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【完結】ソルの恋 -悪役令嬢は乙女ゲー的な世界で愛を知る?-  作者: 漆沢刀也
【最終章:王太子編】
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第168話:冷え切った眼差し

【個人的な連絡です。お目汚し失礼しました】

某チャットが急に閉鎖されてしまった件について。

このメッセージに心当たりのある方は、自分宛にX(旧Tiwtter)か、なろうのメッセージへご連絡をお願い致します。

新しいチャットを用意しています。本人確認が取れましたら、招待URLを送らせて頂きます。

他に連絡着いた方達は、既に合流済みです。みんな合流を待っております。

 リュンヌが死んだ翌週。

 放課後、ソルの様子を聞くため、エリアナはリコッテを自宅に招いた。

「今日は、ソルさんは学校に来ませんでした。ひょっとすると、しばらくは学校に来られないかも知れません」

 無表情に、感情の籠もらない口調でリコッテが言ってくる。


「あら? そうなのね。一体、どうしたのかしら?」

 エリアナがそう言うと、リコッテは苦々しく呻く。

「ソルさんは、酷くショックを受けていました。リュンヌ君が。幼い頃からずっと、家族同然に生きてきた人が突然。死んでしまって。私も、お葬式には出たけれど。本当に、酷い状態で。食べ物どころか、飲み物もろくに喉を通らないって聞きました」

「あらあら? あの女にも随分としおらしいところがあったんですのね?」

 リコッテは俯いた。


「無理していたんだと思います。これまでにも、立て続けに身の回りに色々なことが起きて。そんなときに、ですから」

「まあ、そうですわねえ。これでも平気な顔をしているというのなら、面の皮の厚さが分厚すぎですもの」

 納得だと、エリアナは頷く。

「どうして?」

 リコッテが上げた疑問の声に、エリアナは怪訝そうに首を傾げた。


「エリアナ? あなた。どうして、笑っているの?」

「どうしてって? 当たり前でしょう? あの、忌々しいソル=フランシアが倒れているんですのよ? こんなにも面白いことはありませんわ」

「全然、おかしく何てありませんっ!」

 リコッテが叫ぶ。


「エリアナ? あなた。何言っているの。人が死んだのよ。リュンヌ君が。毒を盛られて。必死の治療の甲斐なく、何時間も苦しんで。血を吐いて。あなたなんでしょ? リュンヌ君を……リュンヌ君を……」

 涙を流し、歯を震わせながら、リコッテはエリアナを睨んだ。

 エリアナはそれをつまらなさそうに眺める。大きく、溜息を吐いた。


「何のことだか、さっぱり分かりませんわね」

「誤魔化さないで! あなた、自分が何をしたか分かっているの?」

「リコッテ? 興奮するのは止めて。何か、証拠でもあるんですの? 私が? その、リュンヌ=ノワールとやらいう男を殺したとでもいう証拠が?」

「それは――」

 リコッテは口籠もる。睨むのは、止めようとしないが。


 にたぁ。と、エリアナは唇を吊り上げる。

「まったく、幼い頃からの友達を疑うだなんて。酷いですわねえ。疑われても仕方ない立場だという自覚はありますけれど」

「そう。そういう事、言うんですね」

 リコッテは肩を落とした。


「あなた。何ですの? その目は?」

 エリアナの問い掛けに対し、リコッテは嘆息で返した。

「もう、いいです。エリアナがそう言うのなら。それで。でも、私はもうエリアナのことを信じられない。友達も、止めさせて貰います」


「何ですって?」

「あなたはもう、私が好きだったエリアナなんかじゃない」

 長年付き合ってきた少女から。未だ見たことが無い軽蔑の眼差しを向けられ。エリアナは拳を握りしめる。

 暴発しそうになる感情を。しかし、彼女は堪えた。


「そう。残念ですが、好きになさい。ただし、先に言っておきますけれど、下手な真似は考えない方が良いですわよ? あなたも、潔白というわけではないのですからね?」

「ええ。それは、分かっています。安心して。別に裏切るつもりは無いですから。ただ、これ以上はもう。エリアナに協力出来ないっていうだけ」


「そう。なら、私の方も、あなたにこれ以上の協力はしませんわ。それで、いいっていうことかしら?」

「そうね。家から独立して。素敵な服をデザインして、それを売る。私の夢ね。でも、もういいです」

「諦めるということ?」

 リコッテは首を横に振った。


「いいえ。私が、自分の力でやってみせます。私に必要だったのは、きっと覚悟だけだったと思うから」

「ああそう。上手くいくといいですわね」

 投げやりに、エリアナは言った。


「エリアナ。私はね。本当にあなたのことが好きだった。尊敬していた。思惑があったにしても、アプリル君と恋人にしてくれて、感謝もしていた。自分を変えようって努力して、生徒会長にまでなって、みんなのことを思いやった活動を続けてきたあなたの友人であることが、誇りだった。だから、最後にこれだけは言わせて貰います」

「何かしら?」


「もう。こんな真似はすべきじゃない。手遅れよ。アストル殿下は、ソルさんの容態が良くなる頃を見計らって、大々的に夜会を開くつもりです。じきに、エリアナにも招待状が届くと思います」

「何ですって?」


「これまでのことから、ソルさんに対して何者かの手による妨害があるのではないかという話が浮かびました。だから、その夜会で貴族達にソルさんがアストル殿下にとって大切な人間だというアピールをして。ソルさんには有力貴族達に繋がりを作らせ。これ以上の手出しをさせない地盤固めをしようという狙いです。この後はもう、ソルさんは名目共にアストル殿下の恋人という立場に落ち着くことになるんでしょうね」

 リコッテは、踵を返した。背中越しに「さよなら」と言って、彼女は部屋を出て行く。

 リコッテが消えた空間をエリアナは冷えた生差しで見詰め続けた。

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