8 利権と覇権への対処 1
翌日から全てが始まった。
あらゆる大臣がチェンバレンの施策を動かそうとしていく。
まずは法律の範囲で。
また、法律にない部分は大臣の裁量で。
なにより、国会での採決が可能なように根回しという裏工作を進める。
状況が状況である。
1秒でも早く全てを実行するべく動いていく。
なにせ、今この瞬間にも機会損失が発生するのだから。
イギリス王国の財政は危機的な状況だ。
いまだに第一次世界大戦の戦費の負担が重くのしかかってる。
加えて、植民地が重荷になってる。
これらを維持するために各地の統治機構、そして軍の負担が大きい。
さらに加えて、国内の整備。
道や鉄道を整理すらもままならない。
早急に対策が必要なのに。
研究や開発、工業などの産業への投資など、夢のまた夢だ。
その為にも予算の捻出を。
それも、借金に頼らない方法を。
それができるのは、チェンバレンが提示した手段だけである。
抵抗も大きい。
特に植民地に利権を持ってる者達。
また、植民地を含めた広大な国土を保ちたいという覇権主義。
この利権と覇権が手を取り合ってチェンバレンに対抗しようとする。
しかし、これらを粉砕してチェンバレンは進む。
やらねば未来がない。
これらに対して、チェンバレンは自ら赴き、冷徹に突き返していく。
やりたくはないが、言い出しっぺとしての責任から逃れるわけにはいかない。
「未来がかかってる──」
そう言い聞かせてチェンバレンは利権と覇権の矢面に立っていった。
胃を痛めながら。




