言われ分かる。麗菜と離れれば、そういった未来が起こりえるのだと。

 スッと麗菜の視線が自分に向けられた事に気が付く。彼女の口元は笑っていた。しかし、それを見ても笑っているのだと貴樹には思えなかった。視線をパソコンに戻すと麗菜が話しを始める。

「私はどうしてもコレを持って、東京に行かなければいけない……この国が内戦を始める前に内戦が始まる情報を持っていれば、得するだろう? ……この情報料で先の物を売って欲しい」

 その言葉におっさんは眉毛を吊り上げる。

「内戦? そんな眉唾な情報に意味があるのかしら? この国は単一民族よ? 内戦をする理由が無いわよ。あなた達のお家なら戦争は出来ても流石に内戦は無理よ……誰も隣人を撃つはずが無いわ」

「……コレが証明となるわ……完成されたブレイン・マシン・インタフェースを使った『日本分割統治計画』の概要と完成されたブレイン・マシン・インタフェースの研究報告書の一部よ」

 言葉の意味は分からないが貴樹は息を呑んだ。日本が内戦? 有り得るはずが無いっとおっさんと同じ感想だったが、麗菜の口から放たれた言葉は真実に思えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