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ミントは世界を楽園に!  作者: 溟yuu
教団のはじまり
17/29

第17話 光を放て、マグ・メル

 「お久しぶり、エクサ」


 「ミントちゃん....始めさせていただきます」


 「うん」


 ミントが頷くと、すぐに静かな夜景に大砲の音が響き渡った。


 現れた岩肌のゴーレムたちは街を踏みつぶし、ガーゴイルの爪が兵士たちを裂き、雪の乙女らが人々を凍らせた。


 王宮への道。エクサはミントの隣を歩いていた。


 「エクサ、その服はなに?」


 黒い軍服のようなものをエクサは着ていた、なんというかバンカラ風である。


 「儀礼用の服だよ」


 「へえー....」


 「ミントちゃんも着たかった?」


 「うん」


 「うわ....ごめん!」


 「いいよ、今度着させてもらう。そういえば、なんで来てくれたの?」


 「一人で王都を侵攻するなんて、放っておけるわけないじゃん」


 「“英雄”の復活をしに来ただけだよ」


 「それはもう国家の否定なの。私たちが兵を引きつけてあげるから!」


 「ありがと....」


 「代わりに今度ミントちゃんのその“ゴス”? ってファッションについて教えてね!」


 「うん」


 「やった! みんなも真似したいってよ!」


 その時。轟くような足音と共に、ミントたちの両横を大勢のスケルトンが走って通り過ぎる。百体どころではない、その何倍もの大群だ。


 「めっちゃいるじゃん、スケルトン」


 「これは()()()ってやつの魔術だよ」


 「()()()....わたしが名前つけたあのスケルトン?」


 「そう!」


 「すごいね」


 「喜ぶんでくれるよ、その言葉....じゃ、部下たちのところに戻るね!」


 エクサは満面の笑みで手を振りながら、スケルトンの大群に紛れていった。


 スケルトンの大群は全て通り過ぎると、ミントは王宮がよく見渡せる広場にいた。


 「教会の人....?」


 ミントは男たちに囲われていた。市民に紛れた身なりだが、手の先の拳銃が銀色に光っていた。


 皆が彼女に狙いを定めている。


 「アルファ班、例のネクロマンサーを包囲したとペルキューダさんに報告しろ!」


 ミントはその言葉に耳を傾けず、ゆっくりと宙に浮かび始めた。風が彼女を掬い上げるようだった。


 「撃て!」


 皆が一斉に引き金を引き、12発の金色の弾が発射された。


 するとミントの前に現れた、大きな鎧に全身を包んだ人物。彼の持つ大剣を横に大きく振ると、突風と共に銃弾は弾はじかれた。


 「ヒザマ..ズケ」


 (はじ)かれた弾は男たちの喉に全て着弾して、全員が呻めきながら膝をついた。


 まるで祈りの姿勢。宙に浮かんだミントは微笑み、夜風が髪をそっと撫でた。


 いつの間にかその華奢な手に握られた、黒色の禍々しい剣。


 その剣先を王宮へと向けた。


  「メメント・モリの執行者として。我、ミントは......

これより“英雄”の復活を行う」


 そして言う。


 「150名の信徒....我に命を預けよ。」


 その言葉と共に広場の石畳を割って出てきたのは、“がしゃどくろ”のようにも見える、光り輝く巨大なスケルトン。


 「さらに61名....我に命を預け....」


 どの建物よりもさらに大きなスケルトン。その口は四つに割れていて、奥が眩しいくらいに光りだした。


 「そして光を放て。マグ....メル」

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