02 ノロヰの話
どこか悪いのかも分からないが現在農作業中です。
この世界では何歳かわからないが転生前はアラサー。
だいたい、仕事でミスして原因が分からない場合の対処方法は分かる。
基本に立ち返る事だ。
なぜ売り上げがでないのか?
なぜミスを繰り返してしまうのか?
劇的な対処療法はない。
基本的な事を地道に改善していく事だ。
農作業の場合、ちゃんと等間隔に植えられているか?
雑草は生えてないか?などだと思う。
とりあえず、見て真似して完成だけの俺の田んぼは確かに汚い。
地味に改善するだけだ。
で、真面目にやっていると真っ当な上司や先輩は見てくれているものだ。
ただ、気を付けなければならないのは「思っている倍理論」だ。
自分なりには頑張ってみたが認められない、成果がでない。
そんな事があるはずだ。
それは周辺の人間やマーケットにはまだ刺さらない努力値やアピール値なことが多い。
とりあえず、自分が思う倍やってみるのが近道な事が多い。
経験値が少ない、ノウハウがない時は有効な手段だ。
経験値やノウハウがストックできれば後で楽できることは多い。
こんな真面目な話をするつもりはない!
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次の日・・・・
「イズシ殿はおられるか?」
見知らぬ人物が訪ねてきた。
「我、春日よりミワキ様の使いにて参りました。」
春日から使者がだった。
急展開!
昨日のアレ!
アレ!アレ!アレ!
とりあえず静まれ俺。
使者は奥の間に迎え入れられ、待っている。
俺は一つ区切られた部屋から覗いている。
屈強な男だ。
上腕二頭筋も太いが、広背筋がやばい。
ウエストから異常に盛り上がっている。
ただのキング〇ムだ!
ココココココ
これ以上は述べません。
しかし顔つきには知性が感じられる。
落ち着いた出で立ちで才気があふれる感じだ。
オオミナとは大違いだ。
40代くらいか・・・
「お~シコオ~」
シコオ?・・・名前だけが残念だ。
「これはイズシ殿、お久しゅうございます。」
シコオが挨拶した。
「代替わりの時以来やからな。」
イズシのおっちゃんが返答した。続けて
「守り人の長も大変やろ。オオミナはちゃんとやってるか?」
シコオ 「勤勉に勤めております。この前も休みもせず門番を務めて最後は眠気に襲われ自分の目をついておりました。」
イズシ 「あいつはワシと似て生真面目が過ぎるな。」
シコオ 「私もそのような事をイズシ殿に言われました。これも血かと・・・」
イズシ 「主筋と違ってワシらはそうやな。」
シコオ 「それは仕方がないですな。」
イズシ 「ヤエも先代とよう似てきた。頭は良いが常に気を抜いてる。あの時より人が変わった気もするが、ワシの気のせいかもしれんしな。」
シコオ 「力の方はどうなのですか?」
イズシ「今のあいつならばと思う・・・が・・・迷っとる。」
シコオ 「察します。」
イズシ 「それで今日は何の用事や?」
シコオ「ヤエ殿も一緒にお話をさせて頂きたいのですが・・・」
イズシ「面倒くさそうやな~・・・ヤエー!ヤエー!」
これはやばい。横の部屋で聞いていたのがバレバレだ。
こんな時は万能の言い訳を使おう「寝てた」だ。
イズシ「ヤエー!」
俺「 はい。横の部屋で寝ておりました。」
イズシ 「何や。おったんか?聞こえてたやろ?」
俺 「呼ばれて起きました。すいません。」
イズシ 「それがあかんねん。気を抜くな。」
俺 「へへ・・・」
へらへらしている俺にシコオさんが話しかける
シコオ 「ヤエ殿、久しいな。」
俺 「お久しぶりです。」
全く久しくない!
