表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
26/100

第26話:と、友達ではありませんわ!

 庭園の整備も進み、屋敷の一部も随分と綺麗になりました。


 その日の午後。


 わたくしとアリサさんは、テラスで紅茶を飲んでいました。


 シロは少し離れた場所で眠っています。


「お二人、すっかり仲良しですね」


 紅茶を運んできた小春が申しました。


「仲良しではありませんわ!」


「友達ではありませんの!」


 わたくしとアリサさんの声が、綺麗に重なりました。


「ただのお茶会相手ですわ」


「仕方なく、お付き合いして差し上げているだけですの」


「毎週会ってますよね?」


「予定が重なるだけですわ!」


「次のお茶会の日まで決めているのに?」


「必要な調整ですの!」


 小春は納得していない顔で、空になった皿を片づけました。


 最後に一つだけ残ったお菓子を、アリサさんと同時に見ます。


「わたくしがいただきますわ」


「お客様へ譲るべきではなくて?」


「ここは我が家ですの」


「でしたら、半分にします?」


「仕方ありませんわね」


 お菓子を二つに分けます。


 大きさが、ほんの少し違いました。


「そちらの方が大きいですわ」


「気のせいですの」


「交換なさい」


「嫌ですわ」


「友達なら譲るものでしょう?」


 わたくしは、にやりと笑いました。


「友達ではありませんもの」


「……そうでしたわね」


 アリサさんも笑います。


 帰る時間になり、アリサさんは門の前で振り返りました。


「来週も伺ってよろしいかしら」


「仕方ありませんわね」


「別に、楽しみにしているわけではありませんのよ」


「わたくしもですわ」


「では、また」


「ええ。またですの」


 友達ではありません。


 少なくとも、わたくしたちはそう言い張っていますの。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