↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
93/100

第93話:合唱団を作りますわ!

 夕食後、麗奈は居間のテレビをじっと見つめていました。


 画面には、制服姿の学生たちが並び、息を合わせて歌う様子が映っています。


 最初は何となく眺めていただけでしたが、曲が進むにつれて、麗奈はすっかり聞き入っていました。


 最後の音が消え、会場から大きな拍手が起こります。


「……素晴らしいですわ」


「合唱コンクールですね」


 隣で見ていた小春が答えました。


 麗奈はしばらく画面を見つめたあと、勢いよく立ち上がりました。


「決めましたわ」


「何をですか?」


「よし、決めましたわ! わたくし、合唱団を作りますの!」


「急ですね」


「皆で声を合わせて、一つの音楽を作り上げるのですわ。わたくしもぜひやってみたいですわ!」


 麗奈はすでにやる気に満ちています。


「それで、メンバーは?」


「…………」


 麗奈は固まりました。


 そこまでは考えていなかったようです。


 しばらく黙ってから、ゆっくりと小春へ顔を向けました。


「小春。特別に入団を許しますわ」


「頼んでませんけど」


「遠慮しなくてもよろしくてよ」


「遠慮ではありません」


 翌日、屋敷へ遊びに来たアリサにも、麗奈はすぐに話を持ちかけました。


「アリサさんも、特別に入団を許しますわ」


「なぜ上からですの?」


「わたくしが団長ですもの」


「では、わたくしは副団長ですわ」


「勝手に役職を増やさないでくださいまし!」


 二人が言い合っていると、一緒に来ていたアリサの姉が楽しそうに手を合わせました。


「合唱ですか。素敵ですね。私も参加してよろしいですか?」


「もちろんですわ!」


「お姉様まで参加なさるのですの?」


 アリサが目を丸くします。


 姉の隣にいた弟も、小さく手を挙げました。


「姉さんが入るなら……僕も入っていいですか?」


「歓迎しますわ!」


 こうして、麗奈、小春、アリサ、姉、弟の五人が集まりました。


「これで合唱団らしくなりましたわね」


「五人しかいませんけど」


「最初はこれくらいでよろしいのですの!」


 麗奈は満足そうに頷きます。


「伴奏はどうしますの?」


 アリサに尋ねられ、麗奈は再び固まりました。


 全員の視線が、近くで紅茶を用意していた橘へ向かいます。


「橘」


「はい」


「ピアノは弾けますの?」


「一通りは」


「弾けますの!?」


「以前、習っておりましたので」


 麗奈はすぐに橘の前へ立ちました。


「では、伴奏をお願いしますわ!」


「承知しました」


「受け入れるのが早いですね」


 小春が呟きました。


 麗奈は全員を見回し、胸を張ります。


「団名は、ローゼンコール聖歌隊ですわ!」


「ローゼンコールって、どこですか?」


 弟が首を傾げました。


「どこ、とは?」


「地名ではありませんの?」


 アリサも尋ねます。


「違いますわ」


「では、何ですの?」


「ローゼンコールの語呂がよかったので決めましたの」


「語呂だけで決めたんですか?」


「そうですわ。語呂で決めて何が悪いのですの?」


 麗奈は本気で不思議そうな顔をしていました。


「それより、聖歌隊なのに普通の合唱曲を歌うのですか?」


 小春が尋ねます。


「合唱団より、聖歌隊の方が格好よかったのですわ」


「そこも同じ理由ですか?」


「響きがよかったからですの!」


 こうして、団員五名、伴奏者一名のローゼンコール聖歌隊が発足しました。


 まだ歌う曲は決まっていません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。