第76話:書庫を作りますわ!
空き部屋を眺めながら、麗奈は腕を組みました。
「こちらを書庫にしますわ」
「急ですね」
「お嬢様の屋敷には、立派な書庫が必要でしょう?」
「本、そんなに持っていました?」
「これから集めますの!」
数日後、壁一面に本棚が並び、重厚な書庫らしい部屋が完成しました。
麗奈は自室から本を運ばせます。
しかし、棚へ並べてみると、大半が漫画とライトノベルでした。
豪華な棚に、色鮮やかな背表紙が並びます。
「……少し雰囲気が違いますわね」
「お嬢様の書庫なんですから、合ってますよ」
「もっと古い文学作品や百科事典が必要ですの」
「読みます?」
「書庫に置きますの」
「読むかどうかを聞いています」
そこへアリサがやってきました。
「随分と親しみやすい書庫ですのね」
「まだ途中ですの!」
アリサは一冊を手に取りました。表紙には派手な衣装の魔法少女が描かれています。
「こちらは?」
「資料ですわ」
「何の?」
「幅広い知識を得るためですの」
「魔法少女の知識が?」
「いつ必要になるか分かりませんでしょう!」
アリサは呆れたように本を戻しました。
「では、わたくしから何冊かお貸ししましょうか?」
「難しい本ばかりではありませんこと?」
「当然ですわ」
「結構ですの!」
「即答ですのね」
最終的に、書庫には漫画、ライトノベル、実用書、絵本、そしてアリサが持ってきた難しい本が並びました。
「どの本から読みます?」
「今日は完成を祝う日ですの」
「読まないんですね」
「明日から読みますわ!」
小春は黙って、その言葉を予定表へ書き込みました。
翌朝、麗奈が書庫へ入ると、机の上にアリサから借りた分厚い本が置かれていました。
『まずはこちらからですわ』
紙が挟まれています。
「嫌がらせですの?」
「応援だと思いますよ」
麗奈は本を持ち上げようとしましたが、想像以上に重く、両手で抱えることになりました。
「読む前から腕が鍛えられますわね……」
「知識と筋力が同時に身につきますね」
「わたくしが書庫に求めていたものと違いますの!」




