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2.会社実稼働!~初っぱなからハードに決める!~



 私がバイトをするようになってメフィストやクラレンス、レイジング、ガンツもバイトを始めた。

 涼兄さんもバイトすると言ったが「卒業論文あるだろ馬鹿野郎」と却下した。


 卒業できなかったらそれこそ負担がかかるんだよ!


 そしてニートしていた順兄さんも宗一お爺ちゃんにしごかれて毎日メカニックとしてやっていけるように努力中。


 順兄さんは手先も器用だから、きっと役に立つはず。

 残念ながら私は不器用だからね……


 そして十ヶ月後、私は卒業式を終えた。

 私は制服を脱ぎ捨て、レティシアさんから貰っていたスラックスのスーツに袖を通す。

 流石にスカートでまた働く気はない。


「今日から本格的に社長業を行います! 故にバイトは退職してきました!」


 誇らしげに言うとメフィストたちがさめざめと泣き出した。


「良かったよ~! お嬢~!」

「お嬢のあんな羞恥心捨てた格好人様に見せたくねぇ」

「同感です!」

「お前らなぁ……あ、儂等も退職してきたぞ」


 話には聞いていたが、メフィストやガンツたちもバイトをしていたらしい。

 退職してきたみたいだけど、私と同じく。


「よし、レティシアさんが仕事を持ってくるから、それを見よう! で、さっさと二十億円返そう!」

「「「「「おー‼」」」」」


 みんなで手を掲げる。


「あらあら、会社実稼働初日からみなさんお元気そうで良かったわ」

「レティシアさん!」


 会社のグラウンドにやって来て微笑んでいるレティシアさんに、私は嬉しそうに声をかける。


「レティシア社長と……いででで!」


 副社長さんが言う前にレティシアさんの秘書のロゼッタさんが綺麗なキャメルクラッチをかけていた。


「ヒース、貴方は来なくていいって言ったわよね?」

「で、ですが……! いででで!」


 レティシアさん、冷めた目で副社長さんを見てる。

 副社長さんなんか体めきめきいってるぞ、大丈夫かな……


「次来たら貴方の勤務態度が高圧的という理由で降格します」

「そ、そんな……!」

「ヒース、貴方が優秀なのは分かっていますが、成果主義すぎて部下を萎縮させているのが悪いところです」


 レティシアさんの冷たい言葉にうろたえる副社長さん。

 まぁ、同情はしないけど。


「株式会社でないのと、私が役員兼任しているのが良いところよね」


 レティシアさんはほのぼのという。


「え、えーとウチどうなんですか?」

「今は株式は全部我が社、私個人で保有しています。二十億返済後に株を買い戻す。元々そう言う約束でしたので」


 よし、二十億返して余ったお金で株も買えばも完全に会社保有にできる!

 いいことなのか分からないが……

 いや、やっぱり……


「あの、何割かはレティシアさんが持っててくださいませんか? その二十億返済したらはいお終い、な仲にならないと思うんですけど、何か不安で……」

「……分かったわ、勿論。私は貴方たちが二十億返せるのを信じてますし、その後も良きパートナーとして付き合っていきたいと思っていますの」


 私は恐る恐る言うと、レティシアさんは微笑んで応えてくれた。


「ありがとうございます!」


 その言葉に、私は頭を下げた。


「──それで、お仕事なんだけど。取りあえずヒースに任せたの、何かある」

「……」


 副社長はむすっとした表情で書類を出してきた、若干乱雑に、ムカつくな。

 でもそんなこと口にしたら何かあると思ったので、何も言わず私はざっと書類たちに目を通した。

 金額と内容、緊急性で私は選んだ。


「これで」

「はい、これ……え?」


 レティシアさんは目を疑うような顔をして笑っていない笑顔を浮かべた。


「副社長? ヒース? なぁにこれ? 何でアグレル鉱山のテロリスト鎮圧が入っているの⁇ 私新人向けのリストでっていったわよね?」


 笑ってない笑顔で副社長のヒースさんを見る、ヒースさんは目をそらした。


「ロボットたちがウィルスで操られ、人質はいない状況ですから。その中に入れておきました。これ位やれば実績にもなります」


 ヒースさんが悪びれもなく言うと、ロゼッタさんのブレーンバスターが決まった。

 ……生きてるのかな?


