第一章 ⑧
「コレね」
貴樹と麗菜の目の前には拳銃が2本とパンに着替えと鍵が用意されていた。
「グレッグ? しかも2本って……笑えない冗談ね」
トントンとグレッグ銃を手元でコネながら、麗菜はおっさんを見る。
「そうかしらん? これでも大分譲歩したのよ? だって、あの情報だけじゃ分からないモノ……せめて加盟者達の名前を知れないっとね」
そう言ったが先程その加盟者達の名前が入ったフォルダーを麗菜が止めた時、おっさんは無理に見なかった。知らなくて良い事まで知ろうとしないのが、良い女と言って。
女じゃ無いけどな。
「見せても良いけど、余計な事を知り過ぎるとどこから、襲われるか分からないわよ?」
「そうね……もっと良い物が欲しいな・ら」
そこで、貴樹を見る。貴樹は目の前で銃の売買をしているのを見て、引いていた。
何なんだこの状況っと。まさか日本で銃を見るのも、その上売買まで簡単に行われている事が貴樹は信じられなかった。フッとおっさんの視線を感じ、顔を上げる貴樹。
「この子のプリティーなお尻を貸してくれたら……戦車でもヘリでも用意してあ・げ・る」
ぞわっと毛が逆立つ貴樹。
「むりむりむりむりむりむりむりむりむり!!」
「へ~ヘリか……」
売られてしまいそうな雰囲気に貴樹は懇願する瞳で、
「そんな事になったら死ぬしか無い!!」っと叫んだ。
すると、麗菜の目が変わる。どこを見ているのか分からない、色の無い様な瞳に。
「そうだな……私もそうするだろうさ」
そう呟いて。
「なら、これまでね。車は駐車場に用意してるから……じゃあ2人共頑張ってね~ あ、コレサービス……すぐに捨てなさいよ」
携帯を麗菜に放り投げて部屋を出て行くおっさん。
「俺も臭いし、風呂に入って来るから」
着替えを手に取る貴樹。
「つうか、何故ブーメラン」
手にしたパンツは赤いブーメランパンツだった。誰が穿くかっと一瞬思ったが、穿かない訳にはいかないと人生初のブーメランパンツを手にシャワーに向かったのだった。
それを見て、部屋からいなくなったと同時に麗菜は携帯を操作した。




