表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「よわよわショボいポーター実は最強のスキル待ち〜追放されたので、なぜか女子パーティーに拾われ溺愛されています〜」  作者: 虹の箸


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
4/27

最強の牙

『深緑の迷宮』の下層。

本来ならばこのダンジョンに現れるはずのない、規格外のイレギュラーな存在。災厄指定されるほどの超常の魔物——『アビス・ベヒーモス』が、僕たちの前に姿を現したのだ。

「ぐっ……ああっ!」

女騎士のエリアリアさんが吹き飛ばされ、自慢の白銀の鎧が砕け散る。

斥候のリティは足をやられて動けず、魔女のセレナもすでに魔力が底を突き、杖を支えにして辛うじて立っている状態だった。

「逃げ、て……アレン……せめて、あなただけは、その間はなんとか……」

「ダメです! エリアリアさんたちを置いていくなんて、僕にはできません!」

血を吐きながら叫ぶ彼女達の前に、僕は震える足で立ち塞がった。

武器なんて持っていない。戦い方なんて知らない。僕が前に出たところで、1秒の稼ぎにもならないことは痛いほど分かっていた。

それでも、僕に人としての温かさを、居場所をくれた彼女たちを見捨てることなんて、絶対にできなかった。

「グルルルルォォォォォォォッ!!」

アビス・ベヒーモスが、巨大な腕を振り上げる。

その絶望的な質量が、僕たち全員を押し潰そうと迫り来る中——僕はせめてもの抵抗にと、両手を前に突き出し、無意味と知りながら自らの唯一のスキルを叫んだ。

「——【限定空間収納(ワンキューブ)】ッ!!」

せめて、あの爪の先だけでも収納空間に逸らせれば。

そんな祈りは、次の瞬間、想像を絶する光景によって塗り替えられた。

—スッ。

一切の音もなく。僕の目の前で、信じられないことが起きた。

振り下ろされようとしていたアビス・ベヒーモスの巨大な腕から胸の中心にかけて。

まるで神様が定規で切り取ったかのように、『ピッタリ縦横高さ1メートルの立方体キューブ』の空間が、消失していたのだ。

「……え?」

硬度も、魔法耐性も、一切関係ない。

『指定した1立方メートルの空間そのものを、問答無用で亜空間へ切り取る(しゅうのう)』する。

それこそが、僕の持つスキルの裏に隠された、真の力だった。

コアごと胸を綺麗にえぐり取られた巨獣は、声を発することすらできず、グラリと傾き——地響きを立てて絶命した。

「あ、アレン……? いまの、は……?」

「ぼ、僕にも何がなんだか……」

唖然とするエリアリアさんたちと、自分の両手を見つめる僕。

ただの無能な雑用係だった僕の力が、最強の牙を剥いた瞬間だった。

お読みいただきありがとうございました。

もし「面白かった!」「続きが読みたい!」と思っていただけましたら、ページ下部にある【ブックマークに追加】や、【☆☆☆☆☆】の評価を押して応援していただけると、今後の執筆の何よりの励みになります!

次回もどうぞよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