05 ごっちゃんゴール
【レン!】
何だこれは。
球体状のものが発生してはノロヰ呑み込んでいく・・・
10秒もかからずにノロヰが残りの消してしまった。
「よう耐えたな皆の者。感謝する。」
ミマキ様だ。
しかし、なんだあの力は?圧倒的じゃないか。
ただ消し去る。
攻撃する必要も、防御をする必要もない。
人の範疇を凌駕する能力だ。
しかも最後の最後の良い所を全て持って行くジャ◯ブ主人公の王道スタイルだ。
これは文句を絶対に言ってやる。
何から言って・・・
景色が遠のいていく。
俺は気を失ったようだ。
はてさて、読者の皆さん。多少面白い展開になって来たんじやないでしょうか?
ミマキ様というこの国の王、その側近。何か分からんチカラ。そもそも美和とは。
これはなかなか伏線じゃないですか?
伏線回収失敗しないように頑張ります!
ただ、怖いし疲れます。
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全身バキバキの状態で目が覚めた。
圧倒的筋肉痛と戦後最大級のダルさ。
初戦闘後だから当たり前か。
何もしたくない・・・
「ヤエさま、、、」
全く気付かなかったがミナが横にいた。
俺 「みんな無事か?」
ミナ 「はい。みんな無事です。」
大泣きし始めた。
ミナ 「心配したんやで・・・ひっく。戻ってきたら気を失ってるし、父とヤエだけで戦っったって聞いたし・・・・ひっく。ウチは何もでけんし・・・ひっく。」
あらら、これは萌えな展開というヤツ?
疲労困憊なのでそういう感情はわかない。ただ、心配させてしまった事は申し訳ないと思う。何か言ってあげれば良いのだが思考が停滞してるので何も思い浮かばない。
炎上しそうなコメントが思いつく・・・だからコメントしない。
気まずい空気が流れる。
ミナ 「ひっく・・・ひっく」
仰向けで寝ている体を起こしてみる。
腹筋がやばい。痛すぎて力が入らず、体を起こす途中で断念した。
そのままバタンと死体のように倒れた。気を失いそうだ。
ミナ 「ギャーーーーー!」
うるさい。気を失わなかった。
オオミナ 「ミナ!何をしてんねん!」
オオミナが飛び込んできた。
助かる~~~。オオミナたまには役に立つ~~~。
オオミナ 「ヤエに何した!ミナ!」
ミナ 「何もしてへん!」
兄妹喧嘩が勃発した。
うるさいが先ほどの気まずい雰囲気よりは格段に良い。
もう一回寝よう。
翌朝なのか翌々朝なのか昼なのか分からないが目が覚めた。
体も動く。ちょっと慣らしに散歩に出よう。
皆出かけているようで、家の中は静かだ。これは気軽に出かけられる。
山の麓に降りてみると一気に太陽がまぶしい。山の中は涼しいが太陽に照らされても面倒な感覚はない。久しぶりに感じる直射日光のうざさが少し心地が良い。
屋敷から直線の先の十字路を左に曲がってみる。
体はもう回復しているようで、散歩が楽しい。
のどか~~~
ちょっと先に何人か若い奴がたむろしている。コンビニの前でたむろしている若者は怖いのと一緒で、村の寄り合い所でたむろしている若者は不良だ。
俺の偏見だ。
近づくと顔を知っている奴がちらほらいる。なんだ知り合いか。
「ヤエ様~」と若者の一人が気づいた。
確か、金屋んとこのアホボンだ。
この時代は名字がない。なので、地域や親の名前+その子の名前もしくは特徴、あだ名で呼ぶのが多い。
現代では考えられないが、この時代に現代の価値観が通じる訳はない。
後、村の子達との会話で名前の憶えていない子は「村の子A」などで表記します。
覚えてないのだから仕方がない。
アホボン 「元気になったんですね?」
俺 「何とかな~。それでお前ら何やってんの?」
村の子A 「こいつからヤエ様の話を聞いてました。」
俺 「何の話や?」
アホボン 「そりゃ、御魂移しの話に決まってますやん。」
俺 「あ~そっか、お前もおったな~。ケガは無かったんか?」
アホボン 「腹を下したぐらいで大丈夫です。」
俺 「・・・・うーーーーん。まあ元気ならええか。」
村の子B 「聞きましたよ。ノロヰの十斬り!」
俺 「あーーーまぐれ。まぐれ。適当に振ったら当たっただけやで。」
アホボン 「ちゃいますね。あれは。明らかに狙った動きでしたよ。ワシには分かるんですよ。最初のノロヰを切り上げてからの2体を同時に横払い。これは完全に狙ってます。しかも、四体目を横払い力を利用して体を回して切り上げ。
かっーーーー!これは皆に見せたかった。」
村の子達 「おーーーー。」と感嘆の声を上げる。
こういうヤツが話を噂話を大きくするタイプだ。
村の子A 「もう一回さっきのヤツをやってくれ。」
アホボン 「おうよ。」
さっきのヤツ?