転生するとこのパターンが厄介だ。
全く記憶がない俺と記憶のある相手。
当たり障りのない会話を重ねながらヒントを掴んでいくしかない。
だが!俺はアグレッシブな姿勢を貫く。それが俺の流儀だ。
俺「 どれぐらいぶりやろ~・・・全然覚えてないわ~」
と言いながら二人を見る。
ノープランで相手側に主導権を任せるという捨て身のやり方だ。
イズシ 「代替わりの時やろ。」
シコオ 「代替わりでは会ってません。」
イズシ「そやそや、ワシ一人で行ったな。」
シコオ 「なので、かなり前です。」
イズシ 「そんなになるかぁ。ヤエは覚えとんのか?」
俺 「覚えてるよ。でも記憶が薄いなぁ。」
良し!これで情報を得たうえであやふやに応対が可能だ。
主導権を渡し、情報を得る。
ハイリスクと思いきや情報を勝ち取ることが多い。
シコオ 「そうだろうな。仕方がない。話が反れました。本題に戻りましょう。」
イズシ 「そうやな。」
シコオ 「御宮移し場所を美和の近くにしたいとミワキ様が仰せです。」
イズシ 「・・・・」
シコオ 「いかがでしょうか?」
イズシ 「・・・・・」
ミワキ様とは今の王様。
御宮→宮中もしくは居城をウチの近くに置くと何か悪いのだろうか。
イズシ 「どうなるか、わからん。」
シコオ 「またノロヰがでる事もありますか?」
イズシ 「あるやろな。」
俺 「おっちゃん、ノロヰって何?」
イズシ 「そうか、まだ童だったから覚えてないやろな。シコオ説明したれ。」
シコオ 「分かりました。昔、クルの君の頃まではノロヰというものが出ていました。ノロヰとは各地に眠っておられる神様の神威が漏れ出て人の形なったものと言われてます。」
俺 「それが何か悪い事でも?」
シコオ 「神威自体は悪くないと思うのですが人の形になってしまうと人を襲います。理は不明です。」
俺 「それは危ないですね・・・・ノロヰはどうすれば倒せるのですか?」
シコオ 「倒せます。人と同じで剣で切れば死にます。ですが、いかんせん数が多いのが難点です。いつどこで出現するかも分かりません。民を守る上では非常に厄介です。」
俺 「・・・・・・おっちゃん、宮の神様とウチの神さんが近づくとノロヰが出る可能性は高いの?」
イズシ 「それが分からん。どちらも神威が強い神様やからな。」
シコオ 「それでミマキ様は一度、春日に来て話をしようと仰ってます。もちろんヤエ殿も」
イズシ 「そう言う事か・・・」
シコオ 「いかがですか?」
イズシ 「話をせんと分からんな。行かせてもらうわ。」
シコオ 「ありがとうございます。」
イズシ 「ヤエも良いな?」
俺 「分かった。」
これで話し合いは終了した。
これは・・・・・・・・
読者の皆さん!今度こそは【そして、歴史は動く】的な展開ですよね!
ここまで読んで頂けた皆さんに感謝です!
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その後、俺たちは春日に向かった。
春日までの道、田畑を耕す人と広がる緑・・・平和だ。
でも普段と違い人が多いのが気になった。
何事もなく春日に着いて早速、御宮の広間に通された。
おっちゃんは知り合いが多いのか挨拶をしている。
シコオさん以外、全く分からない。
「大きなったな~」と何回も言われて少し疲れた。
ほとんどは関西のおっさん、兄ちゃんの様な気さくな人が多い。
その中に一人だけ異質な人がいる。
ガテン系の中にほっそりとした人がいる。
勝手な予想だが頭も良さそうだ。
現代風で言えば色黒短髪の亀田4郎軍団にびっちりスーツの眼鏡エリートがいる感じだ。傍目から見ればヤ〇ザに絡まれているかのように見えなくない。
「皆様そろそろ始めましょうか。」
エリートが話した。
あれ?ほっそりエリートが亀田4郎を従え始めている!?
イズシのおっちゃんに聞いてみるとミマキ様の兄にあたる方らしい。
ほっそりエリートは亀田を従える権力者だった。
名は【マコト】様。
マコト 「ミマキはいつもの感じだろう。先に始めます。」
4郎達と俺たちは円形に座って聞き始めた。
マコト 「次の御宮の場所の件ですが、纏向で検討中です。」
美和のすぐ北側あたりで確かに近い。
マコト 「理由としては4点。土地も良く位置が良い、河内や伊勢との行き来しやすい。2点目は美和勢との行き来もしやすい。守り人に多くの美和勢がいるので何かと利便が良い。3点目はビビの君、クルの君のお体が良くなく、春日に残ってもらい極力離れた場所が御宮に良いと判断しました。それで4」
おっちゃんが手を挙げた。
イズシ 「さすがにマコト様。やはり頭が良いお方や。全部、納得ですわ。でもノロヰが出たらどうします?」
マコト 「それは、美和 と近くなった事で兵数が増えます。それで取りあえずは何とかなるかと・・・・それとこれは身内自慢と取れてかもしれませんがミマキの力はビビの君より強い。多少のノロヰは問題ないかと思います。」
イズシ 「それはそうかも知れませんが何かあってからでは困ると言うとるんです。」
マコト 「ですから、国の総戦力に近い状態を用意してるではありませんか。」
イズシ 「ミワとの距離が近過ぎるねん。オオミワ様も何をされるか予想がつかん」
マコト 「ですから、国の総戦力に近い状態を用意してると言っているでしょう。 」
イズシ 「その総戦力をもってもダメな場合はどうするんや!」
マコト 「イズシ殿、この国の主であるミマキの力をお疑いか?」
イズシ 「 ・・・・・」
亀田〇郎とエリート官僚とのディペートだ。〇郎には圧倒的に分が悪い。
マコト 「続けます。それと4点目ですが、これは付属的な理由ですがミササギを纏向で建設予定です。」
※ミササギ:陵墓。王様の墓
「?????」全員の頭に?が付いた。
大事ではあるが最優先事項ではない。
4点目だけ論理的な理由がない。
わざわざ纏向である必要が全くない。墓などは適当な空き地でいい。国の最優先事項では全くない。
マコトも何とも言えず沈黙している。
「デカいミササギを建てるんじゃ!」
皆が振り向くとソコにはミマキ様がいた。
ミマキ 「だからデカいミササギを建てたいのだ!」
この国の王はアホの子かもしれない・・・・・・




