第31話:庭園で昼食会ですわ!
「学校でお世話になったお礼に、昼食会を開きますわ!」
整備された庭園へ、白いテーブルと椅子を並べました。
招待客はアリサさん。
それから本日は、小春と橘にも席を用意しています。
「使用人も一緒ですの?」
アリサさんが尋ねます。
「たまにはよろしいでしょう。準備をした者が食べられないのは不公平ですもの」
「準備したのは全部私たちですけど」
小春が申しました。
「だから招いて差し上げたのでしょう!」
サンドイッチ。
焼き菓子。
果物。
紅茶。
料理も庭園も完璧です。
「席が一つ多くありませんこと?」
アリサさんが、小さな椅子を指差しました。
「シロの席ですわ」
「猫も昼食会へ参加しますの?」
「我が家の一員ですもの!」
しかし、シロは現れません。
「白銀公爵エリザベート・フォン・ローゼンベルク!」
正式名称で呼んでも来ません。
小春が庭の端へ向かって声をかけました。
「シロ、ごはん」
「にゃあ」
すぐに茂みから姿を現しました。
「なぜですの!?」
シロは用意した椅子を無視し、アリサさんの膝へ飛び乗りました。
「あら」
「そこはあなたの席ではありませんわ!」
シロは丸くなり、動こうとしません。
「麗奈さん。静かになさい」
「なぜあなたが主人のように振る舞いますの!?」
「猫に選ばれた者の務めですわ」
「降ろしなさいな!」
手を伸ばすと、シロが牙を見せました。
「シャーッ!」
「またですの!?」
料理も、庭園も完璧でした。
ただし、席順だけは最後まで納得できませんでしたわ。




