33.月のもの~重く痛い~
レティシアの身の安全の為に本社で話合いをすることにしたノウェムと碧。
しかし、話合いの最中碧に異変が──
「レティシアさん、お忙しいのにありがとうございます」
「いいのよ、碧ちゃん」
「それに体調も万全じゃないでしょうに……」
何か見抜かれてるきがする。
「ところで、碧ちゃん、ノウェム。どうして支社でなく本社にしたの?」
「本社の方が安全だからだ」
「確かに安全」
その言葉に頷いていると、お腹が痛くなってきた。
今朝から妙に腰が重かった。
それに下腹部も痛む。
けれど慣れない会談の緊張だと思っていた。
「あいたた……」
だが、耐えきれず声が出る。
「碧、どうし……⁈ その血は……⁈」
色んな恐怖が入り交じってソファーを見れば赤黒い血の跡。
「ギャー!」
血!
……いやそれよりソファー!
私は卒倒した。
「ん……?」
「あら、碧ちゃん、大丈夫?」
レティシアさんが不安そうに見つめてた。
「ヴァー! ソファー汚してごめんなさい! 修繕費払います!」
「いいのよ、あれくらい。それにしてもどうしたの、生理不順だったりする……」
「実は……両親が死んで社長やり始めてから今日まで生理が止まってたんですよ、病院いくのもどうかと思って」
「碧ちゃん、何ヶ月も来ないなら病院に行くべきだったわ」
「反省してます……」
本当、忙しかったから自分のことおろそかにしてた。
ダメだなぁ、兄さんたちにはすぐ病院いけって言うのに。
「貴方に悪いけど、セスに貴方のサイズの生理用のショーツを買ってきてもらって、生理用品も買ってきてもらって履かせて貰ったわ」
「お手数おかけします……ノウェムは」
「狼狽えて使い物にならなかったから、セスが今お説教中。お嬢様の時だって生理で色々あったでしょうって叱られてるわ」
「うーん」
「ノウェムは生理とか起きないから今回余計戸惑ったみたいね」
ノウェムさん、本当にすみません。
もっと早く相談するべきでした。
「マジすみません……あれ、ここはそう言えば」
「医務室よ、だから安心して。ノウェムには外で待機してもらってるから」
「本当すみません……」
「碧ちゃん、貴方はもう少し人に頼る事を覚えましょう? 今回の件だって、なんか来ないなーって私に相談してくれれば良かったのよ」
「でも、レティシアさんに心配かけたくなくて……」
「もう、倒れられた方が心配よ」
「あい……」
ぐうの音も出ない。
自己嫌悪に陥っているとノウェムさんが入って来た。
「あ、ノウェムさん」
「碧、無事か、痛まないか?」
「お腹が痛いだけですよ」
「なら、もう帰って休もう、それがいい。家に着いたらホットミルクを用意しよう」
「ノウェムさん、あのね……」
「月のものは重い時は重いと聞く、君は今何とか振る舞っているように見える」
バレた。
私月のもの、生理重いんだよねー。
だから来なくて内心ほっとしてたのに、今日に限ってくるなんて。
だったら生理不順にならずに、来てろっての!
と内心愚痴るがどうしようもない、これは人体の神秘であり欠陥であり、バグなのだ。
ノウェムさんはタオルで私の下半身をくるみお姫様だっこした。
「レティシア、後は頼む。でも無理はするな」
「ええ、分かったわ」
そう言って本社を後にし、小型艇でワープして家に帰還。
そのまま寝室に連れて行かれ、ベッドに寝かせられる。
部屋を出てすぐにホットミルクが出された。
「過保護だなぁ」
「私は君の恋人だぞ、過保護で何が悪い」
むぐぅ。
こう言う時に恋人と言い出すのは卑怯じゃないかと私は思う。
「それを飲んだら、今日はもう休んでいい」
「はーい」
ノウェムさんが出て行くと、私は素直にパジャマに着替えて、歯磨きをしてそのままベッドで眠りについた。
翌日──
「腹いでぇ……」
二日目がガチで辛い。
なんだこの痛みは本当にってレベルで。
「碧、朝食は持ってこよう」
「ごめん、お願い……」
ベッドから出る気力もない。
それ位生理痛がやばい。
生理痛の重さは人によって違う。
理解してくれる人もいれば、「大げさだ」と笑う人もいた。
あれだけは今でも許せない。 あれだけは今でも許せない。
女子の生理痛の痛みの感覚をどう知るかの授業がまだキチンとなってないのが悲しみだ。
と、思考を余所にやらなければいけない程痛みが強い!
「いでぇ……!」
女は何故こんなもの抱えて過ごさにゃならんのだ、そう思ってしまう。
野郎も○精で痛み感じればいいのに、畜生、と思ってしまう。
「碧、血色が悪いな、食べられるか?」
「一食なら……」
「なら……」
そう言って椀をお盆にのせて出した。
「サツマイモの豚汁だ。月のものに良いと資料にあった」
「いただきます」
そこはジャガイモじゃないのかな?
と思いながら食す。
割と甘みが気にならないし、思ってたより相性がいい味わいだった。
「ご馳走様……じゃあ今日は休む」
「あと五日くらいは休みたまえ、その間会社は君の叔父とレティシアと、私と宗一で回す」
「本当に申し訳ない」
そう言いながら私はまた痛みと格闘しながら毛布を被った。
温かいと心なしか痛みが和らぐ気がしたから。
でも、結局その日も痛みは引かず、翌日もまともに動けなかった。
結果五日間休むことが確定した。
後日レティシアさんに、いい産婦人科を紹介して貰ったので生理痛を緩和させるお薬を頂いた。
今の薬は緩和させるのが凄い上手にできてるらしい。
ただ、少し眠くなるから無理はしないように言われた。
やっぱり生理時は無理するなという神様のお告げか、コレ?
それとも最近働き過ぎだから無理すんなってお告げか?
などと考えながら、叔父さんたちから引き継いだ資料に目を通す。
今日もノウェムさんの向かいで、無理をしないように仕事を片付けるのだった。
間違って神森の方にあげちゃったので上げ直しました!
すみません!
碧とノウェムの話であり。
ノウェムが碧の事だとうろたえてしまうことが増えたことを示しています。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
誤字脱字報告等ありがとうございます。
次回も読んでくださるとうれしいです。




