55.500億返済を目指して~信頼と仕事~
美奈が500億の借金が自分の所為だと責めるが、それを宥める一同。
碧は500億を返すべく、仕事に励み出す──
「ごめんなさい! ごめんなさい! 私のせいでこんなことになっちゃったんだ! 本当にごめんなさい!」
「いいのよ、みっちゃんは死ぬかもしれない瀬戸際だったんだもの」
「でも500億の借金できちゃったんでしょう?」
「それは気にしなくていい、これまで通りに返していけばいいだけだから」
「申し訳ございません、私がついていながら……」
「貴方は?」
「新型人工生体兵器№7.セプテム通称セムです。セムと呼んでください。実は以前から陰で護衛しておりましたが、トレースの怒号とドゥオのやりとりが聞こえて頭にきて現場を離れてしまい……」
「次は聞こえても無視してねドゥオはもうアレだ、給料来月から勤務態度直さないなら税込みで15万になるように調整する」
「ちょ、ちょっと待ってよ碧ちゃーん!」
「お前に碧ちゃんとは呼ばれたくない、社長と呼べ」
「はい……社長」
冷たく突き放すと、ドゥオはしょんぼりし始めた。
「……」
何かノウェムさんの視線が痛い。
「少し確認したいことがあるから、ノウェムさん、ちょっと二人で話そうか」
そういうとノウェムさんは頷いた。
「涼兄さん、セムさん。みっちゃんをお願い」
「お、俺⁈」
涼兄さんが名指しされてうろたえる。
「事情知ってるんだから説明できるでしょうが」
ジト目を向けると、うっと何か言いたげな顔になったが、しぶしぶ頷いた。
私とノウェムさんは自室に戻る。
ここなら誰にも聞かれず話せる。
「ノウェムさん、なんで『むすっ』としてたの?」
視線のことを問いかける。
「何故私はさん付けで、ドゥオは呼び捨てなのだ?」
「ああーそれかー」
簡単なので説明することにする。
「ドゥオは尊敬や信頼に値する立場から落っこちたから」
「は?」
「私ね、基本的に初対面の人や信頼してる人には、さんとか君とかちゃんを付けるの」
そしてふぅと息を吐き出して言った。
「……顔見知りになって、信頼裏切られ続けると呼び捨てになるのよ」
「つまりドゥオは」
「はい、私に嫌われました」
そう言い切ると、ノウェムさんはぎゅーっと私を抱きしめた。
「わわっ!」
「器量が狭くてすまない。だが……嬉しくて仕方ないんだ。私は君の信頼を得ていると……! 君に愛されてると自惚れていいかい?」
何を今更。
「ちょっと抱きしめるの止めて屈んでくれます?」
「? 分かった」
そう言って私はノウェムさんにキスをした。
「……!」
ファーストキスの失敗を取り戻すように。
セカンドキスで見られた恥ずかしさを無くすように。
今度はちゃんと。
少し長めに唇を重ねた。
「今日は心臓に悪かっただろう、もう休もうか」
「うんそうだね」
私たちは手を繋いだまま部屋でゆっくり過ごした。
「さて、今日も元気に働くぞー! さぁて、依頼……」
通信機が鳴り響く。
「はいはいー!」
『今日も元気ですね、碧様。依頼です、そこから千キロ離れた工事現場でロボットの暴走事件と、近場の銀行で銀行強盗が発生しました、至急対応を』
「了解しました」
緊急のボタンを押す。
「直ちに戦闘員戦艦に移動! 千キロ地点の現場にワープする!」
そう言ってからパワードスーツを装着し、ノウェムさんを見る。
既にパワードスーツを装着していた。
私は急いで戦艦に乗り込み、上昇してワープする。
現場は工事現場と銀行。
到着すると、視界に飛び込んできたのは、暴走する工事用ロボットと銀行を占拠した武装集団だった。
「よし、これ位の高さなら自分で落ちられる、かなー?」
やっぱり落ちるのはちょっと怖い!
そう思ってるとノウェムさんの小脇に抱えられて戦艦の入り口から落下。
「うひゃああああ!」
毎度のことだけど、これは慣れないやっぱり!
ノウェムさんが着地して、私も地面に足を付ける。
レイジングとメフィストとガンツも着地する。
クラレンスは戦艦で待機。
「ロボットたちの鎮圧は任せたよ!」
レイジング達にそう声をかける。
「おう!」
「任せてよ!」
「任せておけぃ!」
レイジング達に任せておけば多分大丈夫だと信じて、私とノウェムは銀行強盗のいる場所へ急行。
向こうもパワードスーツで襲いかかってきたが、性能差がありすぎたか。
私は襲ってきた男の頭をわしづかみにして地面へ叩きつけた。
男はそのまま動かなくなる。
「逃げる気⁈」
ちょっと気を抜いた隙に逃げようと車を走らせ始めたのに私は急いで追いつき、車体を片手で持ち上げ、そのまま横転させる。
すると暴走していたロボットたちの動きが止まり、現場には安堵と混乱が広がった。
「では、後の対応はお願いします!」
工事現場の人と、警官とポリスロボットにそう言って連行されていく犯人達を確認する。
そして、広場に着地していた戦艦に乗り込んで会社に戻ろうと思ったら──
ビー! ビー!
と、通信機が鳴り出した。
『碧様、緊急連絡です』
「はいー⁈」
何か嫌な予感するぞー⁈
『木星付近までパラシートゥスの群体が接近中、至急向かってください』
「了解!」
私は振り向き皆に声をかける。
「皆! このまま二連続だけど大丈夫かー!」
「儂等は大丈夫じゃ!」
「お嬢が大丈夫か⁇」
「無理なら休んでていいよ!」
「ええ、そうです!」
四人とも私に休めコール。
いや、借金500億あるから休んでられないんだってば!
「そうだな、サポートは欲しいが、碧には無理はさせられない」
「大丈夫!」
「なら空きっ腹のままは良くない」
とゼリー飲料NOVAを出してきた。
これ一つで満腹になるからありがたい。
「あいがと!」
ぢゅーっと吸いながらお礼を言う。
全部飲むと少ししてお腹がいっぱいになる。
「よし、ワープ開始!」
上昇してワープを開始する。
ワープして防衛ラインの宇宙空間に到着すると──
「だから何なのこの群れは!」
「日に日に増してるわけではないが、今回はかなり多いな」
ノウェムさんが感心したように言うが、それどころではない。
「もう! 何やってるの地球政府! こんなの放置しないでよ!」
借金のためじゃない。
火星も月もコロニーも、そこには人が住んでいるんだから!
地球政府はそんなことも分からないの⁈
私は怒りながらノウェムさんと減圧室へ向かった──
今回は美奈が謝罪するのを止めるのと、ロボット鎮圧と銀行強盗撃退の回でした。
ドゥオは碧の信頼を完全に失いましたね。
さて、セムもセムでミスはしましたがある意味人間らしい、ミスですね、ドゥオの言葉に頭にきて離れてしまったというところが人間らしい。
そして碧は500億の借金を返済するために働き始めます。
ロボット鎮圧と銀行強盗はなんとかなりましたが、パラシートゥス迎撃(防衛)戦は大変そうです。
この戦いは次回!
ここまで読んでくださりありがとうございました!
誤字脱字報告等ありがとうございます!
次回も読んでくださるとうれしいです!




