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21.和スイーツ巡りを遮る者達~元友人、現敵~

和スイーツ巡りをするとレティシアに言うと、レティシアも参加すると言い出し。

一方的に電話を切られた碧、当日やって来たのは──




『碧さん、順調ね』

「そうですね」


 夜の日課のレティシアさんとの会話。

 ベッドの上のんびりと通信機越しにお話をする。


『次の休みは、ご友人とノウェムと和スイーツ巡りなんですって?』

「はい!」


 ノウェムさんは甘い物が好きだからきっと喜んでくれるだろうなぁ。

 みっちゃんはスイーツの解説をするのが好きだから楽しんでくれるだろうなぁ。

 それが嬉しくて元気よく返事をした。


『……羨ましいわ』

「え」


 返ってきたのは「羨ましい」という言葉だった。

 どういうことと困惑していると──


『私も和スイーツ食べたいわ! お願い私も参加させて!』

「いや、モナル社社長が歩いてるの見られたら──」


 ええ⁈

 レティシアさんも食べたかったの⁈

 でも、モナル社の社長さんであるレティシアさんが歩いてたら危ない可能性があるだろうし……


『大丈夫、変装するから! ノウェムには伝えておくわね!』


 通信を一方的に切られた。


「……」


 何も言えなかった、ただ明後日の日曜日が怖い。

 そう思いながらベッドの掛け布団を被った。


 日曜日、待ち合わせ場所でみっちゃんが来る前にノウェムさんと到着。


「……」

「…………」


 前なら弾んだ会話も、今回はどうなるか分からない恐怖で無言になってしまっていた。

 

「……どうするのレティシアさん?」

「わからん」


 私がようやく口を開くと、ノウェムさんは首を振った。

 ノウェムさんも想像できないんだろう、これは怖いぞ。


「ノウェム、碧ちゃん」

「「⁈」」


 レティシアさんの声に反応して驚いて振り返ると、そこにはピンク色の髪をしてサングラスをかけた女性が立っていた。

 隣には青いメッシュが入ってた以前会ったあの少女がいた。


「セクスと一緒にきたのか」

「ええ、何かあったらね。それとその名前はいやだからセスって呼んで」

「分かった」


 レティシアさんはサングラス越しにウィンクした。


「レティって呼んでね」

「アッハイ、レティサン」


 にっこり笑うレティさん(レティシアさん)に、私はそう返事をするしかできなかった。


「……」

「ノウェム?」


 どうやらノウェムさんも相当戸惑っている様子。

 だろうね!


「……分かったレティ」

「宜しい、セスもお願いね」


 レティさんが少女にそう言った。

 セス? あれ、似た名前の聞いた事あるな?

 私は首を傾げた。


「はい、レティお姉ちゃん」


 セスさんは満面の笑顔でレティシアさんをレティお姉ちゃんと呼んだ。

 あ、姉妹か親戚設定なのね。


「碧ー! ノウェムさーん!」

「みっちゃん!」

「美奈! 今日は調子が悪くなったら直ぐ言うんだぞ」


 みっちゃんが来たので私とノウェムさんは声をかける。

 まだ本調子じゃないから無理をして欲しくないからだ。


「はい!」


 みっちゃんは元気に返事をした。


 でも前回のスイーツ巡りはノウェムさんを楽しませたい一心で無理をし、三日休んだということもあるので、ノウェムさんはみっちゃんを気にかけてる。

 みっちゃんはまだ病気だから仕方ない。

 それでも、こうして人前に出られるようになっただけでも大きな進歩だ。


「みっちゃん本当に大丈夫?」

「うん、お医者様がいいお医者様でね、それにお薬も今の私に合ってるの。具合が悪くなった時の頓服も持ってきてるよ⁇」


 自信満々に言うみっちゃんに、私は内心呆れた。

 いや、頓服使う前に帰ろう、帰らせよう。

 それがみっちゃんの為だ。


「頓服使う前に帰ろうね、送っていくから」

「碧、いつもありがとう。ところで、そちらの方達がノウェムさんの知り合いで今日一緒に和スイーツ巡りに参加する方?」


 確かに大分よくなっているのか人見知りが結構改善されている。

 私はちらりと、レティシアさんたちをみる。


「あ、うん」


 生返事しかできなかった。

 が、レティシアさんたちは凄かった。


「Hallo‼ ワタシ、レティ‼ こっちは妹のセスよ!」

「Hallo! 私はセス! レティお姉ちゃんと一緒に来たの!」


 先ほどまでの様子と全然違う。

 演技力が凄すぎる、一体どういう人生を歩んだらこんなの簡単そうにできるの?


