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3.借金は二百億に!~ミステリアスな新入社員~

新入社員登場(株主から強制的に入社させるよう言われた)



「レティシアさん! 貴方のパワードスーツのお陰で無事テロリスト瞬殺できました!」

「……」

 レティシアさんが、額を抑えている。

 何でだろう?

「レティシアさん?」

「! ええ、本当にありがとう。あの鉱山は私の会社の所有物なのよ」

「はい、知ってます!」

「テレポートで火星にひとっ飛びだったけど、貴方が行くのは予想外だったわ」

「いやぁ、ロボットの原則がありますから」

「確かにそうね……」


 ロボットは人間を傷つけてはならない、殺傷行為は禁じられている。

 疑似暴力もだ。


 だから、私が出るしかないのだ。


「あと、言いにくいのだけども」

「分かってます、あのパワードスーツ、凄い高価な物だって」

「……八十億よ」

「つまり借金は百億、うわー! 桁が増えた──‼」

「ちなみに戦艦は百億ね」

「二百億ー! あれ、何か計算合わない気がするけど……いやでも二百億になった──!」

 私は頭を抱える。

「実はその話をしに来たんじゃないのよ」

「え、じゃあ何の話ですか?」

「パトリの社員の方々、貴方の会社のみなさんが、貴方の行動が危なっかしいと言ってきたのよ」

「ははは……」

 事実なだけに否定はできない。

「だから、私の知人を雇って欲しいの」

「へ?」

 予想外の言葉に私は間抜けな声を上げた。



「……えっと萌木碧です」

 目の前には中性的な綺麗な顔立ちの烏羽色の髪に、白磁の肌、黒い目の本当に綺麗な人だった。

「……ノウェム・アルモニアです。よろしく頼みます」

 声も中性的だった。

 いや、ちょっと男性よりかな?

 でも、綺麗な声をしていた。

「あ、あのこの人何をする人なんです?」

 レティシアさんに尋ねる。

「ノウェムはね、特殊部隊にいてテロリストの鎮圧なんかの武力行使や要人警護のプロなのよ」

「え⁈」

 そんな人雇うお金なんてないよ!

 ついさっき借金増えたばかりなのに!

「ノウェムも同じパワードスーツ持って居るから、宗一さんと順さんでしたっけ? 修理とかのやり方を教えたいから2人を少しお借りしていい?」

「えっと、お仕事は……」

「はい、これ」


 内容は、瓦礫撤去と書かれていた。


「一回目が大変だったからね、今回はこれで」

「う゛ー」

 有無を言わせぬレティシアさんの笑顔に、私は頷くしかなかった。



「もっと早くおぜぜ稼ぎたい!」

「おぜぜ?」

「ああ、お金のことをおぜぜって言うの。遠回しに言うと、借金早く返したい! ってことですはい」


 パワードスーツを着ながらガンツの指示の下瓦礫を撤去する。

 ガンツは引退するまで、土木工事なんか色々やっていたから指示も正確だ。

 ただ、型落ちになって引退──廃棄する前にうちのお父さんたちが引き取って今のガンツがある。


「よし、これで……」

「まて、何か来るぞ⁈」

「ヘリコプター? 報道ヘリにしては何か脇についてぇえええ?」

「全員全力で逃亡だ!」

 ノウェムさんが私を抱えて走り始めた。

 そして、クラレンスに私を投げ渡すとUターンして、パワードスーツの殺傷性の高いミサイルランチャーを取り出して放った。

 ヘリもミサイルを撃ってきたが、パワードスーツのミサイルがそれを破壊してヘリに命中する。

 命中したヘリが撃墜し、道路に落下すると、カイさんは何か連絡を取っていた。


 あんなヘリが何で私たちを撃ったのか分からなかった。




「へーテロリストが高級なパワードスーツ奪おうとして返り討ちにあったって訳ですか」

「そう、だから気にせず仕事をしてね」

 レティシアさんがそう言うならそうだろうと思って私は深くは追求しなかった。




「わーい、実家兼社宅の改築工事が終わったー!」

「コレも借金の一部か……」

「いや、コレは含まれてる奴だからこれ以上増えない」

 戦々恐々している、涼兄さんに私は呆れたように言う。

「社長」

「はい、なんですかノウェムさん」

「レティシアからの言づてです。『貴方の身の安全の為にノウェムと相部屋にしなさい』とのこと」

「へ⁈」


 慌ててスマートフォンのメールを見る。

 レティシアさんから、その内容の文章が書かれていた。

 ちなみにこのスマートフォンは仕事用にレティシアさんから用意して貰された備品である。


 また借金が……


「「「ふざけてんのか (るのですか/るの)⁈」」」

 メフィストやクラレンス、レイジングが声を上げる。

 抗議の声だ。


「文句があるなら筆頭株主であるレティシアに言ってください」

「ぐ……」

「メフィスト、クラレンス、レイジング。気持ちは分かる。でも、ロボットじゃなくて人間に人質を取られたら貴方達だと終わりでしょう?」

「「「ぐ……」」」

 そう、私とカイさんは人だからいい。

 でも、ロボットの三人はちょっと違う。


 ロボットが暴走したなら止めればいい。

 だが、人の暴走や、何かあったとき行動できるのは人だけなのだ。


 ロボット故の不自由さが彼らを縛り付ける。


「分かったら、各自、自分の部屋に行って!」

 そういうと金属的な足音を立てながら三人は自分の部屋に向かった。

 今までは合同部屋だったから良いと思う。

「でも、私の部屋だと──」

「社長、貴方のご両親の部屋を使わせていただきましょう」

「……うん」


 両親の部屋も改築されていた。

 なんか凄く頑丈になっている気がする。

 今まで、レティシアの仮の住居に住まわせて貰ってたから分かる、コレは頑丈になっている。


 なんでこんなに頑丈に?


 疑問が沸いたが、それで終わった。


「では、宜しくお願いします」

「勿論です、社長」

「あのー無理しなくていいんですよ? そういう口調、苦手、だと思うんですけど」

 私は勘で言う、違和感が若干あったからだ。

「……すまない、では普段通りにさせてもらう、碧」

「うん、宜しくです、ノウェムさん」

 私達は握手をした。


 その日、母のベッドで寝たが何もなかった。

 隣ではノウェムさんというまだ知り合ってほとんど時間経過してない人がいるのに、ぐっすり寝られるのは、いいことか、悪いことか──






さて、レティシアの知人ノウェム(名称を変更しましたすみません)。

凄腕ですが、色々事情があります。

さて、社員も増えましたが、謎のヘリの件、これはどうなのでしょうね。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

次回も読んでくださるとうれしいです。

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