「これは私は許可──」

「許可ください! ロボットたちを助けたいんです!」


 レティシアさんの言葉を遮って私は自分の思いを言葉にした。

 だから選んだんだ、この依頼を。

 ロボットたちを助けたいから。


「……分かったわ、一応念の為開発していたパワードスーツを着ていって」

「ぱわーどすーつ?」


 レティシアさんの言葉に私は首を傾げた。



 真っ白なパワードスーツ、テレビで見ためっちゃ高額の奴がトラックから降りてきた。

 それと、真っ白なテレポート機能付きの新型の強襲型宇宙戦艦。


「あ、あの、こ、これ?」

「先行投資ということで、頑張って。あと、これらはまだ試作品だからデータが欲しいの」

「つまり借金」

「ごめんなさいね、試作品でもお金はかかってしまうの……本当はタダにしたいのだけど……」


 挙動不審な私に、にっこりと笑うレティシアさん。


「が、頑張ります!」


 なんとかそう返したが、確実に借金がまた増えたなと遠い目をする私だった。


 私と、メフィストたちで戦艦に乗り込み、宙に浮いて安全圏でテレポートを実行する。

 あっという間に火星のアグレル鉱山前。


「すごいなぁ……」


 ずっと昔にテラフォーミングは終わっているが、開発は色々あってまだまだ途中らしい。

 鉱山を見つけたのがモナルの採掘ロボットたちで、その場所へと戦艦から下りて足で向かう。


「……値段聞くの怖いけど、これなら行けそう」


 戦艦から下りる前に着用したパワードスーツのお陰か体が軽い。

 が、上手くパワードスーツを使いこなせず、若干ぐるんと回ったり転がったり、躓いたりしながら、短時間でパワードスーツの使い方を体に覚え込ませていった。


「──で、なんでお嬢が突撃するんですか⁈」


 クラレンスが怒鳴った。

 私の「家族」、感情が高ぶると私のことお嬢呼ばわりなんだから。


「いや、まぁ貰ったものは使わないと」


 そう返す私。


「オレ達でどうにかできる」

「そうじゃぞ、儂等で──」


 レイジングとガンツが何か言ってるが、無視した。


「はい、突撃ー‼」


 そう叫んで鉱山内部に突撃していった。


 後ろで「お嬢ー!」と皆が叫んでいるがこの際無視無視。


 数十体のロボットたちが襲ってくるが照準機能を使って超強力なトリモチランチャーで動きを封じる。

 ロボットたちに怪我はさせたくないからね!


「お嬢! 突っ走りすぎじゃ!」


 採掘機を私に向けてくるロボットからガンツが頑強な体で防ぎ、レイジングが警棒のような停止装置を叩き込み、ロボットの機能を強制停止させる。


「全くこのじゃじゃ馬は!」

「ごめん」


 二人に未熟というか危険な目に合わせられないと思わせた時点でちょっと失敗したなと思った。

 家に帰ったらパワードスーツで動く練習しなきゃ。


 そんなことを考えながらテロリストを捜す。


「テロリストさーん、投降してくださーい!」


 部屋を片っ端から開けていき、最後の部屋にテロリストたちが金や宝石の原石などを、かき集めていた。


 テロリストは実働部隊が5人、ハッカーらしき人が一人の六人という数は少ない。


「お嬢、気をつけろ、こいつら精鋭だ。使用しているのは軍で使われている代物だ」


 レイジングが私に忠告する。

 レイジング達は法律上、人間への直接攻撃はできない。

 ロボット相手なら制圧できるけど、人間のテロリストを捕まえるのは私の仕事だ。

 銃をこちらに向けて撃ってくるが、水の様なバリアが目の前に出現してそれらを阻害する。


 指揮官らしき人物が、メフィストたちをハッキングするように命令するが、とある知人のお陰でハッキングできないんだよねこの四人。

 銃と重火器を持った二人がさらに距離を取る。

 銃弾が次々と飛来した。

 だが、その全てを水のようなバリアが受け止める。

 なんだこのバリア。

 近接系らしき人物が拳とナイフで向かって来て、私はパワードスーツの頑丈さと、動きを補助する機能で、何とか対応する。

 どうしよう、ロボットたちはどうにかできてもテロリスト制圧できませんでしたなんてオチは避けたい!


「見えてるからだめなんだよーだ!」


 メフィストは煙玉をばらまき周囲を見えなくする。

 でも、私のバイザーにはテロリスト達の姿がはっきりとかたどられていた。

 自動補助機能で、4人を上手いこと、煙で動けない状況を利用して真っ先に銃を持っている2人を叩きのめした。

 その後指揮官を補助を使って叩きのめした。

 これで鎮圧できる、そう思った。

 が、近接系の1人の拳がパワードスーツにガンと当たり、バイザーに『肩部装甲損傷』とでた。

 バイザーには「肩部装甲損傷率45%」と表示されてい。

 あれで45%⁈

 もう一発喰らったらやられる!

 危険を感じた私は、次の拳を自動補助機能で避け、拳を腹にたたき込み何とか撃沈させた。

 ハッカーは自動照準のティザーガンぶっぱして動けなくしてパソコンと向き合う。


「えーっとシステム再起動させるには……」

「お嬢様、1人で行かないでください!」


 クラレンスが怒声を上げるが気にせず、尋ねる。


「ねぇハッキングされた子たち再起動させたいんだけどどうやりゃいい?」

「ちょっと貸してください、全く私が、分析と解析機能などに特化した兵器に改造されていなかったらこう上手くできませんでしたよ!」


 私のお願いにクラレンスはため息をついてから小さなパソコンを器用に扱い、そして──


「はい、ウィルス除去! 再起動しました!」

「様子見に行こう! あ、その前に」


 叩きのめした連中をパワードスーツに内蔵された特殊素材のロープで縛り上げる。


「これ特殊素材のロープだから逃げられないよ」


 そして、待機していた警察とポリスロボットに突き出し。


「では、お疲れ様でしたー!」

「君達本当にただの民間企業か⁈」

「いえーす! 借金20億の零細企業でーす!」

「は?」


 と言って立ち去った、向こうが唖然としていたが、気にしない気にしない。








会社実働。

碧が猪突猛進なのがよく分かると思います。

これの報告を聞いたらレティシア社長はきっと何かするでしょう。

あと、メフィスト、クラレンス、レイジング、ガンツの四体がこの株式会社パトリのロボットですが、碧を止められない位、碧も実は切羽詰まってます。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

次回も読んでくださるとうれしいです。

2026/05/27加筆修正しました

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