アホボン 「聞けー!美和!春日の者たちー! 」「これよりワシもノロヰを倒しに行く!ワシが初めのノロヰ切ってから十数えよ!
その間に、このヤエとイズシとで真ん中を開ける!ヌシらは美和を先頭に突っ込んでこい!」
俺の完コピを始めた彼らはクラスの調子乗りとヤンキーのようだ。
若者のノリだ。しんどい・・・
アホボン 「これしきの事、できぬ者はここにおらん!ワシはそう思ておる!自らを信じられん者はワシを信じよ!ワシは美和の主ヤエである!」
村の子達 「ぅおおおおーっ!」
経験があるこの感じ。このコールアンドレンポンス後に若者がするのは決まっている。
村の子達 「あ!る!じっ!!あ!る!じっ!! あ!る!じっ!! あ!る!じっ!! あ!る!じっ!! あ!る!じっ!! あ!る!じっ!! 」
この悪ノリは時代を超えて現代にも受け継がれているのか・・・
タモさんでもない限り、これは止められない。
「ヒコ!」
アホボンとこのじいさんだ。
助かる~。
じいさん 「ヒコ!お前、道具を放りっぱなしでおるやろ。片づけてから遊べ!」
アホボン(ヒコ) 「わかったって。」
若者たちの悪ノリ終了。
助かる~。
俺 「はい、仕事に戻りや~。」
村の子達 「は~~い。」
地域に1人、頑固爺さんは必要だ。この時代に限る。
俺「じいさん。助かった。」
じいさん 「ウチのアホがすいませんな~。」
俺 「ええよ。」
じいさん 「ヤエ様。いや、もう主様と呼ばなあきなせんな。」
俺 「じいさんまで止めてくれ。」
じいさん 「美和中の者が言うとります。ヤエ様がいれば美和は安泰やと。」
俺 「ワシはそんなに偉ない。止めてくれ。」
じいさん 「最近のヤエ様はアホかなと思っとったが違いましたな。」
俺 「けなすんかい!」
じいさん「ほめとる。ほめとる。」
俺 「ほめてんやったら良いわ。じいさん、もう行くで。」
じいさん 「ヤエ様。美和を頼んます。」
俺 「はい。はい。分かったよ。」
じいさんと離れ、もう少し歩いた。
一応、病み上がりなのでそろそろ散歩の終了と引き換えそうとした時だった。
「よう、主。」
横を見ると人がいた。シキの兄ちゃんだ。
俺 「気配消すの止めてって言ってるやん。」
シキ 「すまない。偉くなったらしいヤエ様を見ようと思ってな。」
俺 「みんなして、よってたかってワシをイジッてるな~。」
シキの兄ちゃん。
この辺りに住んでる兄ちゃんだ。仕事は不明。たまに急に現る。
忍びのものかと思うほど気配を消すのがうまい。大体のことは知っているので分からない情報はシキの兄ちゃんに聞くことが多い。
俺 「どんな話になってんの?」
シキ 「この頃、お前はぼーっとしてると皆が言ってた。そのお前が宮移しで美和やミマキ様の守り人までも惚れるほどの働きをした。それは民たちは手のひらを反すという感じだ。」
俺 「俺はぼーーっとしてたんやな。」
シキ 「お前が覚えてないだけでお前は人が変わったようだったからな。」
確かに転生前の俺の事を言われても、そいつの人格や経緯が分からない。
シキ 「力も使えるようだし、お前の指図はなかなかだったぞ。」
俺 「見てたん?」
シキ 「シキは裏で見守り、支えるのが仕事だからな。」
俺 「それと気になってたんやけど、ミマキ様のあの力は何なん?」
シキ 「あれは、あの血の筋でしか成しえない力だ。あの人が見て望めば全てが消える。全く恐ろしい力だ。真似など到底できん代物だ。人の力ではないな。」
俺 「そうなんや。」
シキ 「お前にはお前にしか使えぬ力かある。美和の血もなかなかだぞ。」
俺 「そうなんや。」
まだまだこの時代、世界?は分からない事が多い。
シキ 「ヤエ、そろそろお呼びが掛かるぞ。」
俺 「そうなん。」
シキ 「そういう所がぼーっとしてると言われるのだ。」
俺 「そうなん。」
デカい声が聞こえてきた。どうせオオミナだろう・・・
シキ 「ヤエ、気張り時だぞ。」
俺 「そうなん。」
シキ 「お前は・・・・ではまたな。」
シキの兄ちゃんはさっといなくなった。本当に忍者の先祖かもな。
オオミナ 「ヤエーーー!ミワキ様が来てるぞーーーー!」
また、ややこしい案件そうだ。