「ノウェムさんの知り合いってことはモナル社関係の方ですか?」

「一応ネ!」


 みっちゃんの問いかけにぼかしてレティシアさんは答えた。

 それにしても、本当に演技モードがすごい。


「ノウェムに碧サン、早く行こうヨ! えっと……」

「美奈です」


 みっちゃんは微笑んだ。

 みっちゃんは気付くまい……目の前の明るい別の国の人が自分を助けてくれた社長さんだとは……

 そもそも社長だって知らない様子だしね。

 それにしても、レティシアさんの演技がすごい、初対面設定で知らないから名前が出てこないのをちゃんとやっている。


「美奈サンもいきましょウ!」


 こうして私たちの和スイーツ巡りは始まった。


 相変わらず、和スイーツ喫茶店のスイーツをノウェムさんは完食していた。

 レティ(レティシア)さんとセスちゃんは食べさせっこしてたし、それを見てみっちゃんはにこにこしていたので。


「つぎはこっちの和菓子屋さんに行きましょう」

「Wow! 楽しみ!」


 レティ(レティシア)さんは嬉しそうに笑っている、セスちゃんもにこにこしている。


「こっちの和菓子屋さんのパフェ、特大サイズがあるんですよー!」

「特大サイズのパフェ……」

「ノウェムさん、よだれ」

「!」


 特大サイズのパフェというみっちゃんの言葉に、無意識だろうがノウェムさんの口端からよだれが少し垂れていた。

 そこまで食べたいのは分かるが、もうちょっと落ち着こうねという意味合いで指摘すると、慌てて口を拭っていた。


 そんなノウェムをお二人は微笑ましそうに眺めている。


 このほのぼのした時間が続けばいいなぁ、と思っていると。

 町中で声をかけられた。

 正直二度と会いたくない人物。


「「「碧! 美奈!」」」


 振り返ると元友人の百木(ももき)桃花(ももか)たちがいた。


「知り合い?」


 レティさん、もといレティシアさんが言うので私は言った。


「元友人、現在縁切った連中」


 きっぱりと言い切った。

 事実だし。


「そ、そんなこと言わないでよ!」

「私達反省してるからさぁ! 」

「だからお願い、私達、本当に反省してる話だけでも聞いて」

「何?」


 私は不愉快そうに聞くと──


「「「雇ってお願い!」」」


 こいつら、どれだけ面の皮厚いんだ?


 私を陥れるためにデマを流した連中だ。

 レティシアさんが動いてくれなければ今頃どうなっていたかわからない。


 その情報に騙されたメフィストたちも「お嬢! 枕だけは止めてください!」って言ったからキレて金属バットで殴ったレベルだぞ。

 桐人兄さんと学校と、宗一お爺ちゃんは冷静に対応して、レティシアさんが犯人突き止めてもとい情報開示請求してあれだけ和解金出す羽目になったから今必死なんだろうな!

 自業自得だ。


「男子たちとそろって碧の事を陥れようとした人にパトリで働かせるのは私は反対します」

「美奈は黙ってな!」


 その言葉にみっちゃんが顔色を悪くする、私は抱き寄せ、背中をさする。


「今まで色々手助けしてきたのに、仇で返すような奴にはウチの会社で働かせる義理はねぇ!」

「そんな、私たちもだって……」


 その言葉にカチンと来た。

 私たちも、だって?


