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ヤマト転生~古代に転生したら祟り神にされた俺の不幸話を聞いてくれ~  作者: nishide-ya


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13/16

13 布津の神移し#3

「超攻撃型曳手陣形」

新しいチカラを最大限に利用した陣形。

いや新しいチカラだから可能な陣形とも言える。


俺が遊軍として働いたとしても、移動するのは徒歩となる。

それでは移動にどうしても時間がかかる。

そして移動そのものも攻撃の意識の邪魔となる。


神輿の上に乗る事で移動というものを捨てた。

これで攻撃に意識を集中できる。


ヒコ 「ヤエ様!そろそろ先頭にも篝火が届きます!」


【ケのチカラ】

任意の物を遠くに飛ばすチカラ。

そして、纏向に作ってもらった手槍。

これを合わせて「超遠距離速射砲」と昇華させた。


先頭の剣を持ったノロヰを探す。

3人がかりで相手をしているアレか。

ノロヰはデカい。守り人より頭が一つ抜けている。そこを正確射撃を行う。

フレンドリーファイア(誤射)の可能性は低い。



【カムナのチカ】

この能力を目標を視認さえできれば射撃可能。

目標物に向かって浅く斜に構え腰を落とす。

手槍を見て能力を移す。


ノロヰに向かって左手を当てる。スコープの代わりだ。


手槍を持った右手を引く。

能力が伝わった手槍はほぼ空中に浮いている状態だ。


ノロヰを動きを予測し照準を合わせる。


距離は25m前後か。


視認完了(ロックオン)


【ケン!!!!】


槍投げのように投げた手槍はチカラを纏い、目標物に引き寄せらるかのように直線軌道を描く。


神輿の上から投げられた手槍は守り人の頭を超えノロヰに向かう。


空気抵抗や重力は関係ない。


「バァススススッーーーーー!」


よし!ノロヰの頭にクリーンヒットした!

ノロヰはそのまま崩れ落ちて逝った。


使える!

ぶっつけ本番、ミスの可能性も大きかったが何とかなった。


「ヤエ殿!」


神輿の下から声が聞こえた。シコオさんだ。

頭に布をぐるぐるに巻いている。


シコオ 「大事ありません。後はお任せください!」


替えがいないから任せるしかない。

これでノロヰが消えはしないし、発生量も変わらないがこれ以上発生量が増える事は無いだろう。

纏向まで残り1/3程度。

守り人もかなり疲弊してきている。

ギリギリか・・・・

根性論になるが俺が頑張るしかない。


前後に発生した剣持ノロヰを中心に射撃する。


【カムナのチカ】


剣持ノロヰは幸いにも少数しか発生していない状態だ。


【ケン!!】


「バァススススッーーーーー!」

当たったが微妙にずれた。


俺 「ヒコ!もっと篝火を炊け!もっと人を使うてもかまわん!」


ヒコ 「はい!」


暗いと照準がずれる。

弾数を無駄にはできない。


修練の結果、射撃精度と威力を保持したまま可能な射撃数は結局50回だった。

追加の修練もあり、これが俺の限界値である。

手槍はその数に合わせている。


俺 「先手よーーー!足を速めよ!」


先手 「おーーーー!」


予断を許さない状況でできる事はできる限り石上に到着する事。

多少の無理は承知の上だ。


【カムナのチカ】


【ケン!!】


先頭のノロヰと優先的に片づける。先頭が止まってしまっては全体の行軍スピードに直結する。


【カムナのチカ】


【ケン!!】


剣持ノロヰが現れたら即時に対応する。


【カムナのチカ】


【ケン!!】


劣勢に追い込まれているエリアへも集中砲火する。


一気に15発は使ったか・・・・正直、予想以上の消費の仕方だ。

残弾を気にせず、使い切ってしまい俺も白兵戦に戻るか・・・・

それでは全体の指揮ができなくなる・・・・



「ヤエーーーーー!」

このデカい声はオオミナだ。

オオミナは今回運手に入ってもらっている。


俺 「何や!!お前と遊んでる暇はない!!」


オオミナ 「ワシを先頭に行かせろ!!」


俺 「おヌシは運手や!そこでおれ!」


オオミナ 「知らん!おヌシばかりが気張っておる!!ワシにもええかっこをさせぇ!!」


俺「あほか!!」


オオミナ 「先頭にはワシが行く!!おヌシは剣持ノロヰだけを見よ!!」


俺 「それでは運手が滞る!!」


オオミナ 「知らん!!ええから先頭はワシに任せよ!!これではおヌシが持たぬ!!」


俺 「ぐっ・・・・」


痛い所を付かれた。


オオミナ 「おヌシは剣持ノロヰだけを見よ!!ええか!!」


俺 「他はどうすんねん!!」


オオミナ 「信じろ!!ワシを、皆を信じろ!!」


俺 「・・・・・・」


信じて作戦が上手くいくなら俺はこんなに苦労はしていない。

長たる俺に責任がある。皆を無事帰らせる責務がある。


が無理が生じてきているのも事実だ。

確かにこのまま俺一人で何とかするというのは傲慢、過信かもしれない。

でも本当に大丈夫か?もし任せて死人が出たらどうする?


