第23話 他の客をののしるべきではない
「こんな武器はどうですか!」
獄獄はどデカいロケットランチャーを取り出して肩に構えた。
(そんなもんあるの?! この世界、やはり現世と何かしら繋がりがあるのか....)
わたしは首を横に振った。
「んじゃこれは!」
獄獄は見たことのある小銃を取り出した。
カラシニコフ小銃だっけ、いわゆる....
――「元はAK-47と呼ばれていたそうですが....」
「あたしたちが魔術用に弾倉を改造させて作ったこれは、その名もAK◯◯8なのです!」
「なんで1増やしたんだ、ややこしい....」
「へ?」
「ああ....それはいらないです」
「もう! お客さんは何が欲しいのさ、というか誰に武器を持たせるのです!」
「そうだね....本人たちを呼ぶね」
ミントが指をパチンと鳴らすと、彼女の真っ黒な影が周りに広がっていった。
そこから顔を覗かせた6体のスケルトン、それぞれが獄獄に軽く会釈をした。
「へえ。お客さん、ミント様の影にスケルトンを住まわせているのですか」
「そう、わたしの護衛の魔術。影の中はとても広いらしいよ」
「じゃあいろんな武器を買えますね!」
獄獄は目を輝かせた。瞳の中には$の文字が見えたような気がした。
「うん、まあ....じゃあ本人たちに選ばせる」
スケルトンたちは骨をカタカタと鳴らしながら、店内の棚に置かれた武器を見て回った。
釘バットを嬉しそうに握るスケルトン。されどミントの睨むような視線に気づくと、そっと棚に戻した。
――そこで店の扉が開いた。
「いらっしゃい! .....あ」
「チッ」
入って来た人物はスタイリッシュなメイド服を着ており、紫色の髪の毛は毒々しい雰囲気を漂わせていた。
何よりも大きく伸びたうさぎのような耳が生えている。山岳地域にいる“ペテロ”とかいううさ耳の種族だろう。
彼女は棚の武器を眺めていたミントを鋭く睨みつけた。
「いつからこの店は小便臭いガキとスケルトンの溜まり場になったんだ?」
気の強い種族なのか、と勝手に納得したミントは彼女を無視する。
「アッ.....」
一方で獄獄はまたしても凍りついていた。ついでに周りのスケルトンたちも凍りつく。
獄獄は細々と言う。
「そのお客さんはミント様....なのです」
「はぁ? なんて? この客が誰だって?」
うさ耳のメイドは怒りっぽく獄獄を問い詰めた。
「ギガ....ミント様です! 彼女はミント様ご本人なのです!」
「マジなん?」
「マジ、なのです」
「人違いの可能性は」
「なし、なのです」
「やばい?」
「やばい....のです」
うさ耳メイドのギガは黙って大きく息を吸った。そして瞬きよりもさらに速いスピードで土下座をするのだった。
「すんません!!!!! ボスとは知らずに無礼を言ってしまいました! このギガ、死んで詫びさせていただきます!」
「えぇ.....」
エクサはとんでもない組織を作ってしまったのかもしれない。
ほんと、全員おかしいよ....