「宿題忘れたといって写させたのは誰? 彼氏とデートがあるからと言われて掃除変わったのは誰? 上級生に目をつけられているから助けてって言ったのは誰? ねぇあんた達だろう! あんた達こっちに助けてばっかりで私たちのことなんか助けようとしなかった!」


 怒りをぶつけると、連中は怯んだ。

 それでも何か言いたげな様子だったがレティ(レティシア)さんが私の前に立った。


「──百木桃花さん、仁川(にがわ)怜菜(れいな)さん、斉藤(さいとう)希美(のぞみ)さんでしたか」


 レティさん、いや、レティシアさん(・・・・・・・)が口を開いた。


「な、なんでアンタ私達のことしってるのよ!」

「社長命令で調査させて頂いてますから、貴方達が碧さんを陥れようとしたのが発覚した時から」


 レティシアさんは、正体明かさないまま言う。


「百木さん、貴方は自分の会社の社長と不倫をして、奥様から慰謝料を請求されてますね」

「な、な、なんで、そのことを」


 え、百木。

 アンタ人のこと枕営業で陥れようとしてたのに、自分は不倫してたの?


「仁川さんはホストクラブにハマり、借金してまで貢いでいるから、借金の額が膨れ上がっている」

「ど、どうして知ってるの?」


 仁川アンタ、男癖悪いの知ってたけど、ここまで来ればもはや病気じゃん。

 どんだけ借金したのよ。


「斉藤さん、貴方は大学でいじめを行い、現在は停学、しかし此度の行動で退学が告知されたようですね」

「う、うそ!」


 斉藤、アンタいじめしてたんだ、最低だな。

 で、今回の件学校にレティシアさん報告したんだなこっそり、なるほど。


 三人三様に顔色が青くなる。

 レティシアさん、こえー。

 敵にはしたくない。


「あいにく、モナル社と共同しているパトリの社員募集や社員の登用は碧さんと社長の両方の認可が必要です。モナル社の社長は貴方達は不可との事です」

「う、嘘よ!」


 ぎゃあぎゃあわめく三人、うるさい。


「ノウェムさん、みっちゃん連れて帰ってくれます」

「……分かった」


 ノウェムさんは少し不安げだったが、みっちゃんの手を取った。


「ごめんね」

「気にしないで」


 ノウェムさんはみっちゃんを連れて行った。


「宣言したとおり、アンタ達には嫌な目に遭わされたし、今回のことも書くつもりでしょう?」

「そ、そんなつもり」


 嘘だな、その言葉。


「既に書いているようですが?」


 SNS画面を確認しながらレティシアさんは言う。

 見つけるの早すぎ!


「また、開示請求させてもらいますので、首を洗って待っててください」


 半べそをかいて三人は逃げていった。


「では遠慮無く……」


 レティシアさんは弁護士に連絡した。


 後日、和解金をもって来た三人のご両親。


 全員、二度とこんなことしないように田舎に引っ越して、そこで監視して働かせると謝罪された。

 田舎、一応大昔の田舎よりは大分マシだけど、ガチ田舎だったら……哀れ。


 多分車の免許持ってない三人は脱出は不可能だろう。

 何より両親の監視があるし。


「あー腹立ったから鯛焼きのやけ食いだ、カスタード十個!」


 そう言って、ノウェムさんが戻ってくるまで鯛焼きをやけ食いする私と、それを微笑ましく眺めるレティシアさんにセスちゃんがいた。

 私としては微笑ましくないけどね!


 ……何が微笑ましいんだろう?

 怒りながら、鯛焼きやけ食いしてる私の一体どこが?

 理解できない……




和スイーツ巡りを楽しんでいたところに、碧が縁切りをした元友人知人たち。

碧も言いたいことを全部言い、そしてレティシアがとどめを刺しました。

結果、彼女達は遠い田舎に引っ越しそこで農作業に従事させられるでしょう、農業従事ロボットたちと一緒に。

ロボットの監視と、家族の監視、この二つがある限り彼女達は二度と都会に戻れないでしょう。

お金も管理されて、遠出できないようにされるでしょうし。


碧の枕営業デマをしなければ良かったんですが、やっちまった後反省して真面目に生きてればこんなこkとにならずに済んだはずでしょうね。


ここまで読んでくださりありがとうございました。

次回も読んでくださるとうれしいです。


加筆修正は前回まで行います。

今後は読みやすいように気をつけて投稿して行きたいと思います。

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