信じてみるか・・・・俺は長であるが故、作戦立案は実際の戦力の1割減で考えていた。

それが癖づいているのかもしれない。

そもそも、俺の戦力分析が正解だと言う保証もない。


信じてみる・・・・


分からん。


俺に信じろという意志の強さにベット(賭ける)してみるか・・・・


トップのプロアスリートも最後はメンタルだというしな・・・・



俺 「ビビりのおヌシにできるのか?」


オオミナ 「できる!!」


俺 「よし!任せた!」


オオミナは深くうなずいた後、神輿から離れ駆けだしていく。

が、駆け出しして後しばらくすると立ち止まった。

何か問題でも起こっただろうか?


立ち止まったオオミナがボリュームの制限を解除し叫び始めた。

「先手の者よーーーーーー!!!!」


先頭から後手まで聞こえるデシベルだ。

戦闘中で振り返りはしないが皆聞こえているはずだ。


「おヌシたちの力はこんなものかーーーーー!!!! ヤエに頼うてばかりで情けないのーーーー!!!!」

この場面で味方をディスり始めた。


「弱いおヌシたちを仕方がないから運手のワシが助けてやる!!!! これから先頭で引っ張ってやるから、おヌシらは付いてこい!!!!」


キーーーンっという音が聞こえる程の静寂が一瞬あった後、


「お前にだけは言われたない!!」

「お前が一番弱いんじゃ!!」

「偉そうに口出しすな!!」

「いらんわ戻れあほ!」

「あほか!うるさいわ!!」

「後でしばくぞ!」

凄まじい怒号が飛び交う。

新しい形のコールアンドレンポンス?


アホなオオミナはなぜか固まったままだ。

たぶん、次の言葉が思いつかないのだろう。


「何か言えーーー!!」

「固まるなーーーあほーー!!」

「はよ行けーーー!!帰れーーー!!」

怒号という炎上に油を注いでいる。


「はっ!」

オオミナはなぜか万遍の笑みを浮かべて走って行った。


「何やそれ!!」

「何もないんかい!!」

「おもんないぞ!!」

「どこ行くねん!!」

オオミナのお天然、ここに極まれり。

葉っぱを掛けるつもりが炎上を引き起こした。


が、モチベーションが上がったことは事実だろう。良い方向か悪い方向かは分からない。


俺 「皆の者----!!!! 後でオオミナをしばくぞーーーーー!!!!」


「うぉおおおおおおおおーーーーーーーーー!!!!」


火にガソリンをくべておいた。



石上まで残り1/3強。この勢いを利用して乗り切る。


【カムナのチカ】

【ケン!!】

皆を信じ、俺は剣持ノロヰに集中する。


先頭からオオミナの大声が聞こえる。

信じよう。



その頃、石上では俺達を待つイズシのおっちゃんがいた。

シキ 「どうされました?」


イズシ 「待つのは不得手や。」


シキ 「誰でもですよ。」


イズシ 「そんなもんか。」


シキ 「ヤエの事を案じておるのですか?」


イズシ 「う~ん。オオミナの方やな。アレはヤエが無理をし出したら付き合う癖がある。一人だけ無理をさせるのが嫌なんやろな。しまいはオオミナが怪我をすることが多い。アレは走りだしたら自らで止めるという事をしらんからな。」


シキ 「オオミナはもう大人ですよ。」


イズシ 「人はそうは変わらんぞ~。」



シキの兄ちゃんに聞いたが、そんな会話を二人でしていたらしい。



「うぉおおおおおおおおーーーーーーーーー!!!!」

絶賛、彼はブレーキを踏まずにアクセルをベタ踏みしている。

ヒコからの知らせでは、また顔面血だるまになっているらしい・・・・

返り血か自分の血か分からんが安全安定の暴走中だ。



現在、石上まで1/4に差し掛かろうとしている。

少々、問題が発生している。俺の【ケのチカラ】の残弾が20本となっている。

本当のギリギリ足りるかという所か。


オオミナや曳手たちの勢いもいつまで持つか分からないが、皆を信じてこのまま勢いで押し切ってしまうか・・・・

この御魂移しの戦略上の分岐点だ。

将として正しい判断をしなければならない。



「ヤエ殿!」

後手のオオヒコさんだった。


「廻しますぞ。」



つづく。



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